謎めいた経津主神(フツヌシノカミ)を祀る香取神宮をゆく(下)
春日大社をゆく=武甕槌神(タケミカヅチノカミ)・経津主神(フツヌシノカミ)に誘(イザナ)われ
武甕槌神(タケミカヅチノカミ)を祀る鹿島神宮をゆく(上)
武甕槌神(タケミカヅチノカミ)を祀る鹿島神宮をゆく(下)


経津主神(フツヌシノカミ)と武甕槌神(タケミカヅチノカミ)=出雲で国譲りを成した二神の謎”で小難しい話をしたが、いよいよここからは神社巡りである。まず、香取神宮をご案内しよう。

東京から香取神宮へゆくもっとも便利な手段は高速バスの利用である。東京駅八重洲南口から出る東関東高速バス・麻生鉾田8番乗場)に乗って、わずか1時間10分で香取神宮の広い駐車場の前に着く。

八重洲南口高速バス8番乗場

停車場から“歓迎”の大看板が掲げられる参道口までは徒歩1分ほど。

バス停留所から参道入り口を見る

大きな看板をくぐり参道へ入ると、両側に土産物屋や蕎麦屋が10軒ほど並んでいる。

参道両脇には土産物屋や食事処が並ぶ

その門前通りを抜けると、正面に香取神宮と書かれた大きな石標が見える。

工事中の香取神宮二之鳥居

その奥に二之鳥居があるはず・・・え〜っ!!  なんと白い布ですっぽり覆われているではないか。そんな〜

来年の4月15・16日に行なわれる12年に一度の“式年神幸祭”にむけて修復作業中とのこと。 トホホ・・・
*’デー`)


それでもめげずに若葉のまぶしい参道に入ると境内にただよう空気は一変、清浄さを増し、身も心も清められてゆくように感じられたから不思議だ。

新緑萌える参道

先に護国神社と要石、それから奥宮を廻ってゆくことにした。

境内内から二之鳥居の姿が透けて見える

日差しの関係で境内からうっすらとシルエットが透けて見える二之鳥居を過ぎると左手に要石へつづく“要石道”がある。

参道左に奥宮・要石へ向かう要石道

飛び石がおかれた登り路は狭くて歩きづらいが、それは香取神宮が鎮座する標高40mほどの“亀甲山(カメガセヤマ)”へ登る径でもある。

護国神社への参道

途中で視界が開けた場所があり、先ほど歩いてきた門前通りの家並が見下ろせる。

亀甲(カメガセ)山より門前にならぶ土産屋を見下ろす

古代、この辺りから東は霞ヶ浦(霞ヶ浦市)、北西部は印旛沼(八千代、佐倉、成田市)、そして北部の手賀沼(我孫子、柏市)一帯へと深く内海が湾入し、その名を“香取海(カトリノウミ)”と称したというが、この高処に立つとそれが実感できる。


亀甲山の真下に海が迫り、やはり小高い台地に位置する鹿島神宮の地とは“安是(アゼ)の湖”を挟み一衣帯水(13km)の互いに視認できる状況にあった。


太平洋から海路、下総・常陸など東国の地に分け入る要衝の地に、国家鎮護の武神が睨みを利かせていたことになる。

護国神社・要石へ向かう石段

さて最後の石段を上り詰めると、突然、平坦な広場が開ける。

護国神社・左奥に要石

護国神社は亀甲山中腹の静謐の地に鎮まる。

護国神社

その小さな祠の左手奥にパワースポットとしても有名な“要石(カナメイシ)”がある(「香取神宮・パワースポットの凸型“要石”」を参照)。

要石駒札

地上に顕れた部分は何の変哲もない小さな凸石だが、根っこがどこかも分からぬ巨石だという。

要石

鹿島神宮の凹型の要石と地中で繋がっているとの伝承が残る。

鹿島神宮の凹形の要石
鹿島神宮の凹形要石

正面には末社・押手神社がある。

末社・押手神社

そこから経津主神の荒魂(アラミタマ)を御祭神とする奥宮へ向かうのだが、どうも門前のお店の裏側へ逆戻りしている気がする。イヤハヤ・・・ (*´Д`)

左手前:長威斎の墓、正面:奥宮

辿り着いた奥宮は霊気一杯!!(「パワースポット 香取神宮・奥宮には一閃の光芒が差す」を参照)

奥宮の石標と鳥居

香取神宮へ参拝する際には、ぜひ、こちらへの参詣も薦めたい。あなたの何かが変わる・・・

神秘的な奥宮

それから、再度、緩やかに曲がる参道へと戻った。新緑からこぼれる春の光が心地よい。

三之鳥居へ向かう参道

参道が開けた先に堂々たる石造りの三之鳥居が聳え立つ。

三之鳥居

その奥の階段上に丹塗りの総門がまるで地上界を睥睨するかのように威容を誇る。

総門

階段両脇に厳めしい阿吽の狛犬が坐る。

吽形の狛犬   阿形の狛犬

そして重文・総門に近づくにつれその壮麗さに圧倒されることになる。

総門アップ

総門をくぐると正面に手水舎。

手水舎

次に手水舎をいったん左に折れ、一段上がった場所にある境内末社の一群を参拝する。左が市神社・天降神社、右が馬場殿神社である。

左:末社天降・市神社 右:末社馬場殿神社

そこで踵を返して右手に総門を見る。

手水舎より総門と三之鳥居を

まるで総門を額縁にして三之鳥居が納まるようで総門の大きさがさらに実感される瞬間である。