2014年のGW後半を蓼科で過ごした。混雑を避け、5月2日に蓼科へ向かった。
中央道の諏訪南ICを降り、八ヶ岳エコーラインを走る。
車窓にはいつもの八ヶ岳山麓ののびやかな風景が流れてゆく。
そしてこの日も蓼科山がいつものように嫋(たお)やかな山容を見せていた。
標高1600mにある別荘へ到着。ここらの樹林には萌え立つような新緑の色合いは訪れていない。遠くに見える八ヶ岳の峰々にはまだ冠雪が残る。
五月というのに、まだ、大気に春のぬくもりは微塵も感じられない。麓の市街地と季節の味わいは大きく異なる。
つい10日ほど前に訪れた際、春爛漫の諏訪湖畔でうららかな一日を過ごしたのが嘘のようである。
夕刻、遠くに八ヶ岳の峰々を遠くに見ながら家の周辺を散策。
近くに蓼科山のまん丸な頂きが見える。
鳥の鳴き声が時折、聴こえるものの、生き物がその気配を消し去る“仮死の季節”に、闖入者のようにして足音を忍ばせ、彷徨する。
傾斜地に建つ別荘にもどり、ベランダから庭を見下ろす。
まだ、わが家の庭にも春は訪れていない。
5月6日、朝早くといっても8時に別荘を後にする。この日は靄がかかり、見通しが悪かったが、アプローチの径の頭上にかかる枝をふと見上げると、そこに、春の訪れを告げる小さな芽吹きが見えた。
標高1600mの蓼科の春はとても遅いが、だが、確実に近づいてきているのだと知った。
Uターンラッシュが懸念されたGW最終日の5月6日、午後11時前には国立府中ICを降りることができた。途中、小仏トンネルを先頭に10kmの渋滞があったのみで、きわめてスムースなドライブであった。