港区南麻布4-12-25 南麻布セントレ1FTel. 03-3448-0555

営業時間 14:0023:002230ラストオーダー) ・ 定休日 無休



“KENZO ESTATEケンゾー エステイト広尾は、ゲームメーカー・カプコンの創業者、辻本憲三氏が個人として運営するカリフォルニア州ナパにあるワイナリー・“ケンゾーエステイト”の直営レストランである。


というより、ワインがもっともおいしく飲めるために創られた料理が供されるお店と言った方がよいのかもしれない。


したがって、このお店はワイン愛好者が主として集うお店であり、未成年者の入店は原則、禁止である。

エントランス

そうしたお店へワインに素人の私ごときがうかがうのは非常に失礼にあたるのだが、共通の知人のお祝いということで、畏敬する大先輩がセッティングをされたため、恐る恐る広尾のKENZO ESTATE”へ足を踏み入れた次第である。

個室
当日、利用した個室

KENZO ESTATE”が日本でも知る人ぞ知るというワイナリーであることを、わたしはこの日、初めて知ったものだが、店長でソムリエでもある常盤さんが、丁寧にワインの説明をしてくださり、素人も肩を凝らすことなく、和やかな時間が過ごせた。

当日のワインラインナップ
当日のワインのラインナップ・右端より順番にサーブされた

当日、供されたワインは、“プランAの各90ml”というものに、ロゼを加えたものであった。

まず、“2012 yui(結)”(ロゼ))

2012 yui(結)
2012 yui

2012 asatsuyu”(白)・“2009 asuka(明日香)”(赤)

2012 yui・2012 asatsuyu・2009 asuka
2009 asuka に、2012 asatsuyu

2009 rindo(紫鈴)”(赤)

2009 rindo(紫鈴)
2009 rindo

2008 murasaki()”(赤)

2008 murasaki(紫)
2008 murasaki

2009 ai(藍)”(赤)

左端、2009 ai(藍)
2009 ai

 

と、上の6種類であったが、ネーミングはすべて辻本氏の奥様がなさるそうで、例えば、ロゼの“yui(結)”は、白と赤を合わせた色合いという意味合いとKENZO ESTATE”が目指すブレンドワイン、異なる品種を結び合わせ最高のワインを造るという深い意味合いを籠めて命名したのだという。

また“asuka(明日香)”は、辻本氏の出身地・奈良橿原市に因み、隣接する明日香村の名をつけるが、明日の香を目指してワイン醸造に取り組んでゆくのだという心意気を籠めて命名されたそうである。

ワインひとつの名前の謂れを知ることで、“KENZO ESTATE(ケンゾーエステイト)”のワイン醸造に懸ける真摯な姿勢が、強烈に伝わってくる。

メニュー
当夜のメニュー

一方、お料理はコースをお願いしていたが、これがまた半端でなく美味しい。

ポタージュスープ
アミューズ・キタムラサキの冷たいポタージュ

順番に供されるワインに適(あ)うよう、それぞれの料理はくっきりと味が立った味付けがなされ、いたく感心させられた。

ムール貝のフレッシュバジルマリネ・夏野菜と
冷たい前菜・ムール貝のフレッシュバジルマリネ

ひとつひとつの素材も厳選されたものであり、久しぶりにいただいたアワビのステーキなどは身がコリッとしながらも柔らかく、おいしかった。

蝦夷アワビのステーキ
温かい前菜・蝦夷アワビのステーキ、肝のソース
小笠原産尾長鯛のブレゼ
魚料理・小笠原産 尾長鯛のブレゼ

もちろん、トリゥフが添えられたフィレ肉もナイフがす〜っと入るほどに軟らかで、舌にとても美味であった。

黒毛和牛フィレ肉のロースト・サマートリュフソース
肉料理・黒毛和牛フィレ肉のロースト

名物のKENZOカレーが〆の料理として出てきたが、これがワインを飲んできた口に無性に合うのには正直、驚いた。

KENZOカレー
KENZOカレー

デザートもまさに奢った口をしずかに落ち着かせるのだろう、出しゃばり過ぎない味で、完食である。

ココナッツブラマンジェ
ココナッツブラマンジェ

”KENZO ESTATE”は、2230が料理のラストオーダーとなっているが、それ以降、午前4時まで簡単な乾きものでワインを嗜む愛飲家は利用可能とのことであった。二次会としてお使いいただいて結構ですよとのことであったが、なるほど、そうしたお洒落で落ち着いた二次会の利用も考えて見られてはどうだろうか。


まさに、ここ“KENZO ESTATE”には、熟成した本物の大人たちがゆったりとした時間を愉しむためのぜいたくな空間がいつでも用意されているのである。