ブログネタ
地球温暖化問題 に参加中!

 

123日から14日までの12日間にわたり「気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COPMOP3)」がインドネシア・バリで開かれている。COP13は京都議定書で締約した第一約束期間(2008から2012年)終了後の次の枠組みをどう構築するか、また主要先進国のなかで京都議定書の枠組みに入っていない最大の温室効果ガス排出国、米国の取り込みや、中国・インドなど大量の温室効果ガスを排出する発展途上国の取扱いなどきわめて重要なテーマが議論される予定である。さらに今回は、世界の科学者たちが科学的データに基づき「気候システムに温暖化が起こっていると断定するとともに、人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因であるとほぼ断定」した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書統合報告書」(07.11公表)がIPCCよりプレゼンテーションされることになっている。

 

地球規模での異常気象が頻発するなかで地球温暖化防止は今や待ったなしの国際社会の重要テーマであり、京都議定書の第一約束期間後の次の具体的枠組みについては国際社会、いや人類が一丸となって取り組まねばならぬ喫緊の課題となっている。その世界が注目する国際会議の開始早々の段階において、実は日本の評判がきわめて悪いのである。

 

日本は今からちょうど10年前に議長国として、温室効果ガスの削減を初めて具体的数値目標として課す「京都議定書」を難産の末、まとめあげたという実績を誇る。温暖化と言えばKyoto  Protocol(京都議定書)、PostKyoto(京都議定書の次の枠組み)という言葉がキーワードとして国際会議で飛び交うほどに、この日本が地球温暖化に果たしてきたこれまでの役割は決して小さくない。

 

そして今年6月のドイツで開催されたG8ハイリゲンダム・サミットでは、地球温暖化問題への取組が最重要課題の一つとして取り上げられた。その首脳会議において安倍総理(当時)は世界全体の排出量を2050年までに半減(現状比)することを全世界の共通目標とする「美しい星50」を威勢よく提案するなど、来年の洞爺湖サミットに向けた温暖化防止への取り組み姿勢を強くアピールしたものである。

 

そうしたこれまでのわが国の活動ならびに実績があるにも拘わらず、今回のCOP13での評判の悪さはどうしたことなのか。具体的に何が問題とされているのだろうか。

 

まずわが国の悪評を象徴する事象として、開催翌日の4日、日本は「本日の化石賞」の一位に選ばれた。この「化石賞」とは、COPの会議において温暖化防止に逆行する発言を行った国に対し、1日ごとに「クライメット・アクション・ネットワーク(CAN)」が公表するものであるが、そのネーミングは化石燃料を大量に消費してCO2を排出しまくることを痛烈に皮肉ったものであろう。CANとは温暖化防止活動を展開する世界の430を超えるNGOがネットワークを組んだインターナショナルな母体機関と紹介されている。第一位の授賞理由は日本が先進国の排出削減数値目標に触れることなく、法的な縛りをつけた京都議定書の原則と異なった提案をしていると判断されたことである。

 

またインターナショナル・ヘラルド・トリビューン英字紙は5日、「アメリカを喜ばせようとしている日本の提案が、バリで環境保護論者たちの怒りを掻き立てている」との厳しいヘッド・ラインの記事を配信した。会議初日の日本の発言のなかに、京都議定書の肝心要の原理であるはずの「法的拘束力を有す排出量削減」につき2013年以降(PostKyoto)の具体的数値目標の言及がなかったことが波紋を呼んでいるというのである。そして「日本は京都議定書(1997年)の10年目の誕生日にその原理を破棄しようとするのか」と当時、議長国として難解な取り決めをまとめ上げた日本を手厳しく皮肉り、逆に米国と日本がたくらんで、他国が法的拘束力のあるあらたな枠組み作りをすることを妨害しようとしているとの見方までがあることを紹介している。さらに日本代表団のスポークスマンとして本部和彦経済産業省審議官が記者団に「日本は(温暖化防止)枠組みの最終決定の際に、米国が加入していないことを望まない」と語ったことなど、温室効果ガスの義務的削減に従来から反対する米国に肩入れする日本という構図をことさらに際立たせ、書き立てている。