3月26日発売の週刊誌・「週刊新潮」に吉田嘉明会長の手記が掲載されてから、“8億円問題”が世の中に明らかにされた。
発覚当初はテレビインタビューにも応じ、「熊手購入」、「政治資金ではない」、「個人的借入」だと政治資金規正法や公職選挙法には抵触しない旨の言い逃れをしてきた。
そして、28日、吉田嘉明会長によって、2012年・衆院選前の「あと5億円ほど必要」との融資依頼メールを明らかにされてからは、「党の選挙での躍進を願って活動資金を調達するのは当然だ。選挙資金としての融資申し込みが本当でも、法律違反は生じない」(31日)と、渡辺代表は自身のHPで、釈明というより開き直ったものだ。
そして、「今回の騒動の本質はみんなの党から分かれた江田憲司氏の結いの党が仕掛けた権力抗争です」とまで、問題点の所在をすり替えようとしている。
国会議員の給与カット・定数削減や公務員制度改革を消費税増税の前にやるべきこととして、毅然として行革を推し進めようとする同代表の姿勢は、行革推進が掛け声だけでは駄目なのだと、その明快な物言いと相俟って国民の一定の評価を勝ち得てきたといってよい。
それが8億円もの大金を明らかに政治資金として借入しときながら、この10日間の渡辺代表の物言いは“さすがにないだろう”と、断罪するしかない。
事が露見し、不利な事実が次々と公表されるに至り、渡辺喜美代表は何と天の恵みなのか、“声が出なくなり”1日午前の党役員会を欠席。
また“みんなの党”HP上で、毎週木曜日にインターネット生放送されていた『週刊みん生!』も、今週(4/3)は“機材トラブルのため、中止とさせていただきます”ということで、まぁ、都合よく機材も故障してくれるなど党あげての“渡辺隠し”、“不正の隠蔽”と勘繰られてもおかしくない都合のよい出来事が続いている。
自民党を飛び出て、脱官僚という政治改革を標榜、メリハリのついた言葉力で与党提案の政策につき是々非々の対応をとってきた“みんなの党”。
反対!反対の旧来野党と一線を画した新しいスタイルの野党として独特の立ち位置を占めつつあったのに、現在の渡辺代表および同党の対応は誠に残念であり、遺憾である。
猪瀬直樹前東京都知事を引き合いに出すまでもなく、これまで舌鋒鋭く他人を攻撃・糾弾してきた人間は、殊に政治と金については、率先垂範、その嫌疑については逃げ隠れするのではなく、そのよく回る“舌”を動かし、国民が納得するまで説明を尽くすべきである。
そして、その出処進退はなおさらの如く堂々と、後ろ指を指されぬ始末をすべきものと考える。
それでなくとも、政権交代により歴史的政治改革を成し遂げることを期待した国民が、民主党の体たらくで受けた有形無形の傷は甚大である。
このままでは政治不信は深まる一方であり、今回の対応如何によっては、政治不信という根深い病は治癒不能の宿痾(しゅくあ)と化してしまうことは必然である。
その先にあるのは、政治に対する無関心、己さえ良ければそれで良い、弱者を思いやらぬ殺伐荒涼たる社会であることは言を俟たない。
それにしても、DHCの吉田嘉明会長という人物、謎の多い人ですね。ちょっと、というか、かなり気味の悪い話のような・・・

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