彦左の正眼!

世の中、すっきり一刀両断!で始めたこのブログ・・・・、でも・・・ 世の中、やってられねぇときには、うまいものでも喰うしかねぇか〜! ってぇことは・・・このブログに永田町の記事が多いときにゃあ、政治が活きている、少ねぇときは逆に語るも下らねぇ状態だってことかい? なぁ、一心太助よ!! さみしい時代になったなぁ

紅葉・桜

2021年京都の桜 平野神社の魁桜(さきがけざくら)は満開(3月25日)!

平野神社は平安時代の寛和元年(985)、時の花山天皇が桜樹をお手植えしてから桜の名所へと姿を変え、江戸時代には「平野の夜桜」と謳われるほどに観桜の名所として高名になってきたという。

〆の神紋の提灯をつるす本殿
平野神社・本殿
その境内には早咲きから遅咲きまで約60種類もの桜が植わっている。それ故に刹那(せつな)の美を愛でる櫻花でありながら、花見を愉しめる期間が長く、畢竟(ひっきょう)、桜の名所としての名を高らしめていったと云えなくもない。

∧震鄂声劼虜・桜・桜・桜
平野神社の桜・桜・桜
そんな数多(あまた)咲く桜のなかでも東神門と手水舎の間に植わるのが“魁桜(さきがけざくら)”と呼ばれる早咲きの枝垂れ桜である。

3〆と手水舎  こ〆の駒札
その開花は洛中の観桜の季節のはじまりを告げる予鈴、まさに「先駆け」として“魁桜(さきがけざくら)”の名誉に浴したのであろう。

ナ震鄂声劼粒〆(サキガケザクラ)
魁桜が枝垂れている
この度は願わくばこの魁桜の咲き誇るさまを一目見たいと、先般、アップした千本釈迦堂の阿亀桜(おかめざくら)を愛でたのちに、テクテクと平野神社へと足を向けたというわけである。

千本釈迦堂 阿亀桜
枝垂桜の銘木 千本釈迦堂の阿亀桜(おかめざくら)
北野天満宮の北縁を西に向かった先に平野神社の鳥居と花霞が見えてくる。遠目にも櫻花が開花しているのがよく見えた。

北野天満宮北縁の道の先に平野神社
“平野皇大神”と揮毫された大鳥居をくぐり境内に足を踏み入れると、正面に神紋である桜の紋をあしらった提灯が吊るす東神門が見えた。
平野神社・鳥居
その左手前に目指す魁桜が満開の花の重みで枝垂れて見えた。

東神門と魁桜
間近に見る枝垂れの魁桜は見事である。

満開の平野神社・魁桜
早速、写真撮影とカメラを構えるが、次から次に人々が押し寄せ、立ち止まり、魁桜を仰ぎ見てはシャッターをきる。という具合にて、魁桜の全体像を人影なしに撮るのは大変難しく、上方へ向けたアングルで仕上げたのがこの一枚である。だからこれが蒼天であれば・・・と欲深な思いをしたのは私だけではないはずである。

桜の神紋を吊るす東神門
神紋の桜をあしらった提灯のかかる東神門
そして東神門をくぐると正面に拝殿が見えるはずであった。

だが残念なことに平成30年9月4日に近畿地方を襲った台風21号により拝殿は壊滅し、現在修復の真っ最中で灰色の大きな覆いが掛けられていた。

2018年9月4日の台風21号で倒壊した修復中の拝殿
その修復費用捻出のため広い境内の桜苑の一部が有料観覧の措置がとられていた。

桜苑 有料500円
入場料が修復費用にあてられる
入場すると菜の花と桜の花で美しくはあった。

有料桜苑
菜の花の黄色と色とりどりの桜色が美しい桜苑
しかし、苑内の桜も枝の損傷がかなりひどいように見え、昔日は素晴らしい桜の園であったろうにと、思いを馳せたところである。

平野神社 有料桜苑
昨年の11月に嵯峨野の大覚寺を訪れた時にも、宸殿が21号台風で大きな被害を受けた様子を写真で目にしたところであった。

安膤仍宸殿の台風21号による被害
大覚寺宸殿に展示された台風21号被害の写真
そして、此度の平野神社ではまだその傷跡が癒されていないことを知った。

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平野神社拝殿の台風21号により拝殿は倒壊(写真展示)
自然の猛威というものがどれほど凄まじいものかをあらためて知らされた気がした。

ところで、魁桜とは別の意味でもうひとつ平野神社の花見名物がある。茶店や露店が出店され、しかもお酒など持ち込み自由という縁台花見が楽しめることだそうだ。この二年間はコロナのせいで、それもお預けということであった。

碓酒禁止の立て看板
飲酒禁止の立て看板が寂しく置かれていた
境内には「桜苑内での飲酒を禁止します」の立て看板が寂しそうに置かれていた。やはり花見は賑やかに生きたいものだと、“花より団子党”の党員としてはその意味でも1日も早いコロナ騒動の終息を祈らずにはいられないのである。

2021年京都の桜・千本釈迦堂(大報恩寺)の阿亀桜(おかめざくら)は見事!

千本釈迦堂の本堂前に年季の入った枝垂れ桜の銘木がある。9年前に訪ねた際、此度よりわずかに10日ほど早かった(2012.3.13)にもかかわらず開花にはほど遠かったものの、阿亀桜(おかめざくら)の頭上高くには蒼穹が広がっていた。

2012.3.13 千本釈迦堂の阿亀桜
2012.3.13の蒼天のもとに阿亀桜
これで枝垂れに櫻花が咲き誇っておれば、富安風生(とみやすふうせい)の名句、「まさをなる空よりしだれざくらかな」の実景が見られたのにと、悔しい思いをしたことが思い出される。

一度は蒼天の満開のときに訪れたいと願っていたが、2021325日、ようやく櫻花が満開の時に京都を訪れることができた。

阿亀桜看板正面
阿亀桜
前日は醍醐寺の満開の桜に感動しっぱなしで、強欲な老夫婦は「まさをなる空より阿亀桜かな」と、既にひとつの秀句をしたためて胸躍らせていたのである。

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千本釈迦堂の参道と標柱
ところが、ところがである。前日の晴天は雨空に変わり、春雨のそぼ降る生憎の日和となった。

タクシーが千本釈迦堂の山門へつづく細い石畳の前に着く。

雨に濡れた石畳の目先、山門からは枝垂桜が満開であることが見える。

┿殻腓ら阿亀桜が見える
山門の先に枝垂桜が咲いている
山門をくぐって、いよいよ花をつけた阿亀桜とご対面だ。

0さ戯と千本釈迦堂・本堂
本堂に雪崩れる阿亀桜
「天気荒天なれども心拍数高し」と日本海海戦の名参謀秋山真之も口にしたに違いないと確信した。

本堂に阿亀桜
阿亀桜と本堂
阿亀桜の古木の條々には見事な櫻花が咲き溢れている。

傘と阿亀桜
雨傘をかざして阿亀桜
「鈍色の空にも阿亀桜かな」

見事な枝垂れ桜 阿亀桜
本堂から今を盛りの阿亀桜
老夫婦は雨であろうと嵐であろうと、阿亀桜が満開の笑顔で我々を迎えてくれたことに心より感謝した。

ケ中の阿亀桜
雨中の阿亀桜
内東側に据わる阿亀多福像もそぼふる雨に肩口を濡らしながらも微笑んでいたのである。

異徳箸澆鮖つ阿亀多福像
阿亀多福像
最後に千本釈迦堂の魅力について述べておかねばならない。

千本釈迦堂とは嵐山にある清凉寺(嵯峨の釈迦堂)との区分けにおいての通称で、瑞応山大報恩寺というのが正式な寺号である。清凉寺とならび釈迦信仰の都の中心寺として古来、篤く庶民の崇敬を集めてきている。

ね戝羣埜鼎量畋し造物 国宝・本堂
国宝・千本釈迦堂本堂
その中心となる本堂は洛中で最も古い木造建造物として国宝に指定されている。安貞元年(1227)、鎌倉時代初期に建てられた創建時そのままの本堂は簡素な造りであるが、骨太の堂々とした佇まいが堂内に招き入れられた人々の心を寛がせる。ご本尊の釈迦如来坐像の前に坐り、しずかに手を合わせてみてほしい。心中から世の俗事がす〜っと消え去り、穏やかな気持ちになるから不思議だ。

また、本堂の西側にコンクリート造りの霊宝殿があるが、そこには貴重な仏像が多々、安置されている。

千本釈迦堂・霊宝殿
霊宝殿
わたしが好むのは、それぞれが国の重要文化財に指定されている定慶作の六體の観音像と快慶とその弟子作の十體の10大弟子像である。すべての仏像が一堂にしかもほぼ毀損なく残されているのは非常に珍しく、落ち着いた静謐の館内でじっくりと鑑賞するのは仏像好きの人にとっては至福の時である。
阿亀桜だけでなく、霊宝殿の拝観もぜひ、併せて勧めたいところである。

2021年京都の桜 醍醐の花見を愉しむ(3月24日)

老い先もそう長くもないわれわれ老夫婦、コロナ禍の緊急事態宣言の間隙を縫って昨年11月の紅葉狩りにつづき、京都の満開時の桜を満喫しておこうと数か月前にピンポイントでホテルを予約した。

