2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市が東京・イスタンブール間での最終投票の結果、東京に決定した。投票結果は東京が60票、イスタンブールが36票、棄権1であった。

 

日本時間9月8日午前5時21分、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれている国際オリンピック委員会(IOC)総会において、ジャック・ロゲ・IOC会長の口から「TOKYO」と、発表された。

 

折しも、東京には未明より雨が降り出していた。

 

想い起せば、今を去ること49年前の昭和39年10月9日。東京オリンピックの開催前夜、東京の街を豪雨が襲い、開会式当日の天候が危ぶまれたが、10日の朝には東京の空は雲ひとつない日本晴れへと一変していた。

 

オリンピック招致へ向けたこれまでの活動のなかで、眉をひそめる事態も一つや二つではなかったが、東京開催決定を機に、”国際社会へ日本健在なり”を強くアピールできる良き機会を得たことを素直に喜びたい。

 

そして、これからこの閉塞感に満ちた日本上空にまさに日本晴れの空が広がってゆくことを、そして、遅々として進まぬ震災復興が、この明るいニュースにより有形無形の弾みがつき、復興の槌音が高らかに響き渡ってゆくことことを願ってやまない。

 

そして、日本の子供たちが、世界中のトップアスリートたちがこの東京に集い、最高の技を競い合う真摯な姿を間近に見、肌で感じることができる機会を得たことを、本当に喜ばしく思う。

 

2020年、本当の意味での”平和の祭典”にならんことを心から願う。

 

その意味で、平和の祭典招致にかかるIOC総会において、高円宮妃久子さまが、IOCによる東日本大震災の被災地への支援につき衷心よりの謝辞を述べられ、「IOCはオリンピックムーブメントの精神に基づいて何を夢みたらいいかを教えてくれた」と話された意義は大きい。

 

宮内庁の風岡典之長官が2日、高円宮妃久子さまのIOC総会ご出席について、「天皇、皇后両陛下もご案じになっているのではないかと拝察している」と発言したことに、現在の宮内庁のあり方にも多大な疑問を持ったところである。