初々しさの匂い立つ、京都・“割烹まつおか”に初見参=京都グルメ(2012.10.7)
京都市東山区松原通大和大路西入ル弓矢町25
075-531-0233
定休日:水曜日
9月の上旬、一年ぶりに割烹まつおかを訪れた。
開店から一年半が経ったお店は盛況で、われわれが入店した6時半頃ですでにカウンターも座敷も満席となった。
板場の人数も、仲居さんの数も増え、お店の勢いが、一歩、お店に足を踏み入れてすぐに伝わって来た。
殊に、松岡君を筆頭に“若い”ということが、層倍にお店の溌溂さを印象づける。われわれ老夫婦も確実に十歳は若返ったと感じるのだから不思議だ。
いま、京都で若手の料理人として注目度を高める松岡秀雄氏の仕切りにも、風格が備わってきている。
そうした“まつおか”で、料理はいつものようにお任せで、まず、八寸からスタート。
次に新鮮な季節のお刺身。やはり、
仕入れが素晴らしい、なかなかに美味である。
さて、そんななか、当夜はいつもと異なる展開が待っていた。というより、家内に言わせると、展開をわたしが作り出したのだという。
カウンター席右隅、わたしの右隣りに若くてチャーミングな女性が独り、ひっそりと坐っておられるではないか。
そこで、料理はにぎやかに愉しむのがモットーのわたしは早速、声をかけさせていただいた。
松本市から来られた方で、忙しい日々を過ごすご自身へのご褒美の旅だという。訊いたら、大変、緊張を強いられるお仕事である。俄然、わたしはホスピタリティーの精神全開となる。
もちろん、こうした会話にはうちの家内も一緒に入っている。これもわが家のモットーである。断じて、ナンパなどという軽佻浮薄な心などこの彦左衛門に微塵もない。
ただ “若い女の人だと、すぐこれなんだから”と、家内の双眸(りょうめ)が笑っていたことも何を隠そう事実である。何事も正直、正直に・・・
そんな楽しい会話のなか、家内がしっかりと岩ガキに目をつけ、注文する。
脂ののった大振りのまさに海のミルクの岩牡蠣は、やはりおいしかった。岩牡蠣はやはり肉厚の大振りのものでないと、本当の旨味はでないのだと思う。
次にグジ(甘鯛)の焼物。脂がのり、皮もカリッと香ばしい。
そして、本日のメインである、鱧の炙り焼きである。
鱧の骨切りの妙技をじっくりと鑑賞。
お隣の女性も興味津々で、松岡君が鱧の骨切り用の包丁の説明をしてくれるなどカウンターと板場の温かな交流も絶好調。
そして、上品な味とあつらえの野菜の煮浸し。
蟹をのせた真薯(しんじょ)もおいしい。
すると、秋刀魚の肝和えが出て来るではないか。この肝和えのタレの写真を撮り忘れたのだが、これがひと工夫、いや、ふた工夫もされた“まつおか”の新しい味である。
“日々、是、進歩” 昔、どこかの予備校でよく目にしたなぁ、この言葉・・・
〆に鱧鮨を家内は注文しておられましたなぁ・・・
わたしはお隣の女性との会話で胸が・・・、いや、お腹が・・・あれっ・・・何しろ、なんだかいっぱいで、もう入りませんでした。
そして黄桃のデザート。
松岡君に、“バーk6”の予約をお願いし、お隣の女性もお誘いし、三人仲良く、いろんな出逢いを演出してくれた・“割烹まつおか”を後にしたのでありました。
いつ上高地の方へいらっしゃる予定でしょうか。
ご連絡いただけたら嬉しいです。
「思い出の朱色」の写真も楽しみに待っていますね。