‖藐鏤仁王門
醍醐寺仁王門の桜も満開
観桜は紅葉と違い旬の見ごろというのは一週間そこそこである。

だから324日から二泊の宿泊日を前もって定めたのは一種の賭けであった。当れば儲けものといったところで桜花の一輪でも咲いていれば花見ができたということにしようと老妻と互いに納得し合い、ハズレの場合の失望を前もって共有しておいた。お互いに文句は言いっこなしということである。

∋淇發貂に五重塔
下醍醐五重塔と枝垂桜
ということで3月に入ってからというものは、「桜ナビという各地の桜の開花・満開予想を日々伝えているWEBサイトを日に幾度も確認しては「今年の開花は早そうだ」と念じ、その熱意が神様に届いたのか、当初の願いは満開予想日が日毎に前倒しになるにつれ、徐々に期待から確信へと変じていった。

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清瀧宮拝殿脇に立つ豪奢な枝垂桜 この無効に五重塔が隠れている
旅の初日、天気は晴天、京都駅に12時過ぎに到着。駅前にあるホテルのウエルカムラウンジがコロナのため相変わらず閉鎖中ということで、新幹線八条東口の外にある“京都駅八条口・デリバリーサービス”を利用、ホテルまでの荷物の配送を頼んだ。

京阪バス 京都駅八条口のりば
そして八条口前の京阪バス京都醍醐寺線(H4)を利用し、醍醐寺に到着。20年ほど前の2003330日に訪ね、その時はまだ桜の開花には早く一輪の桜も目にしなかったのだが、それ以来18年ぶりの醍醐寺の拝観である。
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桜に埋まる五重塔
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年前の日付が確かなのは、この醍醐寺で初めて「御朱印」なるものを知り、御朱印帳を購入し、人生最初の御朱印をいただいたからである。醍醐寺から始めた全国を巡る御朱印の旅により、現在の御朱印帖は15冊目に入っている。

  
醍醐寺御朱印 平成15年令和三年 醍醐寺御朱印
平成15年の御朱印       令和3年の御朱印
さて、その醍醐寺であるが、慶長3年3月15(1598年4月20日)に時の天下人、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催したことはあまりにも有名である。秀吉は家臣の前田玄以に命じて伽藍から醍醐山の山腹まで七百本の桜を植樹させたという。

弁天堂の池に舞う桜吹雪
観音堂の池に舞い散る櫻花
京都の花見は醍醐の花見にはじまり、仁和寺の御室桜(おむろざくら)で終わるともいわれている。此度は都の花見のはじまりを僥倖ともいうべき絶好のタイミングで愉しむことができた。

櫻花に観音堂
櫻花に観音堂
アップした数々の写真をご覧いただくと、青空を背景とした醍醐寺の満開の桜が洛中の人々の度肝を抜いた、あの太閤以来、その豪華さと絢爛さにおいて寸分も衰えていないことがご理解いただけると思う。
清瀧宮本殿
清瀧宮と桜
といっても太閤の花見を観覧したことはないんですが・・・。

まずは京都の一日目。夕方までの四時間弱を醍醐寺のみで過ごしたが、それだけの時間を費やしても下醍醐を一巡できたばかりで、予定していた上醍醐までは足は伸ばせなかった。

醍醐寺不動堂と桜
不動堂に桜
しかし、かねて念願の醍醐の花見が心行くまで堪能出来て老夫婦は満面の笑みでホテルへと向かった。

醍醐寺・仁王門の桜
仁王門への参道
翌日は平野神社の魁桜(さきがけざくら)と千本釈迦堂の銘木、枝垂れの阿亀桜(おかめざくら)を観に行く予定である。そして、当夜の晩餐は昨年11月以来の“割烹やました”で、春を彩る“花山椒の鍋”の馳走にあずかることになり、夫婦して大きな舌鼓を打ったのである。

茶寮・寿庵のわらび餅
寿庵のわらび餅
醍醐寺の境内はあまりに広い。下醍醐の奥に位置する観音堂の池を挟んだ弁天堂の前にお休み処・阿闍梨寮寿庵がある。そこで、一服のほうじ茶とおいしい“わらび餅”は是また美味で、ぜひ大口開けて頬張ることをお薦めしておきたい。
古来、花より団子とはこの事を云う。

古代氏族・忌部氏の精霊が散らす吉良のエドヒガン桜の花吹雪

令和3年3月28日 吉良のエドヒガン桜
徳島県の北西部、吉野川上流の山中に御所神社(美馬郡つるぎ町)というゆかしい名をもつ神社がある。

御所神社(忌部神社
御所神社
阿波忌部(インベ)氏の本貫(根拠地)である当地にその始祖(天日鷲命=アマノヒワシノミコト)を祀ったものである。そもそも忌部氏は、斎部広成(インベノヒロナリ)によって大同2年(807)に撰上された「古語拾遺(コゴシュウイ)」に詳しいが、中臣氏(中臣鎌足が有名)とともに古代大和朝廷の宮廷祭祀を司った一方の旗頭であった。その中央の忌部氏に奉仕していた地方忌部のひとつが麻布や木綿(ゆう)を大嘗祭の際に貢納する役を担った阿波忌部である。

御所神社・拝殿
御所神社 拝殿
そんな往古まで遡る歴史を誇る御所神社であるが、明治初期に延喜式内社・忌部神社の本家争いが当社の東北東18kmの吉野川沿いに建つ山崎・忌部神社(吉野川市山川町)との間で勃発、紆余曲折ののち太政官の調停により徳島市二軒屋町に新たに忌部神社が創祀され喧嘩両成敗の裁定で事が収まるという経緯を持つ。

桜と山崎忌部神社   徳島市二軒屋町 忌部神社
           本家争いが起った山崎忌部神社   徳島市内二軒屋町の忌部神社
現在は徳島市内の眉山中腹に建つ忌部神社の摂社としておさまり、当社鳥居の扁額には「忌部奥社 御
所神社」と記されている。

御所神社 忌部奥社と記された扁額
御所神社鳥居の扁額に忌部奥社とある
そうした人間臭い謂れを持つ古社の社前に樹齢四百年を誇る桜の巨木が立っている。
社前に立つエドヒガン桜
社前小高い斜面に立つ樹齢四百年の吉良のエドヒガン桜
「吉良のエドヒガン桜」と呼ばれ、昭和46年に徳島県の天然記念物に指定されている。

御所神社社前に立つ吉良のエドヒガン桜
今を盛りに枝ぶりも見えぬほどの満開の櫻花(2021年3月28日)
桜の古木は得てして幹こそ太いものの花のつきが悪いものを多く目にするが、ここのエドヒガン桜は花びらの色も雅な桜色で四方に伸びた枝々が隠れるほどに全面に櫻花が咲き誇っている。山腹に立つその様は悠揚として孤高の品格を放っている。

樹齢四百年の吉良のエドヒガン桜
静謐の中に咲き誇る吉良のエドヒガン桜
その日は雨もよいのあいにくの空模様であったが、時折、吹き下ろしてくる山風がエドヒガン桜の今を盛りの花びらを鶯の啼き聲を透き通す嵐気のなかに輪舞させる。

精霊たちの花吹雪 - コピー
精霊たちが踊り戯れ花吹雪を舞わす
わたしはその風韻ただよう小宇宙の中に身をゆだねつづけた。すると、往古、ひたすら祈りの時を刻んでいた氏族の精霊たちがこの春のひととき、花冠を目深に被り踊り戯れている様子が目の前にひろがってみえたのである。

大徳寺黄梅院と興臨院のモミジの饗宴(2020.11.19)

紅葉狩りの京都、三日目は当初、真如堂を訪ねる予定であったが、タクシーの運転手が人込みを見るよりしずかに広縁にすわってモミジがゆっくり鑑賞できるお薦めのところがあるという。

大徳寺黄梅院の門内の紅葉
大徳寺黄梅院の前庭
秋の特別公開がされている大徳寺の黄梅院のモミジが見事だというのである。写真撮影は禁止だが、すばらしいところなので、ぜひ、行くべしと云うではないか。そこで車は急遽、方向転換、紫野の大徳寺へと向かった。

大徳寺総門   大徳寺 境内図
大徳寺の総門          大徳寺境内図
大徳寺の総門へ着くと、入ってすぐに黄梅院があった。織田信長、豊臣秀吉、小早川隆景、蒲生氏郷、千利休といった戦国時代の錚々たる人物ゆかりの塔頭だという。
大徳寺黄梅院
黄梅院塔頭の山門
撮影禁止のため門内の一区画のみの写真にとどまるが、
大徳寺黄梅院 秋の特別公開
モスグリーンの苔を這わした前庭の頭上に錦のモミジが織りなす景観を目にしただけで境内の紅葉の華やかさを想像させて心は躍った。

大徳寺黄梅院 梵鐘にもみじ
黄梅院前庭 梵鐘ともみじ
千利休の造営とされる、野趣あふれた“直中庭”(じきちゅうてい)をぬけて方丈の広縁へ向かう。そこに広がる「破頭庭」をめぐる築地塀の外側、西方に楓の巨木がそびえたっている。わたしたちは誰もいない広縁に腰を落とし、日向ぼっこをしながらその豊穣の葉叢が織りなす紅や黄のもみじのグラデーションを心ゆくまで愉しんだ。

