20日、韓国政府は、哨戒艦沈没したのは北朝鮮製の魚雷によるものとの調査結果を公表した。

 

その公表を受けて、鳩山首相が記者団の質問に饒舌に答えた言葉が、次の通りである。

 

「もし韓国が国連安全保障理事会に決議を求めるということであれば、ある意味で日本として、先頭を切って走るべきだと、そのように考えておりまして、強くその方向で努力をしたいと思います」

 

「今日まで私は、韓国の政府が極めて冷静に行動をされたということは、評価を申し上げたいと思います。中国においても、この冷静という意味がまた別のところにあるかもしれません。私は、事実は事実としてこれは認めるべきでありますので、その中で、やはりこういった信じられないような行為というものが2度と起きないようにしていくために、私は国際的な場裏の中で、しっかりと訴えていく必要があると。中国に対してもそのように臨みます」

 

 この短絡的な人物には、外交のような相手の心の機微をうかがい、複雑な心理戦を展開するのは無理である。

 

 というより、国運をこの人物にゆだねるには、この二つのフレーズを読んでも、怖くてとても任せられるものではない。

 

 「先頭を切って」なんて、まずは韓国、米国、中国の判断や動きを見つつ、日本の憲法内で、対応するんでしょう。もし、今後、北朝鮮の軍事的活動が活発化していったとき、日本は国連安保理で決議されれば、多国籍軍の先頭を切って参戦し、戦闘行為も辞さぬつもりなのか。

 

簡単に「先頭を切って」などと、危険な言葉を軽々しく口にすべきではない。

 

また、中国の対応についての発言も大きなお世話である。外交において自身の胸中をあからさまに語ることだけで、国の最高権力者としての資質はゼロである。

 

「私は国際的な場裏の中で、しっかりと訴えていく必要があると。中国に対してもそのように臨みます」なんて、中国と北朝鮮とのこれまでの関係を考えれば、それがどんなに困難なことかわかるはずだが。

 

 そして、この人物は、朝鮮戦争が、まだ、休戦中のステージにあるという重大な歴史的事実をひょっとして知らないのではないかと、本気で心配してしまう。

 

 もうどこの国もこの国の首班の言葉をまともに聞くことはしないのだろう。日本国民としても、お願いだから鳩山という人物は何も分かってないので、相手にしないでくれと言うしかない。

 

 あとで、お前のところの首相は「先頭切って」と、言ったぞ。だから、まず、日本が北朝鮮に先陣として侵攻しろと、国際社会から言われようもんなら、本当に、大変なのだから・・・。