今日は尾崎豊の18年目の命日である。

 

昨夜、NHKのBS2で尾崎豊の特集番組を観た、いや、聴いた。

 

 わたしは尾崎の「15の夜」や「17歳の地図」が好きである。仏教で写経というのがある。色々な思いと祈りを込め、お経をただひたすら書き写す。精神を統一し、一心にお経を書き写す作業の中で、自分の心を無にし、浄化してゆく、そんな精神の禊ぎだと理解している。

 


 今日は、26歳で亡くなった尾崎豊の傷つきやすく無垢な魂に少しでも触れられたらと思い、大好きな「17歳の地図」と「15の夜」の歌詞をただ、ひたすら書き写すことにする。


 

17歳の地図

(作詞・作曲:尾崎豊)


十七のしゃがれたブルースを聞きながら/
夢見がちな俺はセンチなため息をついている/たいしていい事あるわけじゃないだろう/一時の笑顔を疲れも知らず探し回ってる/バカ騒ぎしてる 街角の俺達の/かたくなな心と黒い瞳には寂しい影が/喧嘩にナンパ 愚痴でもこぼせば皆同じさ/うずうずした気持ちで踊り続け 汗まみれになれ/くわえ煙草のSeventeen`s map

 

街角では少女が自分を売りながら/あぶく銭のために何でもやってるけど/夢を失い 愛をもて遊ぶ あの子忘れちまった/心をいつでも輝かしてなくちゃならないってことを/少しずつ色んな意味が解りかけてるけど/決して授業で教わったことなんかじゃない/口うるさい大人達のルーズな生活に縛られても/素敵な夢を忘れやしないよ

 

人波の中をかきわけ 壁づたいに歩けば/すみからすみはいつくばり 強く生きなきゃと思うんだ/ちっぽけな俺の心に 空っ風が吹いてくる/歩道橋の上 振り返り 焼けつくような夕陽が/今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ/Seventeen`s map

 

電車の中 押しあう人の背中にいくつものドラマを感じて/親の背中にひたむきさを感じて このごろふと涙流した/半分大人のSeventeen`s map/何のために生きてるのか解らなくなるよ/手を差しのべて おまえを求めないさ この街/どんな生き方になるにしても/自分を捨てやしないよ

 

人波の中をかきわけ 壁づたいに歩けば/しがらみのこの街だから 強く生きなきゃと思うんだ/ちっぽけな俺の心に 空っ風が吹いてくる/歩道橋の上 振り返り 焼けつく様な夕陽が/今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ/Seventeen`s map 


15の夜

(作詞・作曲:尾崎豊)


落書きの教科書と外ばかり見てる俺/
超高層ビルの上の空 届かない夢を見てる/やりばのない気持ちの扉破りたい/校舎の裏 煙草をふかして見つかれば逃げ場もない/しゃがんでかたまり 背を向けながら/心のひとつも解りあえない大人達をにらむ/そして仲間達は今夜家出の計画をたてる/とにかく もう 学校や家には帰りたくない/自分の存在が何なのかさえ 解らず震えている/15の夜/盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま/暗い夜の帳りの中へ/誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に/自由になれた気がした 15の夜

 

冷たい風 冷えた躰 人恋しくて/夢見てるあの娘の家の横を サヨナラつぶやき走り抜ける/闇の中 ぽつんと光る 自動販売機/100円玉で買えるぬくもり 熱い缶コーヒー握りしめ/恋の結末も解らないけど/あの娘と俺は将来さえ ずっと夢に見てる/大人達は心を捨てろ捨てろと言うが 俺はいやなのさ/退屈な授業が俺達の全てならば/なんてちっぽけで なんて意味のない なんて無力な/15の夜/盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま/暗い夜の帳りの中へ/覚えたての煙草をふかし 星空を見つめながら/自由を求め続けた 15の夜

 

盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま/暗い夜の帳りの中へ/誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に/自由になれた気がした 15の夜

 

 私は年齢を重ねるにつれ、人生の意味が自ずと「わかって」来るつもりでいた。しかし、今日、尾崎の歌詞をひと言ひと言、書き写しているうちに、尾崎は「わかる」を「解る」と表現していることに気づいた。

 

 自分は「わかる」ことを、いつしか「分かる」、つまり分別してしまうようになっているのではないかと気づかされた。

 

 そして、研ぎ澄まされた魂は、「なぜだ」「なぜだ」と、まわり中の人や障害物にぶつかり血を流し、真の価値は何だと理解しようと、もがき苦しむものだと、知らされたような気がした。

 

ずっと昔、十代の夜、自分の将来に為すべきことを悶々と、でも一途に考えていた、あの遠い昔、自分は人生を「解ろうと」していたはずだと・・・。

 

合掌