平成21年中における自殺者32,845人の自殺の概要(2010.5.15)
最近、電車に乗っていて「人身事故により、ダイヤが乱れております」という車内放送をやけに耳にするなと感じる人が多いのではなかろうか。人身事故もいろいろあるが、そのなかには飛び込み自殺も入っている。首都圏の鉄道の運休や遅れの本数は2008年度、4万600本に達し、その半数以上が自殺に起因すると、国土交通省の調査が明らかにした(列車の運休や30分以上の遅れにつながった輸送障害のデータを原因別に集計。調査対象:東京・神奈川・埼玉・千葉)。そしてそのなかで、自殺によるトラブル件数が前年度に比し08年度は19件増え、307件と、他の要因が減るなかで、唯一増え続けているという。
この12月25日に警察庁は、全国の平成21年度の11月までの自殺者数が30181人にのぼり、残念ながら12年連続で年間自殺者数が3万人を超えたと発表した。
自殺者数の統計調査による数字公表は、明治32年の5,932人(自殺死亡率 10.1)から始まり、戦後は旧厚生省により昭和22年から行われている。そして昭和53年からは警察庁による統計も始り、当ブログも昭和53年以降の数字は警察庁の統計数字を引用している。
わが国の自殺者数の推移を簡単に下記に示す。
(1948-1987厚労省・1987以降は警察庁発表数字)自殺死亡率:人口10万人当り自殺者数
年 自殺者総数(内男性 : 男性比率) 自殺死亡率(内男性)
1948年(S23) 12,753(07,331: 57%) 15.9(18.7)
1958年(S33) 23,642(13,895: 59%) 25.7(30.7)
1968年(S43) 14,601(08,174: 56%) 14.5(16.5)
1977年(S52) 20,269(12,999: 61%) 17.9(22.0)
1978年(S53) 20,788(12,859: 62%) 18.0(22.7)
1987年(S62) 24,460(15,802: 65%) 20.0(26.3)
1988年(S63) 23,742(14,934: 63%) 19.3(24.7)
1993年(H05) 21,851(14,468: 66%) 17.5(23.6)
1998年(H10) 32,863(23,013: 70%) 26.0(37.2)
2003年(H15) 34,427(24,963: 73%) 27.0(40.1)
2008年(H20) 32,249(22,831: 71%) 25.3(36.7)
2009年(H21) 30,181(21,566: 71%) (2009/11までの集計)
上の数字は1948年から10年ごと、1988年からは5年ごとの数字を取り上げ、本年の2009年は11月までの集計暫定数字である。なお、特筆すべき年次についてはその限りにあらず抽出した。【2に続く】
平成21年度も11月で自殺者が30181名に、12年連続で3万人超え―― 2