憲法69条、70条による総辞職でなくとも、総辞職した内閣は、新たな内閣総理大臣が任命されるまで、実は、「職務執行内閣」として引き続きその職務を担っている。

 

そこで、この「職務執行内閣」はいつまでその効力を有するのかということが、気になった。

 なぜなら、4日に首班指名を受けた菅直人首班が、8日まで組閣を伸ばしたいと、土日の休暇に入ってしまったことに、不安を感じたからだ。 


 どうも、新総理大臣の任命、すなわち天皇陛下による親任式までということになるようだ。天皇の任命で菅直人議員が内閣総理大臣になるということなので、今日現在は、総理大臣は鳩山由紀夫である。

 

しかし実際には、64日の閣議決定で鳩山内閣は総辞職した。そして、即日、国会にて首班指名がなされた。そこまでは、いい。

 

そして当然だが、本来は即時に組閣作業に入り、内閣総辞職した当日中に天皇に親任され新内閣が発足するのが、通常の流れである。国政に空白を作ってはならぬからである。

 

ところが、菅直人議員は国政に空白の時間を作る怖さを知らぬようである。現在の朝鮮半島情勢、ギリシャ発のEU経済の混乱、リーマンショックからの熾き火のような金融危機の揺り返しなど、日本のめぐる政治・経済環境は待ったなしである。

 

日常的な業務遂行を主として想定した「職務執行内閣」。しかも総辞職をして「今日の天気のようにスッキリしている」などと、もう責任はないと言っている能天気で無責任な前総理大臣が、8日まで、この国にいったん事が起こった場合、的確な判断や機動的な指示ができるのだろうか。しかも総辞職によって緊張感をなくした前閣僚が、即座に機能するのだろうか。大きな疑問である。

 

政治空白とはかように怖いものである。菅直人という新たな内閣総理大臣は、「この土日、ゆっくり頭を休めて」などと能天気なことを言ったが、世界は日本の事情で動いてくれはしない。

 

今日、何かがあったとしたら。本当に背筋が冷たくなる・・・。
 

こんな無責任な状況を作り出し、放置する政治姿勢など許せぬと、心の底から怒りがこみ上げてくる。

 組閣に思いのほか手間取り、首班指名から日を越えることはあるかも知れぬ。しかし、「土日ゆっくり休んで」などというのは聞いたことがないし、そのこと自体、菅直人という人物は総理の資質を欠き、国政を担うということが、どのような重い責任を負うのかも、本心のところ分かっていないのではないかと考えざるを得ない。

 

今日にでも組閣を急ぐべきである。それが政治の最低限の責務であると考える。