茅野市豊平4734-7906

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鮨処みつ山
鮨処みつ山・駐車場もゆったりしています

標高1000mを超える蓼科高原に旨い鮨などあるわけねぇ〜と、これまで真剣に鮨屋を探すこともなかったし、鮨処の暖簾が目に入ってもさして食指が動かなかったためか、そこに鮨屋があるという記憶も残っていなかった。


そんな“鮨処みつ山”は、三井の森通り沿い、“縄文の湯”と“尖石縄文考古館”の間にあった。諏訪南ICからは八ヶ岳エコーラインを蓼科方向へ上り、三井の森通りと交差する“尖石考古館西”の信号を左折し、200mほど行った右手の建物である。駐車スペースもゆったりとしたお店である。


以前にご紹介した“料理倶楽部いとう”から三井の森通りをさらに500mほど東に行った先が今回の“鮨処みつ山”ということで、この辺りはほんとに何度も通っていた場所である。


然るに高原の鮨などあり得ぬというわたしの固定観念から、20034月に開店したという“みつ山”の暖簾はまったくわたしの記憶に留まることなく9年もの月日が無為に過ぎ去っていた。 

みつ山の控えめな暖簾
みつ山の控え目な暖簾

当日は車山でレンゲツツジを観賞し、白樺湖畔の温泉、“すずらんの湯”でのんびりと汗を流し大門街道を下って来たので、夕食は芹が沢近辺でどこか新しいお店へ入って見ようということになった。


あれこれ思案しても妙案は浮かばず、大門街道沿いにも魅力的なお店は見当たらず、少し三井の森通りの方にでも行ってみようとなった。


そこで、家内の方からお鮨はどうかとの提案がなされた。最初は蓼科でお鮨? 鮨屋なんか近辺にあるのか・・・、この人は一体何を考えているのかとなどと否定的雑念が交錯したが、近くに鮨屋があると言うではないか。


家内はかなり前からここに鮨屋が出来ていたことに気づいていたのだとかで、一度はお試しもいいかなと考えていたのだそうだ。


そんなこんなで、定見なき、いや、固定観念のない柔軟思考の持ち主たる家内の導きにより、高原の鮨、“鮨処みつ山”にチャレンジすることになった次第である。


まぁ、そんな噺はどうでもよいのであった。要は、高原の“鮨処みつ山”の鮨には感動した!!・・・と、ひと言、そういうことが言いたいのである。


わたしの大嫌いだった小泉元総理(最近の政治の体たらく振りを見ていると、何か小泉純一郎も懐かしくなってきたなぁ・・・)の言葉を寸借してきたようでちょっと心持ちは良くないのだが、その言葉がその夜の自分の気分を素直に表すものであったので、素直に“感動”したと書こう。


さて、いよいよ本題に入るが、店内はほどよい広さで、明るく、そして何より清潔なのが心地良い。


われわれが坐ったカウンター席は6名、テーブル席(4名)が二つに手前奥に8名用の座敷がひとつと、リゾート地の鮨屋としては十分な容量である。 

奥左手が個室
奥に座敷があります

そして海のない高原になぜ旨い鮨が? というわたしの疑念には・・・。店主の牛山光彦氏が愛想よく応えてくれた(因みに“みつ山”という名前は、光彦の“みつ”と牛山の“山”をとってつけたのだそうだ)。

店主の牛山光彦氏
店主の牛山光彦氏

築地場内の仲買さんから、即日仕入れを行ない、また定期的に牛山さん自身も築地へ赴いて仕入れをするのだという答えで、厳選されたネタを即日新鮮なままでこの高原の地まで搬送してくる現在の物流業界の熾烈な競争の恩恵をこうした形でわれわれが享受していることをあらためて知らされた次第である。


われわれ夫婦は美しい檜のカウンター内のガラスケースにならぶ豊富な生きのよいネタを見ただけで、この夜が最高に贅沢で愉快なひと時になることを予感したと言ってよい。

こだわりの新鮮なネタ
築地から即日搬入されたこだわりのある新鮮なネタ

そして、お見受けした店主の人懐っこい笑顔に触れ、その予感は期待へと膨らみ、最初の一貫を口にしたとき、それは確信に変わっていったのである。

お通し  お造り・鮪、赤貝
お通しと鮪と赤貝の刺身

わたしはまずお刺身をツマミに日本酒をいただいたが、家内は車の運転があるため最初から握ってもらうのだが、あまりにネタが新鮮で、いろいろ話をするうちに大好きな岩ガキへと話題が移り、それが頂けると云うことになり、欣喜雀躍という状態となった。


その岩ガキが下の写真である。その今にも弾けるようなプリプリ感と鮮度、そして濃厚な味はまさに極上の岩ガキであった。

岩ガキ
このプリンとした岩ガキは絶品でした

わたしは家内が頼むネタを一貫分けてもらい摘む一方で、透明で新鮮な生蛸を刺身でいただくといった形で、傍若無人この上ない振舞いを続けた。 

真鯛の刺身  生蛸の刺身
真鯛と生蛸の刺身
鮨
品の良い握り鮨
鯵の刺身
脂ののった新鮮な鯵の刺身

一方で牛山氏は厳選し、非常にこだわりのあるネタを手を変え品を変え、シャリの旨さを逃がすことなく程よい握り具合で次々とお皿に供してゆく。

しゃこ  穴子
シャコと穴子
  
生蛸だったか、エビだったか・・・  中トロ
生蛸?と中トロ

その結果、気づいた頃には、まぁ、夫婦二人にして相当に食べ過ぎといった形となった次第である。


カンパチのトロだったかな  コハダ
カンパチのトロだったかなぁ・・・ なかなかのコハダ
アワビ  貝の握り
アワビと何の貝だったかなぁ・・・

鮨の大きさも小さめで上品で、口に入りやすく、量も少ないので、色々な種類をつい食べてしまう・・・、かように飽食してしまったのだと責任転嫁するのが許されるぐらいに、旨くて食べやすく、腹に溜まらない(錯覚なのだが・・)お鮨を高原の鮨処・“みつ山”は提供してくれるのである。 

鯛  貝
真鯛と・・・
貝柱  えび
貝柱とえび、でしたかね・・・

そして最後にはおいしい杏のシャーベットまでいただきました。

デザート

柔軟思考の家内に感謝!感謝! 胃袋も満足!満足!の一夜でした。