福田康夫総理、退陣表明=本音は「もうやってらんね〜!」

 昨年の912日、国民は一国の総理大臣が突然、政権を放り出すという驚くべき光景を見せられた。それから約一年後、再び同じ光景を見せつけられるとは夢にも思わなかった。

 

 国民の政治に対する「信頼の失墜、ここに極まれり」というとこだ。そして、国際社会の日本を見る目は明らかに、この国の幼稚な政治の成熟度に驚き、侮(あなど)ることになろう。議会制民主政治を採る国家として、恥ずかしさを通り越し、もう国際社会の責任ある一員としての資格すら失ったのではないかと、われわれ国民もそうした議員、政党に政権を任せたものとしてただただ自嘲するしかない。

 

 それほどに今回の辞任劇の影響は大きい。福田総理は安倍内閣退陣の理由とは異なると強弁するが、我が国におよぼしたマイナスの影響は、理由のいかんに拘わらず、今回の方が格段に大きい。

 

 なぜなら、福田康夫氏は派手さはないが、地道に政策を推し進めてゆく忍耐力と知恵を有していると考えていたからである。玄人筋に受けがよかったのも、そういう福田氏の人柄と大人の政治力を評価してのものであったと思われる。

 

 しかし、91日の「防災の日」は、国民にとって「災害の日」へと一挙に変貌した。912日に臨時国会を召集することが決まった矢先の退陣表明である。81日に大幅な内閣改造に踏み切り、さぁこれからというときの退陣である。

 

「君子豹変す」とは言うものの、さすがにこれは福田さん、あまりに無体じゃありませんか。大人の政治家と思っていたわたしが馬鹿だったと言えば、それまでだが・・・。

 

 福田内閣発足後の民主党小沢一郎代表との大連立構想の頓挫にはじまり、その後の民主党の国会運営の非協力的姿勢への転換、ことさらの対決姿勢の堅持。公明党の与党病からくる大局を見据えぬ政策と無理筋の横やり。そうした国会運営へのいらだちと、法案審議の遅れからの政権担当者としての責任感から来る焦慮感は想像に難くない。ただ、そうした事情を200%斟酌したとしても、それでも福田さん、今度のことは、そりゃないでしょ!

 

 福田総理のあとを誰が襲うのかはわからぬが、自民・公明政権は、安倍・福田・今度の総理と、3代続けて国民の審判を得ずして政権運営に当たることになる。これは、議院内閣制をとる政道の根本に鑑みて、絶対におかしい。

 

 総選挙で政治の空白を作る時間的余裕はないというのは詭弁である。筋から言って、福田総理は解散に打って出て、国民の審判を仰ぎ、政権を民主党に譲れと国民が判断すれば、それに従うのが議院内閣制の筋と言うものであろう。逆に国民が福田、お前もう一度やれと言えば、ねじれ国会と言っても、直近の民意は自民党に政権を付託したのだから、国会運営で民主党はこれまでのような審議拒否はしづらい状況に陥ったはずである。

 

 なぜ、堂々と民意を問わないのか。与党で衆議院の2/3の議席確保が崩れるのが怖いのか。あまりにもその腰の引けた政治姿勢は情けない。国民は筋を通す政治家を求めているのだということを、永田町の人間は分かってほしい。とくに福田総理はそうしたことが少しは分かっていると思っていただけに、裏切られた思いは、安倍前総理のときよりも数段強いものとなっているのである。

 

 次期総理は速やかに解散総選挙を行い、国民の審判を経て、政権の正統性を確立すべきである。福田さん、「もうやってらんね〜!」は、一国の総理は絶対、思ってはみても、行動に出すのは、無責任以外のなにものでもないということだけは分かってもらわないと、オイラの腹の虫はおさまらね〜!

 

 

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