奈良県桜井市安倍山



京都宮津・智恩寺の切戸の文殊、山形・大聖寺の亀岡文殊とならんで日本の三大文殊のひとつ、「大和安倍の文殊さん」として名高い安倍文殊院の本堂を拝観すると、お抹茶券が一緒についてくる。

智恩寺山門
宮津・智恩寺の山門

まず、そのご本尊であるが、日本最大(7m)の大きさを誇る獅子にまたがる渡海文殊菩薩である。1203年に仏師・快慶によって造られ、国宝に指定されている。

安倍文殊院
安倍文殊院・本堂

堂内でお坊さんによる丁寧な説明を聞いた後、傍近くからご本尊を見上げ、深い智恵を授かれますようにと手を合わせる。



その後に本堂脇のお部屋でお抹茶をいただく。その際に智恵のお抹茶に添えられお茶請けに出てくるのが“吉野くず入りの手作りらくがん”である。

安倍文殊院の落雁

目の前に供されたお茶請けに、あぁ落雁かとあまり期待せずに口にしたところ、これが中の餡子が上品で何これ?ということで、お坊さんにお聞きしたところ寺務所で販売しているとのこと。そして、早速に購入したものである。



 

当院は遣唐使として科挙の試験に合格、唐の高官となった阿倍仲麻呂や陰陽師・安倍晴明などを輩出した安倍一族の氏寺であるが、当地で晴明が陰陽道の修業をしたとの伝承もあるなど文殊菩薩の智恵のみでなくなかなかに霊験あらたかなる場所なのである。



そうした当院の手作りの落雁。口にし、胃の腑に入ると、何ともいえぬ妙なる声が身内に満ちてくるではないか。五芒星が刻印された落雁・・・霊験は確かにあると確信したところである。



 

ネット通販でもとチェックしたが、やはり、当院へ伺い、本堂でお詣りして初めて手に入れることのできるものでありました。おいしいです。何かうまくいきそうな予感のする御菓子でありました。