平戸市戸石川町長者原178−1
電話:0950−21−8811
彩月庵は平戸大橋をわたり国道383号線から県道19号線を経由し約3km、川内峠へあと数分の中腹に位置する部屋数10室の小さな宿である。
彩月庵入口案内
当日は昼過ぎからの雨の中、夕刻の5時過ぎに彩月庵に到着した。宿の前にはゆったりとした駐車スペースがあるのだが、激しい雨である。宿の屋根のあるアプローチまでのわずかなアプローチをどうしようかと思案する間もなく、すぐに仲居さんと若い衆が大きな傘を手に車まで駆けつけてくれた。ドアを開け、大きな傘を差し掛けてくれ濡れることなく入館。めでたし!メデタシ!
大きな傘でお出迎え
エントランスで梅昆布茶のサービスを受けた後、屋根つきの通路を案内され、部屋へ向かった。各部屋に玄関が設けられ、独立性の高い造りになっているのには驚いた。
この通路の右手側に各お部屋がある
引き戸を引きそこで靴を脱ぐ。どこか料亭でも訪れているような錯覚を覚えた。
二間続きの部屋で、南蛮風いや中華風だろうか奥の8畳の和室の窓際に鮮やかな朱色の腰掛けが置かれているのが印象的であった。
この八畳間でお食事をいただきます
そして、仲居さんがお部屋の案内の最後に満を持するようにして開いたドアの向こうに・・・
何と岩風呂風の温泉があって、われわれは仲居さんの期待に応えて「すご〜い!!」。
そう言えば予約する際に、「ここは部屋ごとの温泉で大浴場がないんだ。変わってておもしろいね」と家内と話したことをすっかり忘れていたのだ。
食事はお部屋で摂るというので、女性陣が先に温泉へ入ることになった。窓から平戸大橋も見えるのだろうか、「わぁ〜!」とか何たらまぁ、楽しそうであった。
正面に朱色の平戸大橋
わたしもひと風呂浴びて、ゆっくりした。風呂は清潔で天気が良い時は素晴らしい見晴らしなのだろう(実際に翌朝、朝風呂に入った女性陣は朱色の平戸大橋を見降ろしてキレイ!と叫んでいた)。ベランダからは最教寺霊宝館の朱色の塔も見え、まさに眺望は抜群である。もう少し天気がよければなぁ〜、もっと最高だったのに・・・
中央左に朱色の最教寺霊宝館の塔が見える
そして頃合いでも計っていたのだろうか、ちょうど浴衣に着替え終わったときに、「お食事の用意をさせていただきます!」と、声がかかった。
さぁ、お目当ての晩餐だ〜!!
あとは冷えたビールに始まり、地酒の説明を聴き、その名も目出度い「福鶴」を注文。
福鶴、おいしかったな!
料理は新鮮な魚介類を中心に当地自慢の「平戸和牛」も洋皿として付けられた献立であった。表に「卯月」と書かれた当日の「おしながき」は下の写真の通り。
当夜は今が旬の平戸名物「ヒラメの活造り」を予約時に別途、お願いしていた。
天然ひらめの活造り
志々岐灘の強い海流にもまれたヒラメの身は艶やかに引き締まり、美味であったことはもちろん、縁側のコリコリ感は今も忘れることができない。
このエンガワは絶品でした!!
そして旬菜、先付から始まった食事の量は十分過ぎるほどであった。
潮の香の漂う青佐海苔の澄ましは、港町にやって来たのだと教えてくれるこれも優れものであった。
材料は地元尽くしで、新鮮、味付けも上品で盛り付けも美しい。
料理に目のない旅人には堪らない旅亭である。
宿から数分で川内峠です
川内峠に数分の場所で景色最高、料理も申し分なく、温泉の一人占めと、まぁ、平戸へゆく機会があったら、このこぢんまりとした「彩月庵」も一興だと思う。
一度、南蛮の風の吹く平戸の街を散策されてみたらいかがであろう。