長野県茅野市米沢7682
TEL 0266-73-5455 FAX 73-5286
営業時間 11:00〜23:00 定休日(水)
改装工事を終えた三駒(みつこま)を本当に久しぶりに訪れた。ビーナスライン沿いのあの強烈なオレンジ屋根のお店である。
最近は八ヶ岳農園で新鮮な野菜を購入するため、小淵沢ICを利用することがほとんどで、ビーナスラインには芹ヶ沢交差点から入る。そのため、その下(茅野市街方向)に位置する三駒の脇を通ることが少なくなった。
20年以上前の昔はビーナスライン沿いの蕎麦店も少なく、チェーン展開する「そば蔵」や「三駒」と「そば庄」、そして当時新しいところで「登美」ぐらいが目立った蕎麦店であった。まだ競争が激しくなかった頃である。そんな時代からこの三駒はオレンジ色のトタン屋根で頑張っていた。
三駒は玄そばと信州ほうとうで有名であるが、鉄板焼きなども楽しめるお店でもあり、今どきの「蕎麦」専心を謳い文句にする蕎麦屋とは明らかに一線を画している。お店のコンセプトは昔から変わっていないのだと、久しぶりの往訪でも感じたものである。
玄関を入ると大きな囲炉裏の間があるが(改装で大きくなったような気がするが)、その囲炉裏を囲む団欒が醸し出す肩の凝らない、暖かなおもてなしのお店である。昔もそう感じたが、今回も同様の思いを持った。素敵に歳を重ねるお店である。
さらにこの店の良い点は、お客によって「ほうとう」や「鉄板焼き」や「玄そば」といった、それぞれの贔屓があることである。殊更に蘊蓄(うんちく)をひけらかすそば屋が増えた昨今、肩も凝らず、庶民的で、多様な使い方のできる「三駒」は逆に貴重な存在となったと言える。
今回は生後3ヶ月半の赤ん坊も一緒であったので、広い畳みにゆっくりゴロンとさせられ、大助かりであった。さらに改装後だと思うが、ドア付きの2畳の畳間(絨毯敷き・遊具有り)が授乳室となっており、乳幼児の授乳やオシメ替えが可能で、幼子を抱えた若い家族連れにはもってこいのお店である。こうした心遣いにも今回は本当に感心させられた。
最後になったが、味の方だが、わたしは精製しきっていないそばの実を石臼で碾き粉(ひきこ)にした素朴な味の「玄そば」(くろそば)が大好きである。そして以前より麺が太くなったのも、また喉越しの旨味を引き出してくれるようでわたしには好評であった。