別所温泉 旅館 「花屋」に行ってきました!
長野県上田市別所温泉169
0268-38-3131
大正浪漫の建築で有名な旅館「花屋」にようやく泊ることができた。「ようやく」というのも、昨年の夏にこの大正浪漫溢れる旅館をネットで見つけ、予約を入れようとしたが、生憎、満室で断念した経緯があった。だから今年は3ヶ月ほど前から早々と予約を入れ、万全を期した。
「花屋」のHPを開くと分かるのだが、わたしは大正時代の宮大工が腕によりをかけて造作したという本館の21番か23番の部屋に泊りたいと思い、旅行代理店を通じて申し込んだが、家族3人では部屋が大きすぎる(定員が6〜8名)うえ、そもそも予約で一杯との回答であった。人数と予算の問題もあり、仕方がないので別の部屋でもよいと当日を迎えることになった。
花屋の正面から玄関ははさすがに老舗の風格があった。そして館内へ上がり、部屋へと案内されるのだが、建物を結ぶ良質の栂(つが)を使用した渡り廊下と釣り灯篭という風情が「大正浪漫」をいやがおうにも掻きたてる。
宵闇が迫る頃、温泉へと向かった。その渡り廊下の途中から見える中庭の赤石や水車が回る日本庭園は幻想的で、気持ちは一挙に大正浪漫の世界へ飛んで行った。
温泉はすべて源泉掛け流しで3種類ある。わたしは大理石造りの室内温泉風呂に入った。
そこのステンドグラスがお目当てだったからである。温泉の質はさすがに老舗だけあってよい。黄色や赤、青色のステンドグラスと大理石造りの造形がよくマッチし、湯船に浸かった気分は最高である。
そして部屋での夕食となった。この部屋の造作はまぁ、普通の旅館とあまり変わりはなく、HPで見た21番や23番の部屋の匠の技を見出すことは難しかった。また、室内のトイレ・洗面の配置がどうにも窮屈。そして洗面の設備は古過ぎていただけない。アメニィティ・グッズも大きく見劣りするので、今後の改善を期待。下の写真は泊まった部屋の縁側と畳間を仕切る欄間であるが、21番の部屋の造作には劣る。値段が違うので仕方はないのだが・・・。
料理は部屋に順番に仲居が運んでくれるので、温かく味わえる。ただ、わたしには料理の皿数が多すぎて、種類を減らして質を高めてくれる方がよいと感じた。それは家内も同意見であった。
前菜
鯛のしゃぶしゃぶ
千曲川産のアユの塩焼き
信州牛のローストビーフ
翌朝は大正浪漫溢れる木造りの食堂で朝食を取った。
大正浪漫あふれるダイニングルーム
そこで食べる朝食
その後のチェックアウトまでの時間、前日にお願いしていた21番の部屋を見せていただくことになった。部屋へ足を踏み入れ、天井板に描かれた色鮮やかな絵柄を目にしてびっくり。障子に細工された細やかな桟の造作。床の間の床柱も素晴らしい。ひっそりとした座敷で仲居さんが「ご家族でお写真を撮りましょうか」というので、床の間を背にして三人、座布団に坐って、ひと時、大正時代の匠の技の部屋の空気を吸わせていただいた。広々としてゆったりとした贅沢な空間と時間であった。
障子の桟に匠の技
21番部屋の見事な天井絵
ただ、家内はこの天井絵の下に寝るのは、何とも落ち着かないかも・・・、なぞと身の程知らずのことを言っておりましたが、わたしは機会があれば、もう一度、人数を募り、この部屋であれば泊ってみたいと思ったものである。
大正浪漫あふれる談話室も雰囲気がありましたね・・・