京都市左京区下鴨宮崎町121(下鴨店)

TEL 0757125245

 

 京都在住の知人から大好きな鯖寿しが届いた。


花折鯖寿し
花折のパンフレット
 

 

鯖寿しは京都の名物のひとつであるため、色んなお店で商品化されているが、老舗と称されるお店でも評判ほどの味でない店もあって、なかなか、その選択は難しい。
 

だから、今回、冷蔵で送られてきただけに、贈って頂いた方には大変失礼であったが、大して期待もせずにいた。しかし、その期待は幸いにも見事に裏切られた。


鯖寿し竹皮包
竹の皮に包まれている

鯖寿し
利尻の白板昆布がおいしそう・・・
 

 

 発泡スチロールの箱に入れられ、保冷された鯖寿しは、調理場からそのまま供されたかのようで、脂がのり、しかもしっとりとして新鮮に見えた。利尻産の白板昆布におおわれた肉厚の鯖とむっちりした酢飯が、見た目にも食欲をそそった。

 

 そして大振りに切ってもらった鯖寿しを頬張った。鯖寿し独特の微妙な酸味を利尻昆布の旨味がほどよく和らげた、そのコクのある新鮮な味がまるで京都の街中でいただいているような、そんな気分にさせられ、びっくりした。


分厚い鯖寿し
利尻昆布と肉厚の鯖
 

 

 本当においしくて、私ご推薦の「やました」(中京区木屋町通二条下る上樵木町4913)の「鯖寿し」と、甲乙つけ難いのではないかと思ったので、ここに紹介することにした。

 

 屋号「鯖街道 花折(ハナオレ)」は、旧若狭街道、別名、鯖街道(福井県小浜市―京都市左京区出町柳)の一番の難所といわれた花折(ハナオレ)峠に因んでいる。「花折」というまことに雅な地名は、昔、峠の先の葛川明王院(大津市葛川坊村町)への参拝客が、この峠に植わる淡い黄白色の花をつける櫁(シキミ)を手折り、仏前に供えたことに由来するのだと云う。

 

 旧峠は滋賀県大津市の葛川坂下町と伊香立途中町の境をなす標高591メートルの処にある。その難所から4kmほど下ると京都側へ入る。そして、高野川沿いに大原、宝ヶ池を過ぎて、加茂川と合流する地に建つ下鴨神社脇の鯖街道の終着点、出町柳へと至る。

 

 「鯖街道 京は遠うても 十八里」


磯自慢と花折の鯖寿し
磯自慢と鯖寿し、絶品でした!

磯自慢
別撰本醸造 磯自慢
 

 

 「花折」は、初代三宅長四郎が大正2年、上京区寺町で京料理仕出屋「松長」として創業したのを嚆矢とする。昭和59年に三代目三宅勝が、「鯖街道花折工房」を花折峠に新築移転し、屋号を「鯖街道 花折」と改め、今日に至っている。