ニッコウキスゲの満開は?---蓼科車山肩(2008.7.13)
  ニッコウキスゲ 7月20日七分咲き=車山肩(2008.7.24)

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23日、霧ヶ峰高原のちょっと手前にある車山肩を訪ねた。毎年のことであるが、ニッコウキスゲの群生を楽しむためである。昔はよく知らないが、最近では、周辺の車山や霧ヶ峰高原よりこの車山肩が、もっともニッコウキスゲの群生が美しいからだ。だから、今年もこの時期にやって来た。

 

しかし、山小屋のある前面の高原に咲くニッコウキスゲは本当にパラパラと、緑の葉叢のなかに漸く見つけ出すといった状態である。

 

ニッコウキスゲ開花せず
ニッコウキスゲ開花せず 

 

時期が早過ぎた・・・、いや、遅過ぎた・・・、一瞬、迷った。だが、どうもいつもと様子が違う。よく緑の草原を見ると、ニッコウキスゲの葉はたくさん生えているのである。花芽がまったく付いていないのだ。これでは何日待ったところで、ニッコウキスゲのあの黄色い花にお目にかかることはできない。

 

2010_072510年7月23日蓼科0132
ニッコウキスゲは葉のみで、花芽がひとつもついていない 

 

草原の道を霧ヶ峰高原の方へ少し足を延ばしてみたが、ニッコウキスゲはほんのチラホラと花を咲かしているのみである。仕方がないので、踵を返し、いつも訪ねる山小屋「ころぼっくる」を訪れた。そして、山小屋の主、手塚宗求さんの息子さんに訊ねた。

 

すると、「山小屋を始めて、こんなにニッコウキスゲの花芽が付いていないのは、初めて」と、戸惑いを見せながら語った。

 

やはり、こんなこと、近年の異常気象の影響と言うしかない。

 

この「ころぼっくる」の山小屋は1956年に造られた。54年の歳月という年輪を重ねた山小屋の主が、こんなことは初めてと言う。自然を友にし、自然と語らって来た人の言葉が、ずしりとわたしの心にのしかかってきた。

 

 僅かに咲くニッコウキスゲの黄色い花
僅かに咲くニッコウキスゲの黄色い花

 

果たして来年、ニッコウキスゲのあの独特の濃い黄色い色の群れは、わたしたちの目を楽しませてくれるのだろうか。まことに心配である。