「社会保険庁による国民年金保険料の不正免除」

 

 この22日に、国民年金の保険料未納率の改善を目的とした社会保険庁の各県事務局で、組織的と思われる不正工作が行なわれているとの報道がなされた。  その不正の手口はまことに姑息としかいいようのないもので、国民を馬鹿にするのにも程がある、いい加減にしろといいたい。手口は本人の申請をもとに行なうべき保険料の免除・猶予を、事務局が本人に無断でその申請書を作成・認可し、保険料未納率の算式で分母にあたる「保険料支払対象者」の数を少なくし、その比率を人為的に引き下げるものである。

 

その工作は、大阪社会保険事務局で3万7406人分の免除などを不正に決定して本人へ通知したとのこと。同様の不正が、長崎県で5219人分、東京都でも77人分あり、計19事務所で4万2702人にのぼるという。

 

 国民年金の未納問題で、まず社会保険庁が真っ先にやるべきことは、現在、未納し続けている者から保険料を徴収することであった。それが本来の目的であったはず。その地道な努力の結果として未納率が下がるのである。

しかし、社会保険庁という組織は未納率を下げる手っ取り早い方策は何かに頭を巡らした。そして、上述のような姑息な手段を思いついたのであろう。その行為は、公文書偽造というりっぱな犯罪である。もし、これを組織的に相談してやっているとすれば、真に現在、国会で審議中の共謀罪にぴったり当てはまるりっぱな重罪である。

 

国民が老後の生活設計を立てようと、受け取れる年金がいくらになるか聞きに行っても、はっきり教えてもらえぬ社保庁という役所。しかも、やたらに待ち時間があるという。こんな役人を国民は公僕として雇った覚えはないし、そうした役所など存在する必要などない。いkらでも、その管理は民間に任せればよい。よっぽどスピーディーにしかも効率的、かつ笑顔で対応してくれるに違いない。社保庁の人間は社会というものが見えていないのではなかろうか。

 

かれらのこの間からの一連の国民年金未納問題に対する対処を見ていると、「反省」とか「公僕」とか「コンプライアンス」といった公務員として、いや一社会人としての当然の常識、行動が全く欠けているとしか云いようがない。自分の担当外の国民の個人情報をPC端末で盗み見たり、窓口で沢山の国民が待っているのに、休憩室で職務時間中にタバコを吸い、雑談に耽るなど、その怠慢ぶりが報道されたことは、まだ記憶に新しい。

 

通常、これほど組織が叩かれれば、民間であれば危機バネが働き、求心力が高まり、組織内に緊張感が張り詰めるはずである。

 

しかし、結果は冒頭の不正操作である。何をか況やである。今度こそ、本気で社保庁解体いや、民間へ完全業務委託を行ない、現在の職員は公文書偽造による背任行為で解雇すべきと考えるがいかがであろうか。