「小泉施政5年間の総括◆

小泉首相の国家運営に対する使命感

 

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 7月7日(金)の東京新聞朝刊の二面の囲み記事「帰国後の発射…おれはついてる」を目にして、この「小泉施政5年間の総括」の結論を小泉総理自らが語っているように思えたので、次にその全文を転記する。

 

『小泉首相は六日夜、首相公邸で自民党幹部と会食し、北朝鮮によるミサイル発射に関して「おれはついている。(訪米中のエルビス)プレスリーの邸宅に行ってるときにテポドンを撃たれたら格好悪いだろう。(日本に)帰ってきてからで運がよかった」と述べた。会合には武部勤幹事長、久間章生総務会長らが出席した。』

 

 卒業旅行と揶揄された今回の訪米から7月1日に帰国して、わずか4日後(7月5日)に北朝鮮はテポドン2号を発射、ロシア沖南方200キロの海上に着弾した。合計7発のミサイルが発射された。

 

 それを受けての翌日の夜の会食の発言が、上に引用した東京新聞の記事の内容である。北朝鮮ミサイル問題は徐々にその情報が洩れてきているが、既にひと月ほど前には、ミサイルが複数発発射される可能性が高まったことをキャッチしていたと政府は言う。

 

 であれば、627日に政府専用機で米国へ向けて離陸したときには、緊迫した情勢であることは分かっていての「卒業旅行」であったことになる。そして、メンフィスでのあの醜悪なプレスリーの物真似である。

 

 北朝鮮の挑発や脅しに乗れとは勿論思わない。彼らにそういう計画があることを把握して、訪米を中止することは逆に北朝鮮の思う壺に嵌(はま)ることになるからである。「卒業旅行」は粛々と進められるべきであり、ブッシュ大統領と北朝鮮問題につき膝詰め協議をしたであろうことは、その意味では何ら非難されるものではない。

 

 しかし、六日夜の発言は、小泉首相の国家指導者としての意識に大きな問題があるとして、強烈に非難されるべきだと考えるのである。現在、ミサイルを日本に撃ち込まれた場合、それを迎撃する手段を日本は持たぬ。狂気の独裁者、あるいは軍部の独走により何を起こすか分からぬ北朝鮮である。ミサイルが日本領土に撃ち込まれるというシナリオを、確率は少ないとは云えそれを想定したうえで、その対処を怠らぬのが、国家を指導するものの使命ではないのか。本来であれば、万分の一でも国土飛来の可能性があれば、国民の命を守れぬ状況にあるという一点で、指導者は狂わんばかりに心を砕き次善、三善の措置、準備をとり、命を縮めるようにして必死に国民の為に祈るのではなかろうか。

 

 然るに、ミサイル発射後に口を突いて出たのは、「おれはついている」「格好が悪いだろう」である。気の置けない取り巻きたちとの会食中の発言だけに、本音と軽さがあからさまに表に出て、小泉総理の正体、指導者としての欠陥が浮き彫りになったように思える。一国民としてこの5年もの間、こんな男に日本の舵取りを任せたのかと思うと、本当に悲しくなり、空恐ろしくなるのである。これから、小泉施政を諸々の数字を材料にして客観的な評価を行なっていくことにする。

 

につづく