大手メディアで盛り上がらぬ都知事の豪華出張
今、福島、和歌山、宮崎といった地方自治体で談合事件による知事の逮捕や疑惑騒動で大手メディアは連日のように詳細な報道を繰り返している。そうした最中の15日に、「石原都知事の超豪華海外出張の浪費の実態について」という文書が日本共産党東京都議会議員団によって公表された。1999の知事就任から今日までの石原慎太郎都知事(74)の海外出張(19回中15回のみ資料あり)に2億4355万円という大きな支出(1620万円/回)がなされていたことがわかった。
今回、明らかにされた都知事の豪華出張は、談合といった直接的な犯罪というわけでは、もちろんない。それもあってか大手メディアの報道は盛り上がりを欠き、追求の声もほとんど聞こえてこない。
しかし、共産党議員団が示した資料によると都条例で宿泊費4万2千円/泊までと定められているのに対し、26万3千円のホテルに宿泊したケースも明らかにされている。しかも夫人が同伴したのは19回のうち4回で、そのうち2回の米国出張は旅費・宿泊費も公費で賄われている。こうしたことが、その地にホテルが一つしかない、あるいは公務上、夫人を同行する必然性があったというなど都民への合理的説明がないままに、記者団の質問に対し「知らないよ、私は。そういうことは事務局に言ってくれ。何も豪勢な旅行しようと思って行ってるわけじゃない。直すところがあったら直したらいいじゃないですか」と、応えて済む話ではない。
公私混同であれば、私的な部分に関する費用については、これは明らかに横領にあたる。これは言うまでもなくりっぱな犯罪である。「(これから)直しらいいじゃないですか」という次元の話ではない。すでに支出された、実施された行為なのだから。ただでさえ、自治体財政が厳しいといっては医療福祉分野などでの応益負担が増し、自治体によるサービス削減が断行されている。現に財政難を理由に経済的弱者たる障害者の「扶養年金制度」の廃止の方針をつい先日、決めたばかりである。そうしたなかで、都知事のこうした不透明でいかにも贅沢としか庶民からは見えぬ支出については、はっきりと公私の別なり、支出の必然の理由を都民の前で明らかにすべきである。大手メディアはこの豪華出張をもっと周知させ、石原都知事に対し強い態度で説明を求めていくべきではないのだろうか。
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