厚い雲におおわれた今日、深大寺へ盛りは今週いっぱいという満開の花を観にいった。
先般、深大寺へ参拝した時に気がついた“なんじゃもんじゃ”という奇妙な名前の木の花がいま満開であるとのNHKの地方ニュースを2日ほど前に観たからである。 とても忙しい家内が今日しか時間がないというので、曇り空で写真撮影にこだわりをもつわたしは、今日の天気はかなり条件は悪いと思ったものの、止むを得ず女房の尻を追っかけて訪ねることにした。 まずは本堂に参拝し家族の健康を祈った後、左手にある“なんじゃもんじゃ”の木の下へ立った。 英語名で“snow white”というそうだが、実際に目で見て、なるほど木の枝に雪が一面に降り積もったように見えたのには驚いた。駐車場のご婦人が教えてくれたのだが、夜にはライトアップされるのだそうで、それはまた一段と美しいのだそうだ。 駒札の説明にあったように日本で自生するのは岐阜県、愛知県、長崎県対馬と不思議な分布になっているのも謎めいている。 この奇妙奇天烈な名前の樹、学名はモクセイ科の“ヒトツバ・タゴ”というのだそうだが、やはり、黄門さまがこの奇妙な花をつけるこの樹の名を訊ねて、村人が「はて、ナンジャモンジャわからんのう」と応えてから、この“なんじゃもんじゃ”という俗称が定着したというほうが、いかにもおかしみに溢れ、好ましい。 “なんじゃもんじゃ”御覧のあと、人影もまばらな門前の憩処・“雀のお宿”で、珈琲で一服。 黒蜜と黄な粉のかかったくず餅が添えられた珈琲に、満足、満足のわたしであった。これもそれも、“なんじゃもんじゃ”さまのお蔭である。