伊豆・稲取の「雛のつるし飾りまつり」を楽しんだ
天城山隧道越えで「河津七滝」をめぐる
一足も二足も早い、花見に行って来た。伊豆の河津桜である。
河津桜は沖縄や台湾など南方地域で目にする寒緋(かんひ)桜と伊豆大島に自生する早咲きの大島桜との自然交配種ではないかと見られている。南方や温暖な地のDNAを抱えているからだろう、こんなに早く花が咲き、桜好きの日本人の目を楽しませてくれる。
沖縄・今帰仁(ナキジン)城の寒緋桜
(2007年3月24日撮影・花は既に落ち、葉桜に)
花の色はソメイヨシノなどの淡いさくら色より濃いのが特色であるが、桃の花までは色がきつくない。そして花弁は当然だが正真正銘の桜の花びらの形をしている。
河津役場のHPに河津桜の由来が次のように書かれている。
「河津桜の原木は、河津町田中の飯田勝美氏(故人)が昭和30年頃の2月のある日に河津川沿いの冬枯れの雑草の中で芽吹いている桜の苗を見つけて、現在地(飯田邸)に植えたものです。昭和41年から開花が見られ1月下旬頃から1ヶ月にわたり咲き続けました。この桜は、河津町に原木があることから、昭和49年に河津桜と命名され、昭和50年に河津町の木に指定されました。」
飯田邸前に植わる河津桜の原木
そして、その原木は現在、「樹齢約50年・樹高約10m、樹巾約10m、幹周約115cm」に達しているとのことで、その日も飯田邸の前には観光客がひっきりなしに訪れ、8分咲きの原木の下で記念写真を撮っていた。
例年であれば満開の時期を狙って河津の峰温泉に宿を予約し、一足先の花見と洒落こんだが、今年はやはり直前の降雪や天候不順の影響で、開花が一週間ほど遅れ、われわれ家族が訪れた20日過ぎはまだ4分咲き、5分咲きの状態であった。
しかし、河津川の清流を挟んで川沿いに連なる桜並木は観光客の心と目を暖かな桃色に染めてくれた。
さらに頭上を仰ぎみると如月の真っ青な空をキャンバスに花びら模様に桃色の絵具を置いていったそのコントラストは見事であった。
また、夜はその開放的な鮮やかさとは一転して、黄色燈でライトアップされた桜花のトンネルが美しくも幻想的であった。
河津川のせせらぎの音に紛れて、桜の精がわたしの真横をさ〜っと駆け抜けていったように思えた。
刹那ではあったが確かに首筋から右腕にかけてヒンヤリとした霊気のようなものを感じたのだから・・・