俵屋吉富の「雲龍」――旅人の見た京都の御菓子 

京都グルメ

 

住所:上京区烏丸通上立売上ル

電話:075-432-3101

定休日:毎水曜日

 

 室町通にある本店の裏側と言ってはなんだが、道幅の広い烏丸通に面した俵屋吉富(京菓子司)烏丸店にゆき、お目当ての「雲龍」を手に入れた。

 

俵屋吉冨表看板

小豆色の暖簾

初春の飾り

 

 

 

 

 

 

  

 ここも同行のひとりが是非とも雲龍を求めたいと言うので、わたしもお相伴したのである。「俵屋吉富」は宝暦5年、う〜ん、西暦でいうと1755年だそうだ。今から254年前、いや赤穂浪士の討ち入りから52年後と言う方が近い、そんな時代に創業という京菓子のほんまもんの老舗である。

 

 「雲龍」は俵屋吉富を代表する京菓子で、丹波大納言小豆製の粒餡を蒸しそぼろ状にしたいわゆる村雨で巻いた棹菓子である。会社沿革によれば、「雲龍」は当店7代目の石原留次郎が相国寺法堂の天井に描かれた「鳴き龍」、別名「八方睨みの龍」の画(狩野洞春作)を見て、そのたくましさ雄々しさに打たれて、大正7年に創作した菓子とある。そしてこの銘菓に「雲龍」と命名したのは相国寺の故山崎大耕老師とのことである。なお現在のご当主石原義清氏は9代目に当たる。

 

緋毛氈と雅な画

雲龍縁の歌

雲龍各種

 

 

 


 

 

 

 

 まずはオーソドックスにわたしは「雲龍」を求め(他に白雲龍・黒糖雲龍・龍鳳・龍翔がある)、食した。丹波大納言の餡とロールカステラ状の村雨がない交ぜになった、しかもしっとり、もっちりした食感は上品で絶妙であった。一度、お求めになられてはいかが・・・。

 

雲龍包装

雲龍

雲龍切口