バンクーバー冬季オリンピックもいよいよ終盤。冬季オリンピックの華といわれる女子フィギュアースケートの競技が26日(日本時間)に終了した。韓国のキムヨナ選手と浅田真央選手の闘いが注目された。

 

結果は、キムヨン選手の228.56点の金メダル、浅田真央選手の205.50点の銀メダルに終わった。

 

実況で観ることはできなかったが、夜に録画番組で両人の演技を堪能した。結果を知ったうえでの、観戦であったのでLIVEの緊張感と臨場感がなく、そのお蔭で採点結果についても、うん?という感じは持ったが、キムヨナ選手の流れるようなスケーティングや感情豊かな表現力に素直に素晴らしいと拍手を送った。

 

それと同時に、浅田真央選手もSPでの5点近い差を逆転し、金メダル奪取を目指した2回のトリプルアクセルへの挑戦と成功は、その精神力の強さに加え、高度な技術力を示したもので正直、頭が下がる。

 

両人の試合前、試合後のインタビューなどその態度は、どこかの国の政治家の政治とカネの問題への対応の見苦しさと較べると、その覚悟のあり方において、見習うべき点が多いと感じた。加えて、共に国民を代表する立場にある人間としての格の大きな違いを感じさせられ、情けない気持ちになった。


キムヨナ選手も浅田真央選手も、まだ成人前の19歳である。それをつい忘れてしまうほどに、この両人の勝負に向かう姿勢とその結果を受け入れた毅然とした態度に、頭が下がった。

 

キムヨナ選手の言葉で心に残ったのは、「金メダルを逃した時、その事態を受け入れる心の準備はできている」といった主旨のことを語った試合前の記者会見の言葉である。

浅田真央選手については、試合翌日の「日本に帰って、多くの人にメダルに触ってもらいたい」という主旨の言葉と「また来たい。悔いも残ったし、悔しい思いもある。すごくいい舞台だなと思った」という、明日を見つめる視線の高さと気持ちの切り替えに、脱帽したのである。

 

両名の「いくさ人」としての心映えに、試合での名演技以上に感服したものである。