IAEAのエルバラダイ事務局長は10月16日ウィーンで、北朝鮮の核実験発表を受けて、核保有国拡大の懸念を以下のように表明した。記事内容を以下の【 】内に転記する。
(2006.10.17 Web posted at: 12:58 JST- CNN/AP)
【ウィーン──国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は16日、「非常に短期間」に核兵器を製造する能力を持つ国が近く30カ国増加し、既に核兵器を保有している国、もしくはその疑いが指摘されている9カ国に加わる恐れがあると指摘した。
エルバラダイ事務局長は核拡散防止強化に向けた会議で、平和利用ながら核兵器生産に即時転用可能な技術を開発する「両面作戦」を取る国が増えていると指摘し、こうした国々を「仮想新規核兵器保有国」と位置づけた。
具体的な国名は挙げられていないが、核開発で強硬姿勢を示しているイランや、ウラン濃縮能力を開発中のブラジル、発電目的で濃縮計画を検討中のオーストラリアやアルゼンチン、南アフリカなどを指すとみられる。核兵器製造に転用できるウランの生産手段を保有していたり、核技術開発能力などを備えている国・地域には、カナダやドイツ、スウェーデン、ベルギー、スイス、台湾、スペイン、ハンガリー、チェコ、スロバキア、リトアニアがあるが、全て非核国で核兵器開発の意向は示していない。また、将来的に核開発を検討している国には、エジプトやバングラデシュ、ガーナ、インドネシア、ヨルダン、ナミビア、モルドバ、ナイジェリア、ポーランド、タイ、トルコ、ベトナム、イエメンがある。
これまでに核兵器保有を公言したのは、米国とロシア、中国、フランス、英国の5カ国。また、核兵器保有が判明しているか、その疑いが指摘されれている国には、インドとパキスタン、イスラエル、北朝鮮がある。
日本は核兵器を開発する計画はないとしているが、放射性廃棄物からプルトニウムを生産する能力を備えている。また、韓国は数年前、無申告で小規模な核実験を実施した。】
エルバラダイ事務局長のいう「仮想新規核兵器保有国」の予想される顔ぶれを見て欲しい。オーストラリア、台湾、タイ・・・、日本はぐるりと核保有国に取り囲まれる懸念が高いということである。そのとき、われわれはどう国防を担保するのか。究極の判断を迫られようとしている。
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