今年の残暑は厳しかった。

 

お彼岸の中日、お墓参りを午前中にすませ、爽やかな秋を探しに、一路、蓼科を目指した。三連休とお彼岸が重なり、車の出が思った以上に多い。中央高速も藤野インターまで20kmほど渋滞と、久しぶりのノロノロ運転。

 

でも、急ぐ旅でもなし、のんびりと安全運転。当日の天気は雲が多く、秋の陽射しの恵みはない。雨が降らないだけラッキーと思わなければいけない。

 

蓼科に着くと、そこは肌寒さを通り越して、寒ッ! 温度計を見れば、気温は14度。つい2、3日前の30度を超える真夏日にくたびれ果てた老体には殊のほか厳しい秋冷である。ストーブとホットカーペットを点け、何のことはない、暖をとる始末。

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明けて翌日の24日、打って変わって蓼科は絶好の行楽日和。外気温もわずかに肌寒いが程よい爽やかさ。家内にお握りを用意してもらい、娘と3人で近くの大滝にプチ・ハイキングへ出かけた。

 

大滝へゆくのは初めてで、家内の知人から気軽に行けるマイナス・イオン100%の絶好の癒しスポットだと紹介された。

 

プール平の蓼科温泉共同浴場から徒歩約10分という近さに、苔に覆われた原生林や美しい渓流と水量豊富な滝が残っていたとは、正直、ビックリした。


大滝から流れる水量豊富な滝の湯川
原生林
苔に覆われた原生林
水苔

大滝の滝つぼ脇に東屋風の休憩処があった。そこで、早速、お握りと卵焼きと当家ご贔屓の伊藤ハムのポールウインナーをパクパクした。

 


滝つぼに落ち込む瀑布の音がたった3人だけの渓谷に木霊する。
大きな音なのに、逆にこの原生林の静寂が際立つから不思議である。

蓼科大滝

心の奥に散り積もった都会の塵埃がいつしか頭上の爽やかな秋空に放散されてゆくのがわかった。

大滝頭上の秋空


そしていつしか心の中に「優しさ」という秋の“贈り物”がそっと置かれていることに気づいた・・・