平城遷都1300年記念 国宝薬師寺展、6月8日まで
東京国立博物館の平成館で現在、平城遷都1300年記念 国宝薬師寺展が開催されており、残すところあと一週間ほどとなった。
薬師寺展についてはNHKのハイビジョン特集「薬師寺 白鳳伽藍の一年」やNHKスペシャル「日光・月光菩薩 はじめての二人旅〜薬師寺 1300年の祈り〜」、アートエンタテイメント 迷宮美術館「出張!国宝 薬師寺展」など、再放送、再々放送も含め繰り返しテレビで放送されていた。それもあってか、5月20日には来場者数が50万人を突破したと一部ニュースで報じられた。わたしが訪れた5月27日は入館するのに80分待ち、閉館時間も30分延長ということで、国立博物館の園内は平成館の入口まで幾重にも折れ曲がった行列ができていた。当日は気温28度と陽射もきつく、博物館に常備された日傘が列ぶ拝観者に貸し出された。
東京国立博物館正門 平成館壁面のポスター 混雑表示
今回は光背をはずした日光菩薩、月光菩薩を360度から拝観することができるということで、わたしも多大な関心を持って出かけた。だが80分待ちという事態には驚いたのも事実である。暑い陽射のなか30分ほどで途中リタイアーする人もいたが、それでも大勢の人は日光・月光菩薩さんを拝顔するため長時間、じっと列んでいた。汗を拭きながら黙々と歩を進めてゆく群衆の姿を見てわたしは、みんな荒廃した今の社会に何とか救いを求め菩薩に祈りを捧げたいとの一心であると思えてならなかったのである。
館内で日光菩薩、月光菩薩のお姿をじっくりと拝観させていただいた。お堂のなかでは体験できない菩薩とほぼ同じ高さから対面してそのお姿をお参りできたことは、望外のことであった。そのふくよかだが、スリムなお姿に、下から見上げては分からぬ新しい発見もあった。また聖観音菩薩立像の美しい立ち姿にも、心を洗われた。
今回の薬師寺展は「あなたの心」を見つめ直すいい機会だと思う。薬師寺管主安田暎胤(えいいん)氏が「荒(すさ)んだ世の中に少しでも菩薩様の願いを感じ取ってもらいたい、菩薩様をご覧になって心を癒して頂きたい」と、日光・月光さんを薬師寺の外に出す意義を述べておられたが、まさにそう感じさせられたひとときであった。
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