小沢政治献金疑惑、特捜の隠し球、金沢敬氏が詳細暴露


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日の民主党大会で小沢一郎幹事長は、石川知裕衆院議員ら一連の元秘書逮捕の検察の動きを受けて、「(検察が)意図してかどうか分からないが、わが党の大会の日に合わせたかのような逮捕が行われている。到底このようなやり方を容認できない。私は断固として、このようなやり方、あり方について、毅然として自らの信念を通し、そして、(不当な捜査を行なう検察と)戦っていく決意である」と、今後、検察当局と全面的に対決してゆく覚悟を披歴した。

 

そのような覚悟にある小沢氏に対する鳩山由紀夫首相は、「小沢氏を信じています。どうぞ戦ってください」と同幹事長の検察庁への宣戦布告を容認し、しかも全面的肩入れをするものであった。何せ、あなたを「信じている」から「戦ってください」なのだから。

 

それを耳にした時、多くの人はある種の戸惑いを本能的に覚えたのではなかろうか。だって、総理大臣は検察庁をその一機関として内包する行政府のトップにある人物なのだから。検察庁は必死に巨悪を暴こうと日夜戦っているのだと信じてやるのが、そもそも総理大臣のあるべき、正しい姿なのではないのか。

 

鳩山首相は行政府の最終責任者、もっと言えば、指揮権発動により捜査の中止を命じ得る法務大臣の首のすげ替えが可能な唯一の最高権力者なのである。その最高権力者が、検察批判を目の前で堂々と行なった人物に対し、熱いエールを送るなどもってのほかである。あまりに能天気、不穏当な発言であり、最高権力者としての自分の立ち位置がお分かりになっていない、総理大臣としては不適格だと、残念だが申し上げるしかないのである。

 

それほどに今回の発言、いや失言は重い。この発言は、取りようによっては権力を恣意的に行使する恐ろしさを剥き出しにしたものとも言える。そして、その怖さをどうもご当人が気づかずにいることが、こんな人物に国政を任せてしまった本当の怖さがあると、いまわたしは、胆汁を呑み込むような思いで悔いているのである。