5月18日の日曜日、久しぶりにグループホームから帰ってきた娘と一緒に、いま盛りだというポピーを見に立川の昭和記念公園を訪れた。
いま、ポピーが見ごろだと家内がいうので、出不精のわたしと娘に、「お天気もいいし、その下で食べるソフトクリームはおいしいわよ」との、まさに甘言につられて、三人で出かけた。
立川口から入場したが、ここからの景色はいつも素晴らしい。
カナールといって、英語のCANALは運河を意味するが、造園用語では“静水をたたえた水路のことだそうで、ヨーロッパの整形庭園で大いに発達し、フランスのヴェルサイユ宮苑の十字形のグラン・カナールが有名”とのこと。
そこを過ぎて広々とした“みんなの原っぱ”へ向かうと、その入口付近で、“第10回ドッグランフェスタ”が催されていた。
たくさんの大人たちが芝生の上でご自慢の愛犬と戯れる姿につい笑みがこぼれた。
その“みんなの原っぱ”の西側・“原っぱ西花畑”には、5月上旬まで見頃と案内されていた“アイスランドポピー”がまだたくさん花を咲かせていた。
黄色、オレンジ、白といった色とりどりポピーが一面に咲く様は見事である。
オレンジのポピーが生き生きとしていた。きれいである。
青い空の下に色鮮やかな花の絨毯を無造作に広げているようで、とても贅沢な気分になった。
原っぱを斜めに横切り、もう一つのポピーの花壇・花の丘へ向かう。
膝に優しい芝生の上を歩きながら四方に目をやると、家族連れや若い仲間たちが思い思いに、五月晴れの休日を楽しんでいた。
凧揚げに興じる家族も数組いたが、広大な原っぱである。糸が交錯し、こんがらがるような光景は見当たらない。なんとも気持ちのよい景色である。
そして、お目当てのシャーレーポピーが咲き誇っている花の丘へ到着。
丘の斜面一面に真っ赤なシャーレーポピーが敷き詰められるようにして、満開の花を見せている。
青い空に赤いポピー。
道沿いの人々はそこここで記念写真や芸術写真を撮ることに余念がない。
花の丘に植わるポピーの間に細い道が設けられているが、そこを歩く人々は花の海をかき分けて泳いでいるようにも見えた。
こちらも、ちょっとアーティスティックな写真を・・・
まぁ、周り中、即席玄人カメラマンだらけなのであります・・・
やや強い日差しの当日、5月の風がとてもさわやかで気持ちがよく、思いっきり背伸びをし、空を見上げる。新緑と青い空。わたしの大好きな景色である。
それから“こもれびの丘”の樹林の細い径をそぞろ歩いて、休憩所へ向かう。お約束のソフトクリームのお時間が来ていたのです。
娘に「ソフトへ突撃だ〜」と声をかけると、それまでのトボトボとした歩調に活気が戻ったようで、木漏れ日が落ちる径をしっかりとした歩幅で踏みしめ始めたのだから、ソフトクリーム!怖るべしである。
“こもれびの丘”を抜けたところの“森の家”で、わたしは懐かしいきゅっと冷えたラムネを、ダイエットにいそしむ娘は念願のソフトを家内とシェアしていただきました。
そして、軟弱二人組は、ここから立川口まで歩いて戻るのは苦しいと山ガールもどきの家内に嘆願し、園内を走る”パークトレイン”に乗せていただきました。
出口まで5月のそよ風に頬をなぶらせながら、気持ちよくこのポピーを愛でるプチ・ハイキングを終えることが出来たのであります。
そんなこんなで、5月の休日、安上がりで贅沢な時間を過ごしました。