民主党の小沢一郎代表が5月11日に西松建設の政治資金問題を理由に辞任表明をした。その後継代表を選ぶ選挙が16日(土)に行われる。あわただしい党代表の決定スケジュールであるが、次の総選挙の顔であり、しかも次の日本の総理大臣を選ぶ選挙でもあるかもしれない。
その意味で、今回の民主党代表選挙の注目度は極めて高いし、われわれも鳩山由紀夫(幹事長)衆議院議員、岡田克也(副代表)衆議院議員両立候補者のどちらが日本のリーダーとしてふさわしいのかをしっかりと見極める必要がある。
結論から言えば、この閉塞感の立ち込める社会を「チェンジ」させるには、従来、気まじめ過ぎる、融通が利かないといった柔軟性に欠けるとの評価が多かった岡田克也副代表が、この両日のTV朝日(報道ステーション)、NHK(ニュース9)に出演し、代表選出馬の決意を述べた内容を聞き、リーダーとしてその政治姿勢の清廉さとこの4年間で政治家としての勉強を一段と深め、一皮むけたと感じ、この人しかないのだと感じた。これは画面を通じての印象でしかないが、人間の大きさもひとまわり大きくなり、懐の深さも大きくなったと感じたものである。
折しも鴻池官房副長官がJRの無料パスを使用し、夫人以外の女性とゴルフ旅行にしけこむなどという公私混同も甚だしい醜聞が報道されたばかりである。
国民はこうした語るのも恥ずかしい事例に顕著に顕われた権力の密汁にどっぷりとつかった腐敗に辟易としている。そしてそうした国民の怒りに不感症になった与党自民党には、どうしても政権の座を降りてもらうしかないと強く感じたところである。
そうした政治環境のなかで小沢民主党の幹事長として脇を固めてきた鳩山氏では、その予想される路線には申訳ないが清新さは期待されず、政権奪取後の政権運営にも小沢氏の影がつきまとう気がして仕方がない。どうしても灰色の色彩がちらついて仕方がないのである。
だからこそ、若くて気まじめで、その顔つきから溢れる不正を許さぬ気骨、そしてどこか力強さを増した岡田克也議員にこれからの日本のリーダーを託してみたいと感じたのである。
この人にかけてみたい、そう思わせる真面目な政治姿勢をテレビ画面を通じてではあるが、それも短い時間ではあるがそう確信したのである。