野田内閣が3日、国家公務員の2013年度新規採用人員を政権交代前の09年度(8511人)に比べ56%減の3780人を上限とする方針を閣議決定した。
その閣議前の行政改革実行本部(本部長・首相)では、野田佳彦首相が「大変厳しい決断だったが、行革は不断の努力しかない」と述べる一方、従前より岡田副総理(行改担当)は新規採用数について全体で7割以上の削減を主張していたという。
そうしたなか、結果的には刑務官や海上保安官など削減が治安不安につながる懸念が大きい省庁の大臣らの抵抗もあって「56%削減」ということで決着したとのことである。6割という大幅な新規採用カットである。若者の社会参加の機会を政府自らが率先して奪う閣議決定である。
笑止である!誠に以って笑止である。
政権交代前より6割も削減したのだと胸を張っている野田内閣の姿。
これを笑止と云わずして、世に笑止というものが存在するであろうか。
岡田行革担当副総理が7割以上の削減を当初、主張したというのも、今の若者の就職難、加えて非正規雇用の増加など将来に夢を描けない暗い世相を考えると、この政府は度し難いほどに短絡的であり、国家感、経済の本質を理解せぬ虚仮の集団であると断じざるを得ない。
行政改革に国民が求めるのは、無駄の削減、効率的な行政サービスの提供、公務員の親方日の丸的体質の抜本的改善など、民間企業であれば常識であることを、普通にやって欲しいということである。
財政赤字が巨大化して、このままでは日本国債の価格はギリシャのように暴落してしまうというのであれば、一般企業のようにまずは自らのリストラをメリハリをつけてやるのが筋である。
議員定数の削減、議員歳費カット、国家公務員の人件費カットなどは、民間企業で云えば、役員数の削減、役員報酬カット、従業員給与のカットそして従業員数の削減にあたることで、財務体質改善でまずやるべき策のイロハである。
そして、従業員数の削減は最初にやるのは給与の高い50歳代の者から希望退職者を募り、企業の事業継続の観点からなるべく新人の新規採用数の減少は避けるというのが、一般的常識である。もちろん、民間も景気の好不況で採用数の増減はあるが、こうした6割削減といった事態は、大赤字で抜本的体質改善をはからねばならぬ、または倒産の危機に直面している企業であれば、いくつも過去例があるが、その場合は、前述の役員数や役員報酬の削減や希望退職者の募集などあらゆるリストラ策との合わせ技でやっているのであって、企業の将来を担う若手にリストラのしわ寄せを一方的に行なう企業などない。
当たり前のことだが、今いる従業員だけが生き残って、企業自体の将来が無になる選択肢などないからである。当然過ぎて、こんなことを民間でいちいち説明することなどあり得ない。
そんな国家の将来を任す若者たちの社会参加を閉ざして、公務員人件費の2割削減を達成しようと実績を積み上げているところだとしたら、本当にこの民主党政府は大馬鹿野郎である。
いや、本当に原発事故対応や昨今の増税議論のドタバタを見ていると、国家の将来ビジョンなき“その場その場内閣”というほかない。
国家公務員人件費の2割削減は連合および自治労との本腰を入れた勝負なくして、達成などあり得ぬことは素人にだって分かる。
それを避けに避けて、文句も云えぬ就職希望者の採用数を56%削減する政治など、あまりに姑息で、卑怯このうえなく、若者の範垂れなどととても云えぬ大人、指導者の醜くも愚かな姿である。