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「相棒」 杉下右京、メディアと国民に挑戦状!

テレビ朝日開局50周年記念

 こどもの日に水谷豊主演の「相棒」を観に行った。この映画がこどもの日と縁があるわけではないが、娘と家内と一緒に行ってもらったので、55日はわたしにとって、ひと月早く来た「父の日」だったという方が正確な表現であるのかも知れない。

相棒ポスター縦

相棒満席表示

ポスター

 

 

 

 満員席の黄色のランプ 劇場の「相棒」のポスター

 

 

 この日は1535分からの上映を前もってネットで予約して劇場に行ったが、まさに大正解であった。予約チケット売り場には余裕を持ち30分少し前に行ったところ、その時間の当日売りチケットはすでに売り切れで、「この回は満席です」と係員の人が声を嗄(か)らして行列に列ぶ人たちに向って叫んでいた。

 

 いつもテレビで杉下右京が働かすあの緻密な推理に感心させられている「相棒」ファンのわたしとしては、なんとなく嬉しくなる一瞬であった。

 

 全席予約であるにも拘らず、劇場入口前は場内にいち早く入ろうとする観客で長蛇の列になっていた。開演20分前にようやく入場が許され、シートに腰をおろしたが、周りの席はあっという間に埋まってしまった。家内と周りを見まわして互いに驚いたのが、その観客の年齢層であった。もちろん若い人たちもたくさんいるが、それと同数と云ってよいほどの高齢な観客が客席を埋めていたのである。

 

 あらためて「相棒」というテレビ番組の人気の「質」を知らされたものである。

 

 ストーリーはもちろん映画をご覧になって堪能されたらよいが、現代社会のメディアの力と時の権力がそのメディアを利用する怖さを知らしめるリアリティーあふれる作品となっていた。

 

 鑑賞後のわたしの心は重くなり、昨今、起こっている様々な事件がわたしの脳裏を駆け巡ったことは確かである。そして、この作品がある意味で私を含め国民に対し深い反省の念を強いたことも偽らざる事実であった。

 

 一方で、メディア批判を正面から扱うこの作品が、「テレビ朝日開局50周年記念」として作成されたものであることも、少なくともこの作品にかかわった人々が、現在、メディアが有する力の凶暴さ、メディアと権力との距離感、その置かれている危険なポジションを重く受け止めているということを知らしめてくれたことは、わたしにとっては救いとも思える作品であった。

 逆に云えば周年記念の作品でそうしたメッセージを社会に対して発信せざるを得ないほどの必要性に迫られていることに、この国のメディアがそれほどに堕落し、野放し状態に陥っているということの証なのかも知れないとも感じさせられた。

 

 そもそも「相棒」は現代社会の抱える病理に迫るメッセージ性の高いストーリーが多く、番組終了後に「現代の病」を考えさせられるテーマがあるのが特徴である。ご高齢の方々がわざわざ劇場にまで足を運び、この作品を鑑賞しようとする「現代の病巣」の深さを劇場の満席で体感したわたしは正直驚きを隠せなかったし、そうした現状認識を共有する人々がこれほどいることに、この社会を改革する時間は本当に残り少ないのだと実感した。

 

 GWの後半にこうした重い課題に直面できたことは、わたしなりに有意義な連休であったと思いを新たにしたところである。

 

 そして水谷豊という稀有な俳優の魅力にまた一段と引き込まれてしまったのである。

 

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