1129日、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、参院本会議場で「議会開設120年記念式典」が催された。その式典で国会議員の資格をはく奪すべき二つの事件が起こった。

一つはその式典を欠席した議員たちである。衆参両院の国会議員721人のうち約半数もの議員が欠席していたという事実である。

もう一つは中井洽(ヒロシ)衆院予算委員長が秋篠宮同妃両殿下に対し、「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」とヤジを飛ばしたとの、みんなの党の桜内文城(フミキ)参院議員のblog証言である。民主党は「『立たせていてはご夫妻に失礼ではないか』と言った」と、そのヤジを否定しているものの、釈明はきわめて不自然である。

この二つの事件は、昨今の国会議員の低レベルな資質をいみじくも暴露したものである。

まず、式典欠席についてである。わが国国会の歴史は明治23年に第一回帝国議会が招集されたことを嚆矢とするが、戦後の昭和22520日、第一回国会が開催され、国民主権の下に新たな歴史をスタートさせた。新憲法の下での国会も既に帝国議会時代の57年間を超え63年もの長きにわたる歴史を刻んでいる。

今回の式典は国会自らがその健全なる発展を願い企画・主催したはずである。国会側が来賓として天皇陛下の御臨席を希っておきながら、当事者たる国会議員の半数は欠席をする。誠に無礼であり、非礼この上もない! 

人間としての非常識さも言語道断ではあるが、それ以上に国権の最高機関たる国会に対する敬意の念の欠如に大きな問題がある。すなわち昨今の国会における低レベルな討論?や品性を欠く質疑応答は目を覆わんばかりである。その背景に、式典欠席に何の痛みも感じぬ、国会に敬意を払わぬ国会軽視の存念があるのだと云わざるを得ないのである。

そして、民主党中井洽衆院予算委員長の「早く座れよ」ヤジである。これはとんでもない不敬であることはもちろんだが、国民の代表たる国会議員として失格であると断じざるを得ない。そもそも同議員は、20103月の福島沖地震発生の折に防災担当大臣の任にありながら、ホステスと映画館、整体院、焼き肉店、カラオケをはしごし、その挙句に議員宿舎に連れ込むなど責任感・倫理観の欠如をさらすなどその品格、資質には大きな疑問が呈せられているところである。

わが国憲政史上の節目でもある式典における以上のような実態を見るにつけ、現在の国会のレベルの低さをこれでもかと思い知らされたようで言葉もない。

 

 「現下の内外の諸情勢に思いを致すとき、国会が、国権の最高機関として、国の繁栄と世界の平和のため果たすべき責務は、いよいよ重きを加えていると思います。ここに、関係者一同が、先人の努力をしのぶとともに、決意を新たにして、国民の信頼と期待にこたえることを切に希望します」と述べられた天皇陛下のお言葉を、中井議員並びに欠席した議員らはどう受け止めるのだろうか。襟を正し、謹聴すべきお言葉と、一国民のわたしですら思うところである。

 

「政治は国民のレベルを映す鏡である」という。次の選挙では中井議員は言うまでもなく、万已むを得ぬ事情なく欠席した議員の議席をはく奪せぬことには、わが国国民の見識が問われると云うものである。