2・アサギマダラが数匹、飛んでいました
ヨツバヒヨドリの蜜を吸うアサギマダラ

春から夏にかけて本州などの涼しい高原地帯で繁殖を重ね、気温が下がる初秋になると温かな南方へと移動する。その移動は想像を絶する距離であり、遠く沖縄さらに八重山諸島や台湾にまで海を越えて飛んでいくのだという。

3・ヨツバヒヨドリの蜜を吸うアサギマダラ

2006年8月、山形・蔵王スキー場でマーキングして放ったアサギマダラ1700匹のうちの一匹が、11月20日に与那国島・久部良岳の山頂で見つかっている。その移動距離は2246kmという気の遠くなるような距離である


そんな珍しい蝶が夏の八ヶ岳周辺には多く、飛翔しているのだそうだ。そして、この8月2日、八島湿原の緑陰のなかで出逢うことになった。

0・この緑陰にアサギマダラが輪舞
この緑陰に群生するヨツバヒヨドリにアサギマダラが群れ飛ぶ

アサギマダラはヒヨドリ科の花が好物で、実際に我々が目にした数匹のアサギマダラはヨツバヒヨドリの花に群がり、輪舞していた。

1・2000kmを移動するアサギマダラ

貴重な経験であった。ハイカーの人たちも嬉々として写真撮影に余念がなかった。


自然の宝庫、八島湿原にはそうした珍らしい蝶だけでなく、馴染の昆虫がそこここで目に留まる。


コオニユリの蜜を吸う揚羽蝶

4・コオニユリと揚羽蝶

都会で目にすることがなくなったシジミチョウにも久しぶりにお目にかかった。

5・シジミチョウ

そして、このショットは夏の定番のようなものだが、アザミと蜜蜂。

6・アザミに蜜蜂

そのほかアザミにはいろいろな虫が蜜を求めてひと時の憩いを愉しんでいる。

7・アザミの埋まる小さな昆虫

草むらの萱の葉にトノサマバッタだろうか、静かに羽を休めていた。

8・トノサマバッタかな?

最後に高原に早々と秋の訪れを告げる赤とんぼである。ワレモコウに停まる赤とんぼ。

9・ワレモコウと赤とんぼ

そして、花を落としたアザミに羽を止める赤とんぼ。

10・赤とんぼ

それから自然との触れあいということで、最後に家内に寄って来て、じっと手にとまった高原の蝶、なんだかホッとする時間でした。

11・手に停まる蝶

ヒンヤリとした風が吹き渡る八島湿原で繰り広げられる様々な生き物の営みは、高原に足早にやって来る秋そのものの景色であった・・・


12・八島ヶ池と八島湿原

 

2014年の八島湿原の植物・昆虫図鑑、これで終了となる。長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。