京都のロケ地めぐり 1 =鴨川の飛び石

京都のロケ地めぐり--- 3 =法観寺(ホウカンジ)・八坂の塔

京都のロケ地めぐり―――4=南禅寺水路閣

龍馬伝、京都を歩く

 知恩院の参道を下って白川にぶつかる手前に古門と呼ばれる瓦葺の門がある。車や人も通るその古門をくぐると古門前橋が白川に架かっている。その古門前橋手前右手に、白川の川底に突き出すように川床のようなテラスが設けられている。


知恩院の古門



BlogPaint

古門の桃瓦

古門前橋のたもとに川床が見える


 ここも名取裕子さんや橋爪さんがベンチに腰かけ、事件の謎解きに推理をめぐらしたりする有名なロケ場所である。


意外とゆったりした川床


 川岸沿いに柳並木が連なり、新緑の季節はさぞ美しい光景となるのであろう。ベンチから白川上流に目を転じると、すぐそこに買い物かごを下げた着物姿の名取裕子さんがよく渡っている「行者橋」、別名「白川の一本橋」が見える。


河岸の柳並木と一本橋


一本橋


 娘は早速に一本橋を往復していたが、わたしは幅がわずかに66センチの手摺もない石橋を渡るのは遠慮した。名取さんはさすが度胸がある女優さんなのだと妙に感心したものだ。


買物帰りに渡る人


テラスから一本橋を


 この「一本橋」は「行者橋」とも呼ばれ、説明板にその謂われが次のように書かれている。


説明板


「比叡山の阿闍梨修行で千日回峰行を終えた行者が粟田口の元三大師に報告した後、京の町に入るときに最初に渡る橋で、行者橋、阿闍梨橋とも言われる。江戸時代には、この橋を粟田祭の剣鉾が差して渡る『曲渡り(曲差し)』が呼び物であった」


 われわれは川床のベンチに坐り記念写真を撮って、次にいよいよ祇園の中心部分に入って行った。


 京の祇園といえば巽橋と舞妓さん。白川に架かる巽橋を訪ねた。そして白川沿いの桜頃はさぞかし美しいであろう白川南通りと古い京の町屋の佇まいを残す新橋通りのぶつかるところに辰己大明神がある。京を舞台とするドラマのちょっとしたシーンでよく使われる神社である。何せここを映せば、みんなが「あぁ、京都の祇園だ」と、説明もなく納得する観光スポットである。


辰己大明神(左が白川南通り・右が新橋通り)

辰己大明神鳥居

辰己大明神の鳥居

辰己神社の祠・京舞井上流の家元井上八千代氏の寄進名も 

新橋通り


 平日ということもあってか、白川通りも新橋通りも人通りは少ない。この一帯は、祇園新橋伝統的建造物群保存地区に指定され、地元の方々の日々の努力によって古い街並みが美しく息づいている。この新橋の辻、白川沿いに、先に紹介した甘味処「ぎおん小森」がある。


巽橋

「小森」より正面に「辰己橋」を 


切り通しより「たつみ橋」を

 いつも人通りの多い場所であるが、当日は幸い観光客も少なかった。そのお陰で落ち着いて祇園のしっとりとした雰囲気を味わうことができ、少し得をした気分になった。