茅野市北山3419-1・筺0266-68-3273


8月のお盆明け、久方ぶりに白樺高原の御泉水自然園を訪れた帰り、かなり遅めのランチとなった。

御泉水自然園
御泉水自然園

息子夫婦が蕎麦が食べたいというので、女神湖近辺を探すものの準備中などめぼしそうな蕎麦屋へは入れず、仕方なく、大門街道沿いで適当なところへ入ろうと白樺湖へ向かった。


せっかくなのでいつもと違う景色を楽しみながら行こうと、白樺湖南岸コースを回遊した。


池の平ホテル側から湖畔の道へ入り、のんびりと湖の景色を眺めながらドライブ。

白樺湖畔にあります
白樺湖畔道路沿いにある”きみまち庵”

するとこの時間で営業中の蕎麦屋がひとつ、ふたつと出現するではないか。息子夫婦も娘も、もう湖畔の景色などどうでもよい、「おなかが減った!!」との嘆声が上がる。


それでは次に現れる蕎麦屋へ跳び込もうと、もうグルメがどうこうのと御託を述べる暇はない。駐車場のゆったりとした“きみまち庵”なる蕎麦屋へ車を停めた。

きみまち庵の幟が目印
駐車場に入りやすいです

この出合い頭のすばらしき勇断?が、この怖そるべき“ダッタンそば”とのすばらしき遭遇となったのである。

ダッタンそばの看板を掲げる”きみまち庵”
きみまち庵店頭

お店は小体であるが、店内は明るく思った以上にゆったりしている。

真夏の日差しを葭簀で遮る店内
真夏の日差しを葭簀でさえぎるものの、明るい店内

突当りの壁に“ダッタンそば”なる大きく目立つ垂れ幕があった。

明るい店内にダッタンそばの垂れ幕

そこで、“ダッタンそば”についてちょっと学習。

ダッタンそばの説明書き
テーブル上にあります

『「韃靼(だったん)ソバ」とは中国やネパール等の標高の高い地域で主に栽培されているもので、韃靼民族が好んで食していたことからこの名がつけられたとされている。強い苦みを伴うため別名「苦ソバ(にがそば)」とも言われている。信州そばの国だより』のだそうだ。


『 ルチンは穀物ではソバだけに含まれており毛細血管に弾力を持たせ血圧を下げる作用があるとされている。その(ダッタンそばに含まれるルチンの)量はなんと普通ソバの約100倍である。信州そばの国だより』と、効能も素晴らしい。


この“きみまち庵”では、小麦粉2割、ダッタンそば粉8割が、味と香りのバランスが良いということで、いわゆる二八そばを提供しているという。

ダッタンそば
ダッタンそば

さらにダッタンそばが敬遠される由縁となる、苦み、いわゆる“苦(にが)ソバ”の汚名?を返上できる信州長和町産のダッタン蕎麦を使用しているのだそうだ。


要は、栽培方法はよく分らぬが、信州小県(ちいさがた)郡長和(ながわ)町の農事組合法人「信濃霧山ダッタンそば」(児玉和人代表理事)で生産・加工されたダッタン蕎麦は決して苦くないのだそうで、それでいてルチンが120倍〜140倍も含まれ、蕎麦好きには、願ったり叶ったりの蕎麦ということなのである。


実際に、わたしはダッタンそばの盛りそばを注文したが、口に放り込んだ蕎麦が冷水でしめられ腰がしっかりしていることは言うまでもないことだが、苦みというより蕎麦の香りがきっちりと立っていることに驚いた。

ダッタンそばの盛り蕎麦です
ダッタンそばの盛り蕎麦

これには正直ビックリ!! 期待してなかった分の驚きの増幅を差し引いても、ダッタンそばの魅力は、半端でない。次も食したと思ったのだから本物である。お店の方も素直に「うちのダッタン蕎麦は苦みがなく、評判がいいのです」と、笑顔で応えておられた。

コシがしっかりしています
腰がありました。香りが立ってます。

家内や子供たちは“苦み”という言葉に腰が引けたのか、普通そばの“ざるとろろそば”などを頼んでいたが、食すのであれば、ここ“きみまち庵”では、ダッタンそばの“ざるとろろそば”にすべきであった。

普通蕎麦のざるとろろそば
普通そばのざるとろろそば

ダッタンそばの盛りそばをおいしいおいしいと口に頬張り、一人悦に入るわたしを羨ましそうに見ていた愛しい家族たちでありました。


白樺湖といえば、余りに有名な観光地。得てして、そんなにぎやかな場所にはおいしいグルメは期待できぬと勝手に決め込んでいたいたわたしであったが、此の度ばかりは、観光地と侮るなかれ、観光地こそ怖るべしと、わたしの辞書にも追加しておかねばならぬと感じた次第である。


また、時間の具合によっては、“きみまち庵”でダッタンそばを食し、至近の“すずらんの湯”でゆったりと温泉につかってみるのも、これまた一興であることを付言する。