あまりにも哀しすぎることの多かった2011年もいつもの年のように大みそかを迎えた。
津波が越えていった石巻の堤防
あの日、この堤防を大津波が越えていった・・・(石巻市・12月23日・撮影者は息子)
3.11の東日本大震災では自然の前では、人間の知恵など何ほどのこともないことを骨の髄から知らされた。

新宿からビルが密集する小さな人の営みを望む
その一方で、東北の被災地の人々のひたむきな姿を目にすることで、人間は悲しみのどん底に落とされようとも、これから将来に横たわる一秒、一秒を拾い集めながら、”生きる”という苦しくつらいけど、”尊厳”という絨毯の敷かれた長い路を歩んでゆく存在であることを知った。

そんな2011年の大みそかに空を見上げた。
2011年大みそかの雲ひとつない青空
そこにはどこまでも、どこまでも、青い、青い・・・空が広がっていた。

そして中天にうっすらと白い昼の月を見つけた。
月齢6.4の月
月齢6.4、もう少しで上弦の月・・・
もう少しで上弦の月なんだ・・・

一秒、一秒、太古から変わらぬ息遣いをしている自然の不敵さを見た。

右に目を移すと、そこにキラキラと耀く太陽があった・・・
まぶしくて直視できない。

そのまぶしさを手に入れようと写真に収めた。
そこには不思議な六つの赫い光輪が太陽を守るかのように取り囲んでいる姿が映っていた
2011年大みそかの太陽
それは、わたしに”まぶしさ”を独り占めさせないかのように見えた。

まぶしい命はひとしく人々の上にそそぐのだと云っているかのように・・・