「共謀罪審議日程の怪」

 

 衆議院法務委員会で共謀罪の審議が四月二十一日に開始、二十八日には採択の予定と報じられている。過去二回の国会ではその内容の問題性から廃案となった法案であるが、今次国会では、メール問題、耐震偽造問題等に国民の目が行ったことから、憲法で保障される思想・表現・結社の自由に関わる重大な法案である「共謀罪」の審議が行なわれることすら国民は知らされていなかった。メディアがこの数日ようやく本件につき報じ出したが、冒頭の日程では具体的な反対や行動は一部の動きに止まらざるを得ない。まさに日弁連などがHPで反対意見を述べてはいるが、それが国民的議論へは到底、達していない。

 

 さらに、奇妙なことにこの審議日程に合わせるようにして、長く拘留中であったホリエモンの保釈が、この法案採択の二十八日にも行なわれる、そしてその前日の二十七日には長く放置されていた耐震強度偽造事件に関係する姉歯容疑者・木村建設元社長など八名の逮捕が実施された。まるで、共謀罪に国民の目を向けさせまいとするかのように、この連日の目まぐるしい検察や法曹界の動きは、私の目に不可解に映る。事件の真中にいると噂されるヒューザーの小嶋社長、総研の内河社長の名前が偽造事件逮捕者の中になかったことも、今後のこの共謀罪審議の動向如何での隠し球として、いや目くらましの術に使う用として温存しているのではと勘繰りたくもなる。そして拉致被害者家族の横田滋、早紀江夫妻らとブッシュ米大統領との面談が二十八日に急遽セットされたことまでもがそのタイミングのよさに何か裏でもあるのではないかと思いたくなる。

 

 それほどに、この諸々の事件の動きと共謀罪の審議日程がぴったり平仄が合っているようで、気味が悪い。審議入りの二十一日(と言っても当日は開会のセレモニー程度)は金曜日で、土日が休みで実質審議は月曜日の二十四日から。

 

 日曜日朝に目白押しの報道番組が事前に取り扱うにも共謀罪の衆議院法務委員会での採択までは、実は二十三日の日曜日のみで、問題点等の洗い出しや一般的な議論が国民の目に触れる時間を最小限に抑えた巧妙な戦術としか思えぬ日程の組み方である。現に、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」いわゆる「共謀罪」についてほとんどの国民は、どんな問題がこの法案に潜んでいるのかまったく感知しないまま、法案の成立をただ呆然と見守るしかない状態に置かれてしまっている。

 

 国会審議日程と検察など権力側のこの数日間に焦点を合わせたような捜査スケジュールに私は猛烈な不自然さとそこに潜む権力という暗黒の眼が狙いすましている意思に背筋がすっと寒くなる気がするのである。怖い!