京都のロケ地めぐり--- 2 = 巽橋・白川一本橋(行者橋)
   
 京都のロケ地めぐり--- 3 =法観寺(ホウカンジ)・八坂の塔


京都のロケ地めぐり―――4=南禅寺水路閣

龍馬伝、京都を歩く


京都ほど数々の映画やドラマで舞台とされた街はないだろう。またこれからもいくつもの名シーンに古都の佇まいが使われるであろうことは想像に難くない。


そこで、今回、ロケ地としてテレビドラマの「京都地検の女」や「おみやさん」、「京都迷宮案内」、「科捜研の女」などに頻繁に登場する場所を訪ねることにした。ミーハーと笑うことなかれ。ロケ地となるだけあって、やはりそれだけの値打ちはあるというのが、ちょっとだけではあるがロケ地を廻って見ての正直な感想である。


まず、「おみやさん」の渡瀬恒彦や「京都迷宮案内」の橋爪功がエンディングの場面でよくホップ・ステップしている鴨川の飛び石である。事前にネットで下調べをし、4か所に絞り込んでいた。そこによく目にする飛び石があるはずである。


当初は鴨川の河原を歩きながら北上しようと思っていたが、時間との関係?もあり、ちょっと邪道ではあるがタクシーの運転手さんに主旨をお話し、4か所を廻ってもらうことにした。家内は当初の「飛び石全て歩いて踏破!」との意気込みを知っていただけに、わたしの開戦前早々の白旗には正直、あきれ顔であった。面目ない・・・。


そのお陰と言ってはなんだが、京都の小春日和のひとときを鴨川の飛び石で遊び河原散策を堪能できたことは、家族も望外の喜びのはずである。すばらしい選択と決断であったと称賛されてよいとわたしは考えている。



まず二条大橋の北側、フジタホテル脇にある飛び石が第一の飛び石である。大きな矩形の石にところどころ千鳥形の石が交じり対岸まで続いている。川幅の真ん中あたり下流数メートルのところに、舳先を上流に向けた船形石が四つ置かれている。千鳥に小舟、何とも風流である。ここを渡瀬さんや橋爪さんが飛び伝いにゆく・・・、う〜ん、愉快である。

第一の飛び石

飛び石方向から二条大橋を望む・土の香りが懐かしい

鴨川の水がきれい

矩形と千鳥の飛び石

千鳥の飛び石(下流に4艘の船石)

先斗町の紋章である千鳥の飛び石です

船形石


第二の飛び石は荒神橋から降りた北側にあった。この飛び石は矩形の石のなかに頭をもたげた亀石が置かれている。飛び石の左岸の河原は鴨川公園になっており、名取裕子などが時折、ベンチで昼御飯を食べるシーンで使われたりしている。

鴨川公園・名取裕子がお弁当を食べるシーンで使われる

第二の飛び石

矩形と亀の飛び石

大きな亀石

河岸上り口から荒神橋を


第三の飛び石は加茂大橋の北側、加茂川と高野川が合流し鴨川となってゆく中州を挟んで位置している。ここは下流の第一と第二の飛び石の意匠である千鳥と亀を、西河岸から亀、千鳥、亀(加茂川)・ 中州 ・亀、千鳥、亀(高野川)の順に配置している。中州のすぐ北側には下鴨神社を囲むようにこんもりと糺の森が見える。

左が加茂川、右が高野川、中州の森が下鴨神社を囲む糺の森

第三の飛び石

亀・千鳥・亀・・・とつづく飛び石

旧かなづかいで「加茂大橋」

加茂大橋と第三の飛び石

加茂大橋より


 第四の飛び石は加茂川に入り北山大橋と北大路橋の間、上加茂神社の手前にある。ここは三角と菱形の幾何学模様の飛び石で、しかもこれまでの3つの飛び石と違い、大きさもふた回りほど小さい。これは下流の鴨川の広い川幅と比べて、上流の加茂川の川幅の狭さに合わせて小ぢんまりとしているのである。現在、この飛び石への階段付近は憩いの空間を造る工事がなされており、完成後、河岸の木々が花をつける春の季節にゆっくりとまた訪れてみたいと思った。

河岸工事中の第四の飛び石・渡ることができなかった

下流より・三角と菱形の飛び石

狭い川幅に合わせた小ぶりの飛び石

上流より・春はさぞかし美しかろう

 こうして酔狂にも鴨川の飛び石巡りを終えたが、どの飛び石も遊び心十分で魅力的であった。そして素朴な土道を残しながらもきれいに整備された河岸の散策は快適というより、都会人にとってはこの上なく贅沢なひとときであった。飛び石伝いに対岸へと渡る日常生活に、土地の人々の気持ちの余裕とそこにたゆたう豊かな時の流れを見た。そうした雰囲気がドラマのエンディングに流す映像としてぴったり来るのだろうと納得したところである。