秋天にもみじ 大徳寺黄梅院
秋天の青に紅色 黄梅院前庭
吹きわたる風のそよぎと秋の陽光のいたずらで、真っ青な秋空を背景に黄金色と紅色(くれないいろ)の小世界はめまぐるしく映像をコマおくりして観る者の目を飽きさせることがなかった。これはいくら言葉を尽くしても、観るに如かずとしかいいようのないアートである。

庫裡と紅葉 大徳寺黄梅院
黄梅院庫裡を覆うモミジ
さてこの絢爛の色モミジを鑑賞したあと、同じく特別公開中の近くの興臨院へと向かう。
大徳寺興臨院 秋の特別公開
大徳寺・興臨院 秋の特別公開
こちらは写真撮影可ということで、腕を撫して院内へ足を踏み入れた。
大徳寺興臨院 門内前庭
興臨院門内前庭
こちらも特別公開するだけあって見事な紅葉である。方丈前の枯山水は簡素で楓の木も庭の片隅にひっそりとたたずんでいる。白と紅と青の世界が清々しい。

興臨院 中根金作修復の枯山水庭園
方丈の南に枯山水の白沙の庭
ところが方丈の北側へ回廊を回り込むと、一転、南庭の画然たる色合いとは異なり、紅や黄色に緑の水彩絵の具を刷いたようで、その綾なす色模様に一瞬にして魅入られる。
大徳寺興臨院 モミジ
方丈北庭の陰翳
秋の光芒は南庭に雪崩れるようにして注ぎこみ、白沙の乱反射に双眸を細める。
興臨院 南庭
ところが一旦方丈の北庭へ廻り込むや、一面、苔色の地衣類に覆われた湿潤な土壌に楓の木々が枝葉をのばす。大きな軒先に遮られた秋の日差しは、ひかえめな陰影を随えて色モミジを照らす。
秋の風情 興臨院北庭
秋天のもとの溌剌とした色もみじとは一味違う、しっとりとした秋の風情である。

常寂光寺 黄葉が紅葉に色変わり(2020.11.18)

楓のなかに常寂光寺仁王門
常寂光寺仁王門
嵯峨野の落柿舎を正面に望むところに瀟洒なお店がある。京あられの老舗、小倉山荘という。
晩秋の嵯峨野落柿舎
小倉山荘から落柿舎をみる
そのHPに「一期一会」という山本雄吉社長の対談集が連載されている。そのなかに万葉の時代には“もみじ”は中秋の萩を詠い「黄葉」と表記されていたものが、藤原定家が新古今和歌集や小倉百人一首の編纂を通じて、晩秋の楓の「紅葉」へと読み替えて、“もみじ”をもののあわれを感じる晩秋の色彩へと変じさせたとの興味深い話が紹介されていた。     

京あられのお店 小倉山荘  小倉山荘 あられお土産(冬おぐら山春秋&山椒あられ)

京あられ老舗の小倉山荘 おぐら山春秋・山椒あられ
日本の秋を彩る代表的な色を黄から紅へと転じてみせたのが藤原定家だというのである。万葉集には180首の“もみじ”の歌が載るが、その表記は「黄葉」あるいは「毛美知」となっている。「紅葉」の文字を使っているのはたったの1首なのだそうだ。

常寂光寺 紅葉に隠れる仁王門
山門から仁王門へ
小倉山荘から百メートルほど歩いた小倉山山麓に常寂光寺はある。
常寂光寺 仁王門に紅葉
紅葉のなか仁王門
紅葉と白壁のコントラストの美しい仁王門から石段をまっすぐにのぼった高台に本堂が建つ。
常寂光寺 本堂と紅葉
本堂
さらに妙見堂との間の山路をのぼっていくとひっそりと立つ小さな石碑にぶつかる。定家が小倉百人一首を編んだ“時雨亭跡”と刻まれている。

ひっそりと立つ時雨亭跡石碑 常寂光寺
時雨亭跡の石碑
時雨亭跡は近くの二尊院や厭離庵もその名があがるが、小倉百人一首が完成した八百年前、すでに嵯峨野一帯が楓の紅葉で有名であったことがうかがわれる。

二尊院・時雨亭跡から嵯峨野の紅葉を俯瞰   厭離庵の紅葉
二尊院時雨亭跡から嵯峨野を見下ろす  厭離庵の黄葉(共に2017.11.30撮影)
常寂光寺の境内にはひしめきあうように楓の木が植わっている。紅色の世界が広がる境内で、鐘撞堂近くに一本の鴨脚(いちょう)の大樹がそびえたつ。
常寂光寺 黄葉と紅葉の競演
万葉と平安の競演
その一画だけは黄色の小世界が息づいているようで、萩が鴨脚の木に代わってはいるものの、万葉の黄葉と平安の紅葉が相寄り添うて時代の色彩を競い合っているようにも見えた。


大覚寺・大沢の池 秋景色は一幅の絵画(2020.11.18)

京都二日目はわが老夫婦にしてはめずらしく朝も早い?八時半にホテルを出立。一路、嵯峨野の大覚寺を目指した。9時直前に明智門前に到着、開門と同時に清冽な空気に満ちた宸殿大玄関へ一番乗りを果たした。

大覚寺・明智門  大覚寺・表門
明智門              大覚寺表門
嵯峨野は東山よりも冷え込みがきつく、紅葉も進んでいるのだろうと思って訪ねることにしたが、2020年は東山の方が、もみじの色づきが早く発色もきれいだとのタクシー運転手の証言を車内で耳にしたとおり、大覚寺境内の紅葉も11月18日現在ではまだ盛り前というところであった。

大覚寺・御影堂 安井堂から
大覚寺の御影堂
大覚寺は十数年前に訪れたのが最後で、久しぶりの拝観である。宸殿から御影堂、安井殿、大沢の池を一望する五大堂と、それらを折れ曲がってつなぐ村雨の廊下。時代劇の映像で一度は目にしたことのある光景が眼前に展開する。

村雨の廊下から紅葉もチラホラ
村雨の廊下からチラホラと紅葉を観る
宸殿の広縁や村雨の回廊から色づいた紅葉がチラホラ見えて嵯峨野の秋もこれから深まってゆくのだろう、本格的な紅葉狩りには今一歩のところである。11月の下旬から12月上旬にかけてが、大覚寺・大沢の池の秋を愉しめるよい頃合いだと感じた。

宸殿・襖絵
大覚寺・宸殿の襖絵
そこで、これまで大覚寺の拝観はしても時間の関係で省いていた大沢の池の回遊に今回は挑戦してみた。
大沢の池 天神島の紅葉
大沢の池 天神島の紅葉
まずは、小倉百人一首・第55首の“滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ” で有名な“名古曽の滝”を目指した。歌が詠まれた千年前、既にこの滝は枯れていたことになるが、この和歌によって永遠の名声をこの世にとどめることになった。滝そのものは石組みを当時のまま伝えるのみで、千年のときを枯滝のまま過ごしてきたという奇妙な顛末となっている。ようやく名古曽の滝と対面がかなったものの、その滝石の造作に千年の風雪や風雅をしのぶ縁(ヨスガ)など一片も認められず、潔いまでになんの変哲もない石組みであったのは、時を超越して一切の感傷を拒絶しているように思えて、逆に痛快ではあった。

色づきはじめた紅葉のむこうに名古曽の滝
中央の石組みが名古曽の滝
その名滝をあとにして、大沢の池の東岸をなぞる紅葉の回廊へと足を向けた。堤の両端にはもみじの樹々が植えられ交錯する葉叢によって紅葉の隧道ができている。
大沢の池 もみじの隧道
大沢の池 もみじの隧道
まだ青紅葉が多いものの、一部に色づくもみじ葉が最盛期になれば土手道いっぱいに朱色の日差しをおとし、そのさまはさぞかし美しかろうにと、感じた。

大沢の池 秋景色
大沢の池の秋景色
また、樹間から大沢の池越しに見る大覚寺や紅葉の回廊を遠望すると、それはもう嵯峨野の秋の静寂を十分満喫できる一幅の絵画であった。


いよっ!! もみじの永観堂(2020.11.17)

“奥山の岩垣もみぢ散りぬべし照る日のひかり見る時なくて”

永観堂多宝塔の黄昏
この古今集の収録歌はいまから1200年ほど昔に永観堂の地に建っていた山荘を彩る紅葉を詠じたものである。爾来、洛中近境のもみじの代表的景勝地として“もみじの永観堂”とながく呼び習わされるようになった。

永観堂門前で息をのむ紅葉の競演
永観堂(禅林寺)は平安時代の初期、弘法大師の弟子真紹により藤原北家の公卿、藤原関雄の旧宅を譲り受け開基された。先の和歌は秀才の試験(中国でいう科挙)に合格した関雄が官途を厭い琴歌酒賦(キンカシュフ)の日々をすごした山荘から見た紅葉を、わが身の行く末に重ねて詠ったものだという。

紅葉トンネルの石橋
そんな奥ゆかしい由緒をもつ永観堂とは露知らず、わたしはこれまで、「もみじの〇〇」なんぞと称されるところなど俗臭ぷんぷんたる雑踏を見に行くようなものと嘯(ウソブ)き、足を遠ざけていた。

ところが古希を目前にし、わが人生を顧みることが多くなった。そして思ったのである。わたしの人生、スノッブそのものじゃないかと。そんなら、残り少ない時間をスノビズム礼賛で駆け抜けてみようじゃないかと。ひらきなおりの人生とでもいうのだろうか、肩が軽くなったような気がするから不思議だ、誰も見ていないのに・・・笑止である。

