以下に記すのは14日の天皇特例会見にかかる小沢一郎民主党幹事長の記者会見での発言の抜粋である。

 

「何とかという宮内庁の役人(羽毛田信吾宮内庁長官)が、どうだこうだといったそうだが、日本国憲法民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない。どうしても反対なら、辞表を提出した後にいうべきだ。当たり前でしょ、役人なんだもん」

 

「天皇陛下のお体、体調がすぐれないというならば、それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか」

 

天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」

 

天皇陛下国事行為は内閣の助言と承認で行うことだ。それを政治利用だとかいったら天皇陛下、何もできないじゃない。内閣に助言も承認も求めない天皇陛下が勝手にやんの?」

 

 一方で、以下は、天皇陛下がご結婚満50年に際する記者会見(H.21.4.8)でのご発言である。


日本国憲法にある『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴』であるという規定に心を致しつつ、国民の期待にこたえられるよう願ってきました。象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています」

 

「象徴」とはどうあるべきなのかを求道者のように追求してこられた陛下の筆舌に尽くせぬご苦労を思うと、正直、胸が熱くなる。

 

 そのお言葉から窺い知れるご心労を思ったとき、「天皇陛下が勝手にやんの?」という小沢一郎の思い上がりとも取れる無礼なひと言に、「日本国民統合の象徴」に対する尊敬の念の一欠けらも感じられない。逆に権力に驕り高ぶった独裁者の恫喝を聴くようで、とても気分が悪い。そしてこんな為政者を野放しにさせておくのは非常に危険であると強く思った。小沢一郎という人物がとうとうその正体を国民の前に現わしたと言ってよい。恫喝を武器とする独裁者としての素顔を・・・。