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 この件については多くの言葉を弄する必要はない。

 

 那覇地検がこの24日、「我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当ではないと判断した」と、政治的配慮により、中国人船長を処分保留で釈放した。

 

そして、那覇地検の判断について仙谷由人官房長官は、「捜査上の判断」であるとして、政府の意向による「政治的な配慮」を否定した。

 

また、柳田稔法相も口を合わせるかのように、「指揮権を行使した事実はない」と言明した。

 

いま、検察庁は大阪地検特捜部の証拠改竄問題で、政治に対しては極めて弱い立場にある。

 

そんな検察が、日中のトゲとなっている尖閣諸島問題で、独断で判断し、処理するはずがない。とくに、今回の釈放理由とされた「我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮」などという極めて高度な政治判断を一官庁が行うはずがない。

 

民主党政府は政権発足当初、霞が関の言動や旧来のやり方に過敏なまでに反応し、記憶に新しいが、役所の記者会見すら禁止した。

 

そんな政府が、今回の事件での検察の釈放理由を聞いて激怒しないのはおかしい、いやそれを超して、明らかに異様であり、不自然である。

 

この高度に外交的な問題を一地検が最終の処理を発表するなど、あり得ない話である。国内法に照らし、粛々と処理をしたと菅首相も言うではないか。

 

であれば、現在、民主的法律がこの国には整備されているのだから、政治家や政府などいらぬということではないのか。法律に則して諄々と事を判断し、進めてゆく官僚がいればよいのだから。

 

国民を馬鹿にするのもいい加減にしろ!と、叫びたい!!!

 

そもそも今回の問題は誰が中国船舶の拿捕を最終的に判断したのかが、事の始まりである。中国が尖閣諸島の領有権を強弁する主張に対し、船舶、船長の拿捕・逮捕となれば、その先の手筋が当然、政治家たるもの考えていたはずである。拿捕も逮捕も官僚がやった。そして、釈放も勝手に役人がやったのだと、民主党政府はしゃあしゃあと言う。それも、国民に対してだけでなく、国際社会に対して恥ずかしげもなく言う。これほど高度な政治問題を政治が主導しなくて、何が政治主導だ。

 

逆に、これが本当に海上保安庁が拿捕を判断し、検察庁が釈放を勝手に決めたと云うのなら、民主党のいう政治主導とは、どういう局面をいうのだろうか。はっきりして欲しい。もはや、この国に現在、政治という知恵と高度な権謀術策を必要とする機能は存在しないと云うしかない。

 

尖閣諸島の問題については、かつて中国のトウ小平が、「双方に言い分はある。後世の世代の知恵に任せることにしよう」と述べた経緯がある。それは優柔不断でもなく、腰の引けた言葉でもない。大局を見据えた政治家の言葉である。

 

菅内閣の政治主導のあり方および官僚の暴走による国益の毀損についてどう考えるか。自民党以下野党も、メディアも早急に追及すべきである。

 

 民主党の言う政治主導は、マヤカシと断罪するしかない。