昭和26年に復興した今の歌舞伎座が、2013年の春竣工予定で建て替えのため、この4月公演を最後に閉館となった。
私と歌舞伎の出会いは、昭和42年のたぶん第1回の国立劇場での「高校生のための歌舞伎教室」が初めてであったが、歌舞伎座へは大学に入って歌舞伎好きの先輩に誘われて行ったのが最初である。もう、そうとう昔の話になる。
その歌舞伎座も、最近は高齢化の進行から「エレベーターがない」とか、入館してすぐの階段が狭くて危険だ」とか、「座席が狭くて窮屈」とか、色々、文句を言われていたが、いざ、壊されるとなると懐かしく、「その古さがいいのだ」なんて勝手なことを言い出す始末。本当に、人間って勝手な生き物だとつくづく思う。そこで、思い出の為に写真を残しておこうと思い、撮った写真のいくつかを以下にアップする。
晴海方面から
正面玄関から一幕見入口・弁当屋を
一幕見席入口
正面
銀座側から
桟敷席と二階、三階席を
2009年正月、「さよなら公演」スタート
二階席から定式幕を
花道
揚幕
こうして一枚一枚の写真を眺めているうちに、学生時代から時折、通っていた歌舞伎座の一場、一場の情景が、甘酸っぱい思いとともに脳裡をよぎってきた。また、団十郎襲名披露のとき、桟敷席で初めて歌舞伎を観た。四歳になるかならぬかの娘が、分かりもせぬのに、うまいタイミングで拍手をして、「なかなか、こ奴、やるな!」などと親馬鹿ぶりを示したことなど、ふっと思い出した・・・。