2022.9.4掲載のブログ・「京都通が知る亀屋良永で清涼感溢れる葛羊羹・白瀧を買ったぁ!!」において、わたしは亀屋良永の紹介文で「次は亀屋良永の代表的銘菓である「御池煎餅」にチャレンジしたいと思っている」という言葉で結んでいた。

亀屋良永 扁額
亀屋良永の扁額
先日、細君がわたしのブログを読んだとみえて、「亀屋良永の御池煎餅に次はチャレンジしたいって書いてたけど、また、仏さま、ちゃんと拝んでいないんじゃない?」という。

耳に痛いいつもの小言である。

亀屋良永 御池煎餅
亀屋良永の御池煎餅
「どうして」と訊き返すと、「御池煎餅、仏さまにお供えしてあるのに」と、さらりとのたまう。

「え〜っ!」と、親不孝のわたしは呆けたように口をあんぐりとあけるしかない。

店内ショーケース
ショーケースに御池煎餅
わたしとて仏壇を蔑ろにしているわけではない。

朝起きて食卓上の菓子盆に「おめざ」が置かれていないときは、必ず仏壇のお供えから賞味期限の間近なものを選び失敬するのがルーティンであるからして、決して仏さまを粗末に扱っているわけではない。

「おりん」を一回、チーンと鳴らしご挨拶してから菓子をいただく。

ちゃんと仁義はきっているつもりだ。

そんな朝の勤行を務めているにもかかわらず、あの丸いスチール缶に気づくことはなかった。

海苔かお茶の丸缶くらいに思ったのか、どちらにせよまったく気づいていないのである。

だからこそ、目の前に版画家の棟方志功氏独特のデザインのラベルが刷られた御池煎餅の丸缶を見せられた時の嬉しさは一入(ひとしお)であった。

⓪版画家棟方志功のラベル 御池煎餅
棟方志功氏作のラベルのスチール缶
そして感を触って気づいたのだが、棟方志功氏のラベル、紙ラベルを貼ってあるのかと思いきや、直接スチール缶に印刷しているのには驚いた。

こんなトリビアを付け加えることで、先日のブログと併せて亀屋良永の紹介は完結ということにしたい。

そんな顛末をもつ御池煎餅であるが、米粉を原料とした蜜をうすく刷いた麩焼煎餅である。

ふんわりした歯ざわりとほのかな甘みが絶妙な煎餅である。

御池煎餅の亀甲紋様
麩焼き煎餅
敢えて難を言うとすれば、「カルビーかっぱえびせん」ではないが、食べ始めると『やめられない、とまらない』ので、ひと缶22枚入りというのではあっという間に缶の底をのぞき込む羽目になるということ。

御池煎餅 亀屋良永
やめられない、とまらない御池煎餅
御池煎餅をお買い求めの際にはそこのところくれぐれも御用心、御用心。