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11月4日午後9時ころ、合計44分におよぶ6本のビデオがYoutubeに投稿された。9月7日に中国漁船(�罨晋漁(ミンシンリョウ)5179)が尖閣諸島付近で操業後、海上保安庁の巡視船「よなくに」(午前10時16分)、「みずき」(午前10時56分)に相次いで衝突してくる映像であった。
民主党政府が尖閣事件の全貌をかたくなに秘匿するなかで、一般投稿サイト「ユーチュブ」における政府の意図せぬビデオ映像の公開である。
衝突映像全体は延べ数時間におよぶと云われているが、今回、投稿された映像は約44分、11月1日衆議院予算委員会に提出されたビデオはたったの6分50秒であった。今回の投稿ビデオにも、海上保安庁職員が中国漁船に乗り込む場面や中国人船長が逮捕される瞬間の映像はなかった。海上保安庁が公権力を行使する場面が意図的に削除されているとすれば、この投稿者が当局外の人間でなければ、その属性はおよそ推測される。
そうした属性が容易に特定されるビデオが何故に違法に公開されたのか。その意図は何なのか。
今回の投稿者は、ひとつは外部の人間がビデオのコピーを何らかの手段で違法に入手し、投稿した。もう一つは、内部の人間がコピーを外部の人間に渡し、外部の人間が投稿した。もう一つが内部の人間が直接コピーを投稿した、との三つが想定される。
その一方で投稿の目的は、一つは尖閣衝突事件の処理に不満を持つ人間が少しでも事件の全容を伝えたいと考え、何らかの手段で入手したビデオコピーを国民の目の前に曝し、政府の外交姿勢に非難の声を高めようとする極めて政治色の濃いものである。もう一つは、愉快犯的なもので、みんなが興味を有す情報を流出させて、社会が大騒ぎし混乱する様を見て面白がるものである。
その意図が愉快犯的なものであれば、この問題は、ビデオが国民の目に触れることから惹起される今後の政府批判の動きは別に対処すべきで、投稿事件そのものは情報漏洩という政府の危機管理問題として扱われるべき筋合いのものである。
しかし、投稿の意図が政治的なものであれば、これは大きな問題というか、大事件と位置付け、対応すべきものである。
そして、事件の中核に座る人物が「内部(海保・検察庁)の人間」であったとすれば、これは、実は「クーデター」として対応すべき事変である。
菅首相は5日、ビデオ映像流出について、「まずは徹底的な原因究明が先決だ。真相究明に全力を挙げる」と述べた。
やはり、この一言を聞いて、菅という人物は一国の宰相たる資格はまったくないと断言するしかない。
まずやるべきは、犯人あるいはグループの摘発である。菅首相は、この投稿者が今回の投稿で終わりと安易に考えている節がある。「クーデター」であれば、次の一手、その次の一手と、国民と中国政府の反応を見ながら矢継ぎ早に手を打ってくるはずである。
先の一言が、国家の安全保障という最大の責務に対する自覚がこの男には皆無と言わざるを得ない証左なのである。
記者の質問に対する答えで、何も国民を不安におとしめる「クーデター」といった不穏当な言葉を使えと言っているのではない。ただ、現下の危機的事態を認識したうえで事に対処すべきだと云っているのである。
つまり、「犯人摘発と被害の拡大防止に万全を期す」といったニュアンスの発言が、まずは最初に発されるべきであり、この時点での国家指導者の国民へのメッセージとはそうあるものだ。
そして、被害拡大防止の観点で云えば、数時間におよぶオリジナル・ビデオの全面公開を早急に用意すべきなのである。
編集者の意図が全面的に反映された中途半端な情報公開は、この際、しない方がよい。
この「クーデター」の意図が、現場で国土の安全のため必死に一身をささげ頑張るものたちが現政府の領土問題への定見なき姿勢に対する強烈な反撃にあるのだと、思えてならぬのである。「臭いものには蓋」、「事なかれ主義」で国土は守れないのだと、この投稿者は叫んでいるに違いないと思えてくるのである。
そうであれば、事の発端である中国漁船による衝突・船長逮捕の場面を余すことなく公開するのが、この時点での被害最小化の手であるし、国際社会に対して国益堅守の有効な一手であると考えるところである。遅きに失したことは否めぬが、客観的判断を国際社会に委ねるのが、軍事力を背景に持たぬ国家が成しうる最良の手段と考えるべきである。
海上保安庁は、領海侵犯をしたうえ国境を守る巡視船に体当たりを繰り返す漁船を拿捕し、船長を逮捕した。一部にやり過ぎがあった?のかも知れぬが、法に基づく手続きを踏んだうえでの一連の逮捕劇だったのであろう。また、そうしたビデオを見た検察は無謀な領海侵犯者に対し国内法を適正に適用しようとした・・・。
Youtubeの映像を見る限り、今回の投稿は国土防衛に懸ける海保の強烈な使命感、或いは傍若無人な侵略者に対し国内法を適正に適用しようとした検察庁の正義感が暴走したものであり、この船長を処分保留のまま釈放した民主党政府(政府は那覇地検の判断とする)への不信感の高まり、現場の危機意識の先鋭化から暴発したものと考えるのが自然である。
わたしの心情は、まさに昭和11年に陸軍青年将校によって引き起こされた「二・二六事件」の際の国民感情に近いものがある。「義」は青年将校にあるとの気持ちを抑えることは至難である。しかし、やはり、事情はどうであれ、手段は適正かつ適法であらねばならぬ。だからこそ、首相は、「犯人摘発に全力を挙げる」と、まず声を発すべきