鳩山さん、あんたが先に辞めるべき=「原点を忘れたら政治家を辞めた方が良い」(2011.12.25)
民主党の常軌を逸した環境アセス評価書の未明搬入に政権運営の正当性はない(2011.12.29)
民主党幹事長室
田中聡沖縄防衛局長が11月28日夜、那覇市内の居酒屋で県内報道機関約10社を前にして鬼畜生の言を吐いた。
米軍普天間飛行場移設に向けた環境影響評価書の提出時期に関するやりとりのなかで、その時期を一川保夫防衛相がはっきり明示しないことを例えての言である。
「女性を犯す前にこれから犯しますよと言うか」
ここに記述するのに躊躇する外道畜生の言であるが、この非道を忘れぬため敢えてここに記しておく。
そもそも民主党政治の沖縄問題への姿勢は、2009年7月の「県外移設に県民の気持ちが一つならば、最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」とする鳩山由紀夫民主党代表(当時)のいわゆる「最低でも県外」発言に端を発する。
その後、“県外移転”を巡って繰り返されたその場しのぎの不実な対応が、基地撤去へ向け期待感を膨らませる沖縄県民の心をいたずらに弄(モテアソ)び、傷つけ、そして激越な怒りを買った。
鳩山由紀夫元首相、菅直人前首相の辺野古移設へ向けた頭ごなしの日米合意、それに続く野田佳彦首相の環境影響評価書の年内提出という県民の意思を踏みにじるようなやり口は、沖縄県民の長年にわたる被差別意識をえぐり出し、基地撤去への焦がれるような渇望感を根っこからぶち壊した。
こうした沖縄問題に限らず数々のマニファスト違反を見れば、“国民の心に寄り添う”、“正心誠意”を標榜する民主党政治の本質が、地道な活動や自ら汗をかかぬ口先だけのまやかし体質であることは既に明らかである。
議員定数削減ひとつとっても、マニフェストに謳う“衆議院の議員定数削減80名”法案をさっさと提出すべきである。衆議院での可決は民主党の現有議席であればゆうに可能である。既に先の総選挙に関する最高裁違憲判決が、2011年3月23日に下っており、小選挙区の定数見直しは必須の状況なのだから。それと併せての議員定数削減は立法府ならびに行政府としては最も急がねばならぬ政治課題のはずである。しかし、それすら四の五の言って手をつけぬ。国民を愚弄し、見くびっているとしか言えぬ所業である。
こちらも怒りで頭が混乱し、つい筆があっちこっちへ飛んでしまう。沖縄問題に話を戻そう。
仲井真弘多(ヒロカズ)沖縄県知事と玄葉光一郎外務大臣(11月26日)、一川防衛相(12月2日)の会談で目にした光景は、沖縄の怒りがすでに憤怒というより激昂を通り越した“理解されぬことへの悲しみ”の深さを如実に語るものであった。
玄葉外相は「(辺野古移設に)理解が得られるように誠心誠意、頑張っていきたいと、そう考えております・・、あの〜、今後とも・・・」と言いかけた。仲井真知事はそれを遮り、「そこの点は意見が違いますが、まぁ、きょうはここだけにしときましょう」と話を途絶させた。
一川防衛相は「本日は、本当にわたし自身、心から、知事さんをはじめ、沖縄県民の皆さん方におわびを申し上げたい」と謝罪したのに対し、知事は「県民の尊厳というか、気持ちをかなり深く傷つけているという点でもですね、極めて極めて遺憾だとしか、実は申し上げようがありません」と強い口調で述べ、話を打ち切り、会談を終了させた。
それは、これまで政治の要諦を了解し平衡感覚に優れる現実主義者であった同知事が、“誠心誠意お話をし、辺野古移設を理解いただく”という民主党政治の一片の行動も伴わぬ“虚言”、“欺瞞”で耳を汚すのはもはや限界であり、不快極まると国民の前で面罵したのである。
沖縄(ウチナンチュ)と本土(ヤマトンチュ)という沖縄問題の根底に横たわるそもそもの宿痾(シュクア)の瘡蓋(カサブタ)を、民主党政治の不実が引っ剥がし、傷口を広げ恢復不可能なレベルにまで悪化させてしまったといえる。
11月1日、鳩山元首相は五輪誘致の超党派議員連盟の会長に就任した。しかし、この男がなさねばならぬ唯一のことは、自ら口に出した“議員辞職”をし、沖縄に居を移したうえで、基地の県外移設、国外移設に向け一人の人間として、生ある限り、地道に活動を続けてゆくことなのではないのか。
なすべき誘致活動は、“五輪誘致”などではなく、最低でも沖縄以外の都道府県への米軍基地移設運動であり、国外、就中、米国内への基地撤収運動なのではないのか。
普通の人間でも自分の言ったことを軽々にそれも繰り返し引っ繰り返す人間は誰からも信用されないし、相手にされない。次回総選挙でこの男が万が一当選するようなことがあれば、当該選挙区の選挙民は鳩山同様に沖縄県民の心を踏みにじったのも同様であると云うしかない。
そして菅前首相も税金を使ったSP付きの遍路をするのであれば、同様に議員辞職し、沖縄の地を県民に石をぶつけられながらでも、口先だけで何もなさなかった不実を謝罪しながら遍路するといった日々を続けるべきではないか。
そんな大罪を民主党政治はこの二年間という短い間に犯したのである。
敢えて記す。
「女性を犯す前にこれから犯しますよと言うか」
民主党は、政権を取るため国民を欺くという「大罪を犯す前に」、わざわざ「これから国民を騙しますよと言うか」と、田中沖縄防衛局長と同様の鬼畜生の言動を取り続けているのである。
沖縄県民の怒りや如何。国民の怒りや如何。
沖縄県民の悲しみや如何。国民の悲しみや如何。
慨嘆あるのみである。