「御倉屋(みくらや)」(京都市北区紫竹大門町78 ?0754925948)の黒砂糖菓子の「旅奴(たびやっこ)」は、形もまん丸で可愛いく食べやすく味もおいしい。さすが老舗の味。基本的にはお奨めだが、お菓子を買うのに予約して、いかにも仰々しく出て来られる家付き娘のご内儀には鼻白む。奥で菓子作りに汗を流されているご主人はご苦労と思うが、老舗に胡座をかいた販売のあり方と接客の悪さには辟易する。

 

 今宮神社の「かざり屋」の「あぶり餅」は、小腹が空いたときにちょっと食べに寄るのがよい。短い参道の両脇にもう一軒「一文字屋」というお店もあるが、「かざり屋」の方がわたしは好きである。好みなのだが、それぞれ贔屓があってよいのではないだろうか。

 

 桂離宮に寄ったついでに立ち寄るのによい「中村軒」は「麦代餅」(ムギテモチ)とこしあんの「かつら饅頭」で有名だ。お薄をいただきながら素朴な饅頭や麦代餅をいただくのも一興である。

 

 あと、大好きなのが「麩饅頭」。なぜか京都のがおいしく感じるから不思議だ。「麩嘉(フウカ)」の「麩嘉饅頭」をつい買ってしまう。高雄の神護寺に参り、本殿前の石段に腰掛けて緑山を一望しながら食べた麩饅頭のおいしさが忘れられない。麩饅頭は買って直ぐ食べなければ、どんなおいしい麩饅頭でも、味は落ちる。これ当り前、以前、頂いた麩饅頭を冷蔵庫に入れたまま二日目に思い出し、食してみたがとても食べれるものではなかった。

 だが、神護寺には申し訳ないが、仏様にお尻を向けて食べた麩饅頭の味は本当に格別であった。

 

 

 そして、忘れてならないのが阿闍梨餅本舗の「満月」の「阿闍梨餅(あじゃりもち)」。一度、もちっとした食感を経験してしまうと、もう止まらない。京都駅のお土産コーナーで売っているが、夕方ちょっと遅いと売切れは常時である。伊勢丹でも売っているが、そこまで足が延ばせないときには、改札を入ったところのお土産コーナーが最後の拠り所である。何度か、その最後の拠り所に救われた経験がある。

 

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