満艦飾の永観堂境内
という次第で、初めてもみじの永観堂なるところへ足を踏み入れてみた。門前に立った。山門に差し掛かる紅葉だけで心が震えた。

永観堂 甍越しにもみじの色模様
境内に植わる紅葉は三千本を数えるというではないか、そう聴いただけで眼前に紅蓮の炎は大袈裟にすぎるが、ひと筋の緋毛氈がす〜っと横にながれていったような気がしたのである。

息をのむ永観堂のもみじ
境内に歩を進めてゆくにつれ視界に映る紅葉の占める程合いは弥(イヤ)増しに増す。そして黄昏時へむかって秋のつるべ落としの光芒は三千本のもみじ葉に時の移ろいを燈(トモ)してみせ、色もようを赫々(カクカク)と滑らして大向こうを唸らせた。まさに千両役者の貫禄で“もみじの永観堂”を見事に演じきってみせたのである。

永観堂紅葉狩りの人々
境内に参集する観衆はカメラ片手に、「あの多宝塔のところ、綺麗ですよ」と、こみ上げる感動を伝えたくて、傍らの見知らぬ人につい声をかけてしまう。語りかけられたわたしも、つい、「あそこの紅葉も夕日に映えて美しい・・・」と、昼日中であればとても恥ずかしくて口に出せぬ言の葉で応じていたのである。

永観堂多宝塔 秋景色
黄昏時にしか訪れぬ面妖な永観堂の紅葉狩りのひとコマであった。
いよっ! 永観堂!

2020年京都の紅葉狩り 洛北・圓光寺の額縁に映える紅葉(2020.11.17)

コロナ禍のなか遠出は控えようと自粛三昧の日々を過ごしてきたが、秋の訪れとともにどうにもこうにも辛抱できず今年初の京都への旅を紅葉狩りとしゃれこんでみた。紅葉真っ盛りの京都を訪ねるのは久しぶりである。

圓光寺 竹林のむこうにもみじ模様
圓光寺 竹林ともみじ
ピーク時に訪れても観光客の頭頂を拝観させていただくだけで京(ミヤコ)の風情も情緒もあったものではないと永年にわたり避けてきたが、老夫婦に残された時間はそれほどないのだと悟ることこれあり、晩秋の京都を二泊三日で訪れた。

大原・宝泉院 額縁におんな
大原・宝泉院 額縁におんな(2003.12)
初日は最近、人気の紅葉スポットとして脚光を浴びる洛北の圓光寺へ向かった。HPに拝観前には事前に拝観予約を入れてからとあったので午後2時からの予約を取っていた。
予約なしの拝観可能だった圓光寺
予約無拝観可の看板(写真のどこかに💛印が・・・)
ただ当日は平日で人数制限の1時間当り300名という拝観者数に達していなかったのだろう、予約なしでも拝観は可能であった。

圓光寺 境内を彩る紅葉  圓光寺定番の子地蔵ショット
圓光寺境内               定番の小地蔵ショット
さて、わたしも初めての拝観となる圓光寺であるが、京都大原に名高い宝泉院と趣向を一にして、座敷奥に坐り縁側越しに額縁を覗き込むように紅葉を観るのだというではないか。そこで、いの一番に本堂にあがり額縁庭園を眺めることにした。この日は自由に拝観できるくらいだから・・・人はすくな・・い・・・と高をくくって座敷に足を踏み入れ・・て・・・。

圓光寺 額縁庭園ブログ2
それが・・・なん・・・なんと目に飛び込んできたのは・・・座敷奥に坐りこむ人、人、人・・・、それに縁側に坐りこむツワモノまでいて・・・千牛之庭(センギュウノニワ)に色づく紅葉が零す幽(カソケ)き聲に聴き入る静謐とはほど遠いものであった。

額縁庭園の実態は?
そういうことなら・・・自慢の腕で傑作写真をとタイミングをはかるも、視界を過ぎる人影の連鎖・・・シャッターチャンスは訪れない。そんななかわずかに巡ってきた刹那、デジカメのシャッターを切る。室内に一斉にとどろくシャッターの連写音・・・。

圓光寺 額縁庭園ブログ4
慌てていたので、額縁がない・・・
その彦左の手練れ?の写真が緋毛氈と縁側と軒先の構図に嵌まる圓光寺のもみじである。構図がいま一、いや、いま三ではあるが・・・人の映り込みを避けアングルを工夫したその苦労をくみ取って欲しい・・・。

額縁庭園ブログ1
軒の庇と縁の柱・・・額縁完成!!
額縁に映る紅葉を摘まみ食いのように玩味し尽くしてからようやく千牛之庭へおりた。こじんまりした庭園をぬけて裏山へ上る。中腹に当寺を創建した徳川家康の歯を埋葬したお墓がある。傍らには東照権現のお堂が祀られていた。
圓光寺開基の徳川家康の墓(歯を埋葬)
徳川家康の墓
そこからは境内のもみじ模様が眼下に見下ろせ、ところどころに紅葉を配する洛北の街も一望できた。

境内の紅葉模様
初めての圓光寺はまずはこんなものか。そして、次に紅葉の時季に来られる機会があれば70名限定の7時半からの早朝拝観を事前予約して紅葉を独り占め、いや、70人占めにするのも一興だと思ったところである。




 

木曽駒ケ岳・千畳敷カールの紅葉は信州の高い青空に映える

10数年ぶりに秋の千畳敷カールへ登った。といっても、菅の台バスセンターの駐車場へ車を置いて、路線バスに乗り継ぎ、中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの“しらび平”駅(標高1,662m)まで40分。

1・しらび平駅前広場
しらび平駅前でロープウェイを待つ人たち
そこから山頂の千畳敷駅(2,612m)までの標高差950mをロープウェイでものの7分半で登攀?

太古の氷河期、巨大な氷で削り取られお椀の底のような形をした天空世界へと迷い込む。

2・おわん型にえぐれた千畳敷カール
そこは自然がもたらした圧倒的な造形と気の遠くなるような時の刻みの世界であった。

3・千畳敷カール
秋天は雲一つない青空である。

4・信州の青空に映える紅葉
紺碧の空には紅葉が似合う。

5・千畳敷カールの紅葉
遠くに南アルプスの峰々が見える。

6・遠くに南アルプスが連なる
絶景である。10数年ぶりの千畳敷カール。

7・青空を背景に駒ケ岳の稜線
散策路一周は40分ほどの行程である。

8・千畳敷カールを歩く登山客
昔と比べると、周遊路はずいぶんと整備されていたが、そこをわたしたちは約二時間をかけのんびりと歩いた。秋の一日、信州の紅葉と抜けるような青空を楽しんだ。


2016年・全国の紅葉狩り色とりどり(来年の紅葉狩りの参考に)

2016年も残すところあと二週間ほど。

6・若松寺(じゃくしょうじ)の紅葉
若松寺(じゃくしょうじ)の紅葉(山形県天童市)
2016年は熊本大地震や東北初という台風上陸といった天変地異やEU各国で勃発したISISによる無差別テロ、英国のEU離脱、押し寄せる難民問題など国内外で自然災害や大事件、難しい人道問題など環境問題も含め内外情勢は混迷の極みといってよい。

 

こうした色とりどりの頭が痛くなるような問題はのちに譲るとして、ここではゆるりと日本各地の紅葉の色とりどりを振り返ってみたい。いつも息苦しくなるような話ばかりでは気も萎えるし、人生楽しくない。

 

季節感がずれてきたような昨今の気象であるが、それゆえに来年の紅葉鑑賞の一助となるよう、今年、わたしが巡った各地のその時々の紅葉状況をここに記録しておこう。この二か月にわたる色とりどりの写真を振り返ってみて、季節の移ろいも土地々々でこんなに違いがあるんだ、この国は意外と広いもんだと実感した。

 

陰惨で悲惨で理不尽な事件や自然災害が多すぎる猿年だったが、こうした各地の紅葉の色とりどりはまたある一面、自然の限りない慈しみや恩恵にわれわれは抱かれて生きているのだ、大きな自然の営みと比べれば人間の存在なんてほんとに小さなものなのだと、改めて思わざるを得ない。

 

我が家の2016年の紅葉狩りの始まりは、信州の白駒の池である。ここは標高2100mにある湖のため紅葉は同じ信州といっても他所より二週間ほど早いのが常である。


例年、10月の三連休ではタイミングが遅くなり、湖畔の紅葉はほぼ終わりといった状態であった。そこで、今年は少し早めの10月4日に訪れたが、今年は逆にあと数日ほどあと、まさに三連休のあたりがどうもピーク(ブログ記事・2016年の白駒池(しらこまいけ)の紅葉は10月8日から10日の3連休が見ごろ
)であったようで、世の中、そううまくいかないものだと知らされたトホホの紅葉狩りのスタートであった。

白駒池の紅葉
10月4日の白駒池の紅葉(長野県南佐久郡)
その日、白駒池からメルヘン街道(国道299号)を下り、湯みち街道(県道191号)へ入り、標高1500mにある御射鹿池に立ち寄った。その時、撮影したのが次なる写真である。

御射鹿池の紅葉未だし
色づき始めた御射鹿池(長野県茅野市)
標高差600mというのはやはりこれだけの色づきの違いがある、自然は正直だともろもろ感じ入った秋の一日であった。

 

次に日本列島でも有数の東北の紅葉である。時期がドンピシャといかぬのが紅葉狩りと春のお花見。その日はいつとヤキモキする気持ちやついに盛りに出逢えた時の感動が日本人の心の琴線を微妙につま弾くのだろうか、その感動を求めて衝動的にみちのくの旅へと向かった今年。


まずは、松尾芭蕉の「閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉の声」の句であまりにも有名な立石寺・山寺(山形市)。標高350mほどにある仁王門の10月30日の紅葉です。

3・紅葉の中に立石寺・仁王門
立石寺・仁王門と紅葉(山形県山形市)
標高400m余の立石寺・奥の院の少し下にある開山堂から見た修行の岩場・釈迦が峰の景色。

30 開山堂から紅葉の立石寺
山寺の雰囲気を満喫した秋の景観(山形市)
次が翌日の朝に訪れた天童市の若松寺(じゃくしょうじ)の境内の黄葉です。

31 天童市若松寺の観音さまと黄葉
10月31日、若松寺の観音様と紅葉(山形県天童市)
10月31日の若松寺になります。地元でもなかなか見られない月山が鐘楼前の高台から見えて儲けものだとタクシーの運転手さんが言っておりましたので、一枚どうぞ。

若松寺から月山を拝す
若松寺鐘楼前から遠くに月山が見えた(天童市)
その日、天童駅から山形新幹線に乗り、郡山で磐越西線に乗車。途中、猪苗代駅で下車、猪苗代湖と湖畔に建つ有栖川宮の別邸であった天鏡閣と庭園(福島県猪苗代町)を見学。その時の天鏡閣の紅葉です。

31 天鏡閣煉瓦門から邸内紅葉を見る
天鏡閣入り口の紅葉はみごと!(福島県猪苗代町)
10月31日の状況ですが、日当たりの関係で早いやつはすでに落葉していましたが、盛りのものもあるといったまだら模様でした。

31 天鏡閣庭の紅葉
10月31日の天鏡閣の色づく庭園
次は翌朝の11月1日、会津の東山温泉の旅館・向瀧(会津若松市)の百合の間から中庭に色づく楓を撮ったものです。

1 百合の間から向瀧旅館と中庭の紅葉
11月1日 百合の間から中庭と向瀧の連なる棟を見る(福島県会津若松市)
向瀧の建物自体が国の文化庁・登録有形文化財第一号に指定され、各部屋も文化財という趣のある旅館でした。30数年ぶりの再訪でしたが、当時はこうした中庭の風情や伝統建築に興味を覚えた記憶はなく、年齢を重ねるのも一概に悪くはないなと感じたところでした。

1百合の間から
向瀧・百合の間から11月1日の紅葉
東北の旅の最終日(11月1日)はまず鶴ヶ城(会津若松市)へ向かいましたが、雨模様に色づく堀を芸術的に撮ってみました。

1 鶴ヶ城お堀の紅葉
11月1日の色づく鶴ヶ城のお堀
次は雨が降りだした城内を天守閣から空撮?しました。

1 鶴ヶ城天守閣から城内の紅葉を見る
天守閣から雨に煙る城内の紅葉をみる

帰京後、家内が仲間と箱根、11月16日に河口湖へ一泊旅行で楽しんだ紅葉の景色です。
八王子甲州街道多摩御陵手前
甲州街道・八王子の多摩御陵前の銀杏並木(2016.11.16)
箱根早雲山からの紅葉
早雲山から箱根の山の紅葉だそうです(2016.11.16)

次は11月20日の東京・昭和記念公園の紅葉です。

20 昭和記念公園 秋の景色
夕闇迫る昭和記念公園、木々の色づきが美しい(東京立川市)
秋の黄昏の風情がただよう素敵な写真になっていませんか。次は園内にある日本庭園の紅葉です。外人も多く訪れるすごい人出でした。

20 昭和記念公園 日本庭園の色づき
昭和記念公園日本庭園の紅葉(立川市)

その翌日に家内の実家の高松へ向かいました。11月22日の四国の屋島(高松市)の紅葉です。復元された日本書紀に出てくる屋島城(やしまのき)の見学に行った際に撮りました。

22 屋島南嶺に紅葉
11月22日 紅葉と屋島(香川県高松市)
屋島寺の手前にある血の池に色づく紅葉です。昔、源平屋島の合戦で武士たちが刀の血をぬぐった池だと伝わっています。

22 紅葉を散らす屋島血の池
屋島寺 血の池を赤く染める紅葉(高松市)

11月25日、岡山県にわたり古代山城・鬼の城(きのじょう・総社市)を見学。

26 鬼ノ城と紅葉
展望台から鬼ノ城と紅葉を(岡山県総社市)
1400年前の景観だとロマンを掻き立てられた秋の景色です。

26 高石垣から屏風折れ石垣と東門など鬼の城全貌
遠くに屏風折れ石垣、山腹が色づく(総社市)
屏風折れ石垣と下のほうに鬼の城の東門を見る絶景のなかに色づく木々が見えます。

そして、鬼の城約5kmを巡る山行の最後に出逢った鬼城山(きじょうさん)山頂に立つ楓が一本、とても印象的でした。

00・鬼城山頂上の紅葉
楓の下には真っ赤な落ち葉が・・・(総社市)

12月1日の名古屋市の熱田神宮を参拝。本宮の千木の向こうに黄葉が見えます。

1 熱田神宮本宮と黄葉
12月1日 熱田神宮本宮の千木と黄葉(愛知県名古屋市)
境内に色づく楓です。太陽の光があればもっときれいだったのですが。

1 熱田神宮境内の紅葉
熱田神宮境内の紅葉 晴れていれば渾身の一枚のはず

以上、2016年の紅葉狩りの総括をしてみましたが、やはり異常気象の影響でしょうか、楓の葉っぱが日に焼けていて、全国的にみずみずしさに欠けている印象であったのは残念です。日本らしい紅葉はやはり温暖で湿潤な気候に恵まれた年に目にすることができるのだと感じたところです。

 

来年の紅葉狩りの計画を立てる際の目安として、今年の日付と各地の紅葉具合が参考になればと思いアップしました。来年こそ世相も気候も穏やかで心休まる年であってほしいと願って紅葉レポートを終わります。



2016年10月4日の八千穂高原の紅葉、見頃はこれから。白樺群生林で秋風を纏う!!

2016年10月4日、御射鹿池(みしゃかいけ)は色づきはじめ、紅葉の見ごろは中旬から下旬!
2016年の白駒池(しらこまいけ)の紅葉は10月8日から10日の3連休が見ごろ

(当ブログの写真・記事等の無断転用を禁じます。) 

八千穂高原は北八ヶ岳の東麓に広がる高原であるが、2016年の紅葉の見頃は10月中旬から下旬とみたのでご報告。

1・10月4日の八千穂レイクです
2016年10月4日の八千穂レイク、紅葉はまだまだ先
10月4日の八千穂レイクはこんな感じで、紅葉の見頃にはまだまだという状況。

 

今回は自然園を訪ねなかったが、ここが実は紅葉の穴場である。10月下旬には園内には“もみじ橋”風雅な名前の橋も架かり、盛りのころには紅葉・黄葉が目を楽しませることは請け合いである。

2・八千穂高原自然園内・もみじ橋
八千穂高原自然園内 もみじ橋(2015年8月撮影)
八千穂高原自然園、今年は11月6日(日)まで開園している。冬期は閉園となり、来年の4月の下旬に開園となるので紅葉鑑賞に訪れる際には注意のこと。

 

10月下旬から11月上旬の頃は、国道299号線(メルヘン街道)沿いのカラマツ林の豪勢な黄葉を目にしながら麦草(標高2127m)峠を越え、八千穂高原へと下っていくのも一興である。

18 麦草峠越え
メルヘン街道麦草峠
まず、麦草峠の少し手前に日向木場展望台標高1950mがある。

4・メルヘン街道沿いの日向木場(ひなたこば)展望台
日向木場展望台
真下にある駐車場に車を停め、すぐ上の木造展望台から正面に南アルプスを見る。この日は日本第二の高嶺、北岳がくっきりと見えた。また、すぐ眼下にカラマツ林が広がっているので、盛りにはさらに絶景が楽しめる。

5・手前カラマツ林と南アルプス北岳を望む
この日は最高の眺望。北岳もくっきり
そこから麦草峠を越えてすぐに佐久(R299)と韮崎(R480)に分岐するポイントがある。

6・佐久と韮崎分岐点
分岐ポイント
ここに“レストハウスふるさと”がある。駐車場も広々しており、天気の良い時にはぜひ小休止をお勧めする。というのも、ここからの浅間山の眺望はそのふもとに広がる佐久市街も一望でき、すばらしい景色であるからである。

7・浅間山と佐久市を一望
浅間山と佐久市が一望できる絶景ポイント
そこを出て、佐久方面に299号線を5分ほど下ってゆき、看板のところで右に曲がると、そこが本日お目当ての“日本一白樺群生地”である。

8・白樺群生林をつらぬく林道
白樺群生地をつらぬく一本道
この辺りの紅葉のピークは白駒池の紅葉時期より大体、2週間ほど遅れるのが通常であるので、もしピンポイントで尋ねたいと思われる方は八千穂高原自然園(0267-88-2567)に問い合わせをしてから出かけるのがよい。

9・八千穂高原自然園管理棟
八千穂高原自然園管理センター
今年の秋は雨天の日が続き、蓼科散策も思うようにいかない。この10月4日も、台風18号の影響から不安定な天候のなか一日だけ晴天というので、八千穂高原の紅葉には早いが、青空のもとで白樺の群生林を散策したいと八千穂高原へと向かった次第である。

10・八千穂レイク周辺案内図
八千穂レイク周辺案内図
約200haの敷地に50万本の白樺が群生しており、熊笹のなかに整備された高原の小径は恋人とのデートには最適なコースである。

11・群生林の散歩道
白樺林の散歩道
この日は大正解。前日の雨もあり、数日間が天気が不安定だったこともあり、群生林には物好きな客もおらず、青空のもと二人合わせて130歳という高齢カップルではあるが、二人だけの森の散歩を心置きなく堪能できた。

12・秋空に白樺
秋空に映える白樺
実際に道を隔てた八千穂レイクには恋人の聖地に認定されたスポットもあるので、輝ける未来が待つ若いカップルはこちらも一緒に訪ねると、その効能?は抜群である。

13・恋人の聖地の認定碑と八千穂レイク
恋人の聖地認定標と八千穂レイク
この日は好天ということで、のんびりと糸を垂れ太公望を決め込む釣り客があそび、その先には浅間山が見渡せる、数少ない秋の行楽日和の景色ではあった。

14・太公望と浅間山
太公望と浅間山
湖畔にはコーヒーやソフトクリームを提供するカフェがあり、われわれは休憩を兼ねてテラスで湖を眺めながらおいしいソフトクリームに舌鼓を打った。

15・ソフトクリームと八千穂レイク
ソフトとレイクとシラカバ
白樺群生地の一番の見頃は5、6月のミツバツツジやレンゲツツジが花開き、樹々の新緑が萌えるころがよいという。しかし、秋の一日に人影も見えぬ高原の散歩道を老夫婦がのんびり人生の歩をすすめてゆくのもこれまた一興である。

16・白樺の群生林
秋の好日の白樺群生地
紅葉だけではなく、美しい風景がそこここに転がっている秋の八千穂高原。
17・秋の信州・メルヘン街道から
メルヘン街道・薄と信州の山並み
秋の信州の穴場である。小さい秋を見つけに信州の町々を訪ねられてはいかがでしょうか。



2016年10月4日、御射鹿池(みしゃかいけ)は色づきはじめ、紅葉の見ごろは中旬から下旬!

2016年10月4日の八千穂高原の紅葉、見頃はこれから。白樺群生林で秋風を纏う!!
2010年、御射鹿(みしゃか)池の紅葉、見頃は10月23日(2010.10.18)

(当ブログの写真・記事等の無断転用を禁じます。) 


1・定番のアングルでの御射鹿池です
2016年10月4日の御射鹿池は色づきはじめ
白駒池の帰り、夕刻になったが久しぶりに御射鹿池を訪れた。すると御射鹿池周辺の道路の拡張工事が進んでいた。

2・道路幅拡張
御射鹿池横の湯道街道は拡幅工事中
駐車スペースも同時に拡張される様子で、これまで路肩駐車を余儀なくされていたものとしてはありがたい。以前は御射鹿池の排出口の小さなスペースに4,5台停まるのが精々であったから、これで心置きなく御射鹿池のミラーレイクぶりを堪能できることになる。

3・湖畔へは入れません
湖畔への立入禁止。ちょっと無粋な柵です
そして、工事の関係だろう湖畔への立ち入りが禁止されており、ちょっと残念な気分。それでも道路から撮ったのが以下の写真である。

4・きれいです
柵の上から撮りました
2016年10月4日の御射鹿池の紅葉はまだ色づき始めといったところ。

5・紅葉にいま一歩
紅葉はいまいち、でもミラーレイクぶりはさすがです
ただ、角度と日差しによってやはり湖面の美しさは大きく変わる。

6・ミラーレイクです
ちょっと色模様もあります
この日もそう滞在時間は長くなかったが、いい写真も撮れたようだ。

2、3名の写真愛好家がいつものように一眼レフを片手に熱心にその一瞬をとらえようと構えていた。

7・まさに鏡です 御射鹿池
湖面に写る緑
当方はいつものキャノンのSX710HXでパチパチとそれこそ普段着の御射鹿池を撮る。

8・トンボが停まる御射鹿池
湖面の草にとまる蜻蛉
こちらが気楽な心持だとミラーレイクのほうも構えぬスッピンの顔を見せてくれる。

10月の残りの日々、紅葉が盛りを迎えるにつれ、少しよそ行きの顔を観光客に見せ始めるのだろう。

9・御射鹿池
これからが紅葉本番です
でも、いつも思うが、東山魁夷さんもすばらしい場所をよくぞみつけたと感心しながら、また、来年、お会いしましょうと帰路についた。



2016年の白駒池(しらこまいけ)の紅葉は10月8日から10日の3連休が見ごろ

10月4日の白駒池(しらこまいけ)の紅葉である。

4の白駒池
2016年10月4日の白駒池の紅葉状況
今夏の猛暑や10月に入ってからの夏のような暑さのぶり返しなど1日の寒暖差も少ないため、紅葉自体の発色は今一つの感は否めぬところ。そこで、ちょっと写真を加工してみると・・・

3・幻想的・・・これも紅葉
幻想的・・・でも、少々やりすぎですね
そうはいいながら、まずは標高2115mの高地にある白駒池の10月4日の紅葉を写真にてご鑑賞のほどを。

4・きれいです黄葉
ここの辺りに紅葉が集中
手前の紅葉を少し入れてパチリ。

5・2016 SIRAKOMA
どうですか、この高揚感、いや、紅葉観・・・
ちょっと芸術的に撮ってみたのはいかがでしょうか。

6・白駒池もミラーレーク
どうです。この色合いは・・・
これなども好きな一枚です。

7・樹間の紅葉
樹間の紅葉もいい感じ
4日の紅葉状況から見て、この3連休が白駒池の紅葉の衣を鑑賞するにはもっとも手ごろな時期と判断した。

8・白駒池の紅葉
ミラーレークの紅葉
4日の昼過ぎも団体バスが2、3台やってきていたが、駐車場は待つことなしに入れた。

9・駐車場
広い駐車場が国道299号の両脇にあるが・・・
3連休はできたら朝早めに白駒池に到着するのがよい。相当な観光客が押し寄せることは間違いない。すると道路にたくさんの車が駐車するといった状況に。

 

日照が期待できたら、照葉紅葉に加えて、白駒池の小道を囲む原生林は苔類の緑の競演でわれわれの目を楽しませてくれるはず。

10・白駒池のコケ類
トウヒ、シラビソの樹木をおおう苔、苔、苔
日本蘚苔類学会からこの白駒の森は「日本の貴重なコケの森」に選定されている。なんと485種類ものコケ類に森がおおわれているというのである。
11・白駒の森を覆いつくす苔
まさにミドリの絨毯です
異常気象がつづく天候ではある。だからこそ、ひとときそんなことを忘れ、紅色と黄色にくわえてモスグリーンといった色彩の小世界に遊んでみてはいかが。



2015年度の花見三昧 都立滝山公園(滝山城跡)の山桜は圧巻

滝山城跡は国史跡に指定されているとのことだが、都立の滝山公園(八王子市高月町)としてその景観、丘陵の地形がほぼ往時のまま保護されている。初めて訪れてみて、その規模と地形の保存状態にビックリした。

6 中の丸からの眺望
中の丸から拝島?の方向を一望

ここからの眺望もさることながら、吉野の山桜もこれをそのまま同心円に拡大したのだろうと想像してしまうほどに素晴らしく豊かな景色である。

6 山桜、見事です
山桜の壮観さを堪能

それに加えて、ここはちょっとお城オタクにはたまらぬほどのスポット。

滝山城へいたる堀底道
二の丸へ向かう堀底道 この旧坂を登っていきます

複雑な丘陵を活かした戦国時代の城郭の地形がほぼそのままの状態で残されており、尾根筋から見下ろす大曲輪や千畳敷跡空堀、土塁などは圧巻である。

6 滝山城中の丸
滝山城の中の丸

歴女が訪ねれば、一日、城攻めの攻防に夢を馳せることのできる大規模な城跡で、関東随一の規模を誇るといわれた城郭が天然の要害であったことを肌で実感できる貴重な遺跡であるともいえる。

6 引橋から本丸の枡形虎口を見る
中の丸から本丸へ引橋 突当りに枡形虎口

よくぞ、これまで乱開発されずに自然な形で保存されてきたなと正直、驚いた。

6 本丸に立つ滝山城址石碑
本丸跡に滝山城跡石碑

さて、戦国の世に身を置き妄想の世界に遊んでいたところ、中の丸へゆく途中で突如、家内がスイカズラ科のニワトコの花が咲いているという。あまりに喜ぶものだから写真を撮った。わたしには変哲も何もないただの木に見えてしまうのだが・・・

6 スイカズラ科 ニワトコの花が咲いていた
ニワトリ・・いやニワトコの花です(4月6日)

家内は一週間前にも、かの前世が植物学者の泰斗であったに違いないとわたしがひそかに思っている女史と一緒にここを訪ねている。その時にはこのニワトコは蕾だったのだと家内はいう。その時、命は一秒一秒を確実に刻んでいっているのだという当たり前のことに感動する家内を少しうらやましく思ったことは事実である。

30 ニワトコの蕾 一週間前
3月30日のニワトコの花のつぼみ

そして、ニワトリかニワトコかさえもよくわからぬわたしには、少々、それほどに喜ぶことなのだろうかと女心の不可解さにも久方ぶりに感じ入ったところでもある。


それから三の丸から尾根伝いに古峯ヶ原園地へ向かっていると、また、「見て!見て!」とはじまった。


今度はリンドウ科のフデリンドウという花が咲いているという。これも一週間前に訊ねた際に見つけていた花だという。

6 フデリンドウそろい踏み
小さな花です フデリンドウ

たくさん咲いていると路傍ばかり見ているのも、花見に来ているのに、ずいぶんと不思議な光景だな・・・なぞと思いながら、どれどれとそのはしゃぐほどの花を見てやった。すると、おっ・・・かわいい・・・この年の大の男がとも思ったりもするが、美しいものは美しい、かわいいものはかわいい。それでよい。

6 滝山城址のフデリンドウ
家内が必死でローアングルから撮りました

そう素直に言える人間になりたいものと、ちょっと小さく心のなかで思わせた可憐な花がフデリンドウであった。

蕾がかわいいので、この写真も撮ってほしいというので撮った。だから、ここに掲載する。

6 フデリンドウと蕾
後ろに立っているのがもう少しで花になる蕾です

戦国の山城というよりちょっとした丘陵の風情のなかでそのなりのままの山肌に植わる山桜。

6 大曲輪の山桜
この日はなんとか天気がもっていました

幹が根元で10本ほどに分かれひょろひょろと空へ向かって高く伸びる山桜。

滝山城跡桜の園

なかなかに見事である。人工的でないのがさらによい。来年も必ずここに来ようと思った夢想空間の爽快な場所である。



 

 

2015年度の花見三昧 新宿御苑・多磨霊園・高幡不動・浅草寺

今年の桜は開花が予想より早く、開いたと思ったらもう満開ですと慌ただしいことこのうえなかった。花見日和に生憎、予定が入っていたりとタイミングも悪く、そんなこんなで、実はこれぞお花見〜というショットが今回はあまりない。


さらにお天気の具合が今一つといったことで、やや充実感に欠ける“お花見”レポート

になることをまず申し上げておく。


そして、二回に分けてアップすることになるが、一回目が4月3日の新宿御苑。4月5日の多磨霊園、4月6日のおまけの高幡不動尊、4月7日の浅草寺の桜。2回目がそんな不作の今年の花見のなかで、ちょっと新鮮な驚きを感じた4月6日の都立滝山公園(八王子市)は少しくわしく案内することにする。


それでは、日付順にどうぞ。

4月3日の新宿御苑、これは家内が友人とランチ込みの花見(花より団子)のショットです。

1・2015年の新宿御苑の花見
曇り空の新宿御苑

風が強く、曇り日であったため、爽快な花見というわけではなかったそうだ。

2 桜と旧御涼亭
桜と御涼亭

ただ、風のおかげで、この桜吹雪は見事にその雰囲気が出ているので採用した(偉そうにという家内の声が聴こえそうではある)。

3 新宿御苑の桜吹雪
桜吹雪・・・おみごと!!

4月5日の多磨霊園の桜並木。

4・4月5日多磨霊園の桜並木
もう葉っぱが出てきています

その二、三日前のニュースで満開の映像が流れていたので、急遽、花見ついでの墓参となった。

5 至る所、桜、桜
多磨霊園内のそこここに桜の樹

そんな心がけであるから、途中からパラパラと雨が落ちてくるといった天候で、まぁ、霊園の花見だからこれはこれで風情があると負け惜しみのひと言。

5 霊園内の桜も満開
やはりきれいです・・・

そして、我が家の菩提寺は、梅が中心で桜はこの枝垂桜のみであるので、ここに掲載する。根元近くのハナモモがきれいだったので、これもまぁいいかと・・・。

5 菩提寺の枝垂桜とハナモモ

4月6日は滝山城址公園へ行く途中に、高幡不動尊の桜もまだ何とか大丈夫だったので、一枚アップしておく。

6 高幡不動尊の桜
車中から一枚、高幡不動尊の桜です

4月7日は平成中村座の公演を見に浅草へいったので、浅草寺境内の桜もまだ何とか残っていたので、どうぞ。これまた、雨模様の天気で色合いが今一つで残念であった。

7 浅草寺五重塔に桜
浅草寺の五重塔と桜

ただ、たまたま伝法院が公開中とのことだったので、初めて小堀遠州の庭を拝観した。

7 伝法院庭園よりスカイツリーと五重塔
大書院の屋根越しにスカイツリーと五重塔

その大書院の横に大きな枝垂桜があった。

7 浅草寺伝法院の枝垂桜

これも空が青かったらなぁと、嘆息。真青なる空より枝垂れ桜かな・・・とはいきませんでしたな。



しかし、こんなりっぱな庭がこの都内にあったとは、東京はなかなか奥深いと感慨にふけったところであった。




 



2014年、紅葉の高尾山、11月20日頃が見ごろ

11月13日の快晴の一日、強欲にも紅葉と富士山とスカイツリーを見に行こうと、高尾山への登頂を試みる。京王線・高尾山口駅を降り、ケーブル駅へ向かう道にあふれる登山客にびっくり。

1・京王線・高尾山口駅前からケーブル駅へ
高尾山口駅からケーブル駅へ向かう人、人、人

平日というのに高齢者の御一行様でなかなかの人出。小学校の遠足以来の山頂踏破を目指すわたしも、それには、正直、呆れてしまう。

ケーブルカーに行列を作ることはなかったが(土日は行列がすごいのだとか)、この乗車率は半端じゃない。

2・行列がなくとも乗車率は?%・・・
麓のケーブル・清滝駅

山頂に着くと、その乗客たちはあっというまに山のなかへ溶け込み、私たちの視界からどんどんと姿を消してゆく。皆さんの健脚にまずは素直に脱帽 ”(-“”-)”


まずは薬王院を目指して一号路(表参道)を歩くが、野草園の付近でまず紅葉、見っけ!!

3・野草園近くの紅葉

やはり紅葉は陽の光が当たって“何ぼだね”などとまずは余裕のコメント。

浄心門もあっという間にくぐりぬける。

4・浄心門のあたり
浄心門

そして二股に分かれる場所にやって来た。家内の説明で左にゆくと男坂、右にゆけば女坂だという。

5・左が男坂、右が女坂
左:男坂 右:女坂

帰り道にゆるやかな坂の方が良くはないかとのサゼッションで左の男坂に進入。急な階段が見えた。

6・108段の男坂

煩悩の数の108段あると言われたが見た目で実感できず、平気だよと豪語。手すりに支えながらではあるが、スピードを落とさずに一気に登り切る。

7・この急坂を一気に
急勾配でした

脈拍は鰻登り、息はゼイゼイ!! この齢で見栄を張るものではないと素直に反省。爾後、スローペースへと一気にギアチェンジ。ゆっくり歩いてゆく。

8・薬王院への道
杉の苗木の寄進者名札が続く道。30万本の京王電鉄が最高でした

小さな子供さんにも抜かれながらも10分ほどで山門に到着。

9・山門

山門脇の紅葉も始まっている。緑の葉叢のなか秋の陽光に黄色や紅色が浮かび上がり、美しい。人々もしばし足を止め、頭上にかかる紅葉に目を輝かす。

10・山門脇の紅葉

薬王院の本堂にはちょっとした階段を昇る。そこに仁王門が待ち構える。

11・本堂から仁王門を
本堂から仁王門を見る

その仁王門をくぐると本堂はすぐ正面である。われわれも線香を焚き、痛い膝に煙をまぶし、平癒を願う。本堂へ昇り、賽銭箱にお賽銭をあげる。


みなさん、真剣にお祈りをしている。むずかしい世の中である、わかるわかる。みんな頑張っているんだよね。

12・高尾山・薬王院本堂
薬王院本堂

本堂の両脇の壁には高尾山の修験の象徴である大きな天狗の面が掛かっている。

13・本堂左手の天狗面  14・本堂右手の天狗面

天狗様のご加護を身に纏い、次に薬王院本社へと向かう。ここも急勾配の階段を昇った先に朱塗りの鳥居がある。その鳥居の横に朱色を打ち消すほどの鮮やかな紅葉が真っ青な秋空に映えて、これぞ、紅葉といった景色である。

15・薬王院本社の鳥居脇の紅葉

鳥居の正面すぐに色鮮やかな彫物で装飾された見事な建物がある。東京都の重要美術建造物に指定されている薬王院本社で、正式名称は飯縄権現堂である。

16・薬王院・本社

その絢爛豪華な本社を後にして、奥の院不動堂へ向かう。ほんのわずかな距離である。建物は宝形造のいたって簡素な造りとなっている。

17・不動堂
奥の院

奥の院にお参りして、いよいよ、山頂踏破は近い。アップダウンが続くが、道には板が敷かれていたり、舗装がされており歩行に困難はない。そして、緩やかにのぼる坂の先に山頂の広場の気配が見えて来る。

18・山頂が見えてきた

そして、山頂の広場に出た。小学校の遠足以来の登頂である。もっと広い平坦地を予想していたが、工事中の幔幕で覆われた個所もあり、えっというような狭い場所である。

19・山頂です

ここら一帯に坐ってお弁当をひろげ、ワイワイガヤガヤと・・・4年生はあの当時、4クラスであったから二百名余の人数がここに坐ったはずなのだが・・・

半世紀以上も前の懐かしい光景は・・・にじんで・・・そして輪郭はおぼろげで・・・そして喉を通る唾はなぜか甘酸っぱくて切ない・・・


広場を少し下った先に富士山の見通せる展望台のような張り出しがある。天気がいいので、人もすごい。

20・富士山の見える展望台辺りはすごい人
富士山に少し雲がかかる

小さな浮雲を頂きに添わせた冠雪の富士山が見えた。何度も来ている家内もくっきりと富士山が見える日は少ないのだと、当日はいたくご満悦である。

21・富士山遠景
なかなかクリアーな富士山

アップの富士山もしっかりと撮った。

22・富士山のアップ
どうです、冠雪の霊峰は・・・

富士山をバックに一人ずつ交代で写真に収まる。何枚、富士山の写真撮ったかって、数えたら45枚に及んでいました。さすがに、バッカじゃないのと我ながら呆れているところであります。


そこで当日のメインでもある高尾山山頂の紅葉の写真をどうぞ。

23・紅葉です

秋の空に映える紅葉。街中の紅葉と違い、青空と紅葉以外に何も映っていないのが何とも清々しく、痛快である。

24・秋の絶景

それからこの一枚、富士山と紅葉はいかがでしょうか。ちょっと、うらやましくないですか〜

25・富士山と紅葉
ちょっと雲が邪魔なのですが・・・

そして、そこでお弁当を食べて、いよいよ下山開始。帰りは3号路といって、舗装されていない山道を経由してケーブル山頂駅まで向かうことにした。その3号路は麓まで下る登山道であるが、われわれは途中で本堂の仁王門の下で1号路と合流する道へと入って行った。

26・3号路をゆく

すべて、高尾山ガイドも十分勤まるのではないかと思う家内さまのご指導の賜物であります。

途中で頭上を見上げると紅葉になっている部分が・・・

27・下山途中の紅葉

そしてケーブル駅に到着するちょっと前に最後の絶景スポットがあると家内が指さした先に・・・

ありました、スカイツリーが・・・

28・新宿のビル群の向こうにスカイツリーが見えた

遠くて小さいので写真はズームにしていますが、肉眼で確認することが出来ました。これもそう頻繁には見えないのだとか。本当にラッキーな秋の一日でありました。


最後に、この高尾山登山で感心したのがトイレ設備でありました。

29・高尾山の頂上下の綺麗なトイレ
りっぱなトイレでした

山頂真下のトイレは二階建てで、混雑時には二階も開放するそうで、一方通行で人を流す方式で、洋式トイレ装備のそれは立派なものでありました。


高尾山の紅葉はこれから1週間ほどが最盛期の見頃。ぜひ、健康と目の保養のためにも一念発起、高尾山へ足を運ぼう。


2014年の八千穂高原・白駒池(しらこまいけ)の紅葉は終了

蓼科の秋、見つけた!=白駒池・横谷渓谷の紅葉の見ごろ(2010.10.18)

10月11日、まだ大丈夫だと思い、八千穂高原の白駒池の紅葉を見に行った。

1・白駒池

ちょうど紅葉のシーズンということで、白駒池周辺の駐車場は満杯で、路上駐車の車も数十台という混雑ぶり。

駐車場も一杯

苔と原生林をぬけて白駒池へと向かう。

3・苔と原生林
ここはいつも幻想的・・・

紅葉への期待は高まるばかりである。


麦草峠の傍にある標高2115mという高地に位置する白駒池。白駒池の紅葉は4年前の2010年10月17日に訪れていた。


その際のブログには一週間前が見ごろであったとある。その時も、紅葉の白駒池を十分には堪能しきれなかったとあった。


今回訪れた11日はちょうど、その盛りの頃であったはずである。

4・終わっています、紅葉
あ〜あ・・・

だが、残念!! 無念!!


今回も紅葉はすでに終わっていた。湖畔の縁にわずかに残るモミジを無理やり撮影。

5・わずかに残る紅葉をアップで
アップで無理やり・・・

白駒池の紅葉を一応、堪能・・・した形とした。


そして・・・ポップカラーで撮ると、あらあら、こんなに紅葉が綺麗に・・・

6・ポップカラーで撮影

来年はホントのリベンジで9月の末あたりに来ようと心に誓った。そして、まともな写真を一枚、きっと撮ってみせると思った。


標高の違いでこんなに紅葉の度合いが違うとは・・・


そんなことで、悔しかったので白駒荘の温かいコーヒーを、これまたかなり肌寒い湖畔のデッキでグッと飲んで帰ってきました。

7・白駒荘のコーヒーをいただきました

ソーサーに載っているのは食用ほおずきで、これ初めて食べたが美味しかったので、一袋購入しました。


いつものようにしずかに時を刻む蓼科の秋

この三連休、秋の蓼科へと足を伸ばした。台風が襲来する前に急きょ、帰京という短い滞在になったが、蓼科の足早の秋を文字通り足早に愉しんだ。

1・色づく山肌

蓼科の秋は朱色より黄色のイメージである。

2・急速に色づく山

高い山に囲まれた蓼科には、紅葉する楓が少ない。

3・秋です

ただ、山肌ははっきりとその装いを秋色に変えはじめている。

4・色づく八子ヶ峰

秋のぬけるような空にその彩りは美しい。

5・秋の空に黄葉が映える

天気の良い連休の前半、蓼科東急の上から紅葉をはじめたリゾートの森の向こうに八ヶ岳の稜線が幻想的な蒼色のグラデュエーションを見せる。

6・八ヶ岳と紅葉

静かな時間である。聞こえてくるのは秋風に蕭々と鳴る木々の葉音と時折、奏でられる小鳥の啼き声のみである。

7・秋色に染まる

わが山荘にもいつのころからかハウチワカエデが生育し、庭のあちこちに秋色の迷彩をほどこす。

8・ハウチワカエデが緑に映える

京都の高雄の燃えるような紅葉とはまたことなった趣きを見せてくれる。

9・ハウチワカエデ

いつものことだが蓼科の秋は束の間である。梢から舞い落ちる葉っぱが地面に散り敷くや冬将軍が凍てつくような真っ白な息を吐き出しながら足早にやってくる。

10・黄色・緑・赤とりどりのハウチワカエデ

赤や黄色を装った落葉はその氷のような息であっというまに土色の朽葉へと変じてゆく。


いつものしずかに時を刻む、蓼科の四季のひとこまである。



 

2013年11月、比叡山・延暦寺の紅葉は今が見頃

1114日、京都市内の紅葉はまだ早いということで、比叡山・延暦寺をひさしぶりに訪れた。少しでも標高が高い方が京都の紅葉をちょっとでも目にすることができるだろうとの思いである。

見上げると

わたしにとって延暦寺はほぼ40年ぶりであったし、比叡山ドライブウェイを通って入山するのは初めてであった。

そのドライブウェイの途中に“夢見が丘展望台”という大津、琵琶湖を一望できる観光スポットがあった。

そこに“もみじ見頃”の看板が立ち、タクシーの運転手さんも、ここからの紅葉はきれいですよと、車を降りた。

秋の陽光に染まる紅葉・展望台

天候もよく、琵琶湖を見下ろすことができ、それだけでも感激であったが、そのうえに紅葉も素晴らしく、こちらに来てよかったと家内ともども“大正解”と満悦(当初は高雄の神護寺でも行こうかと考えていたが、運転手さんが延暦寺を奨めてくれた)。

展望台より琵琶湖を望む
紅葉の向こうに琵琶湖が見える夢見が丘展望台

琵琶湖から山側に目を転じると、そこにも紅葉はあざやかにわれわれの目を射る。青空とのコントラストが素晴らしい。

延暦寺有料道路展望台の紅葉はきれい

それに比べて、延暦寺の紅葉はもう少しであった。

紅葉がはじまる

たぶん、本日(11/21)あたりがちょうど見頃になっているのではなかろうか。

延暦寺大講堂
大講堂

大講堂前の紅葉もようやく始まった感じだろうか。うわぁ〜ってなとこまではいきませんでした。

大講堂前に紅葉
大講堂前

大黒堂の一部、色づいていたので、パチリ。

大国堂にも紅葉がちらほら
大黒堂

根本中堂の紅葉もどうでしょうか、今夏の猛暑の影響もあるのでしょうか、ちょっと赤の色合いが今一つの感です。

根本中堂に紅葉
根本中堂の紅葉

ただ、根本中堂の威容、堂内で感じた敬虔な信仰心の凄味、不滅の灯明に見た伝統を継承する人間の強さを肌身で感得したことは、得難い経験であった。

文殊楼から根本中堂を
文殊楼から根本中堂を見る

そして、実際の根本中堂が学生時代に訪れたときの記憶にあったものとは大きく異なり、あの記憶はいったいどこの建造物だったのか、再度、ゆっくりと東塔、西塔、横川地区を散策する必要があると、感じた次第である。


そんなことを思いながら、歩いていたところ傾いた太陽が樹間を抜けて光の紐をわたしに届けてくれた、その情景はやはり信仰の山にふさわしい神々しいものであった。

聖地の紅葉

そういうことで、今回は展望台、東塔の紅葉をまずはお愉しみいただけたらとアップしました。お時間出来たら、ぜひ、比叡山へ足を向けられたらいかがでしょうか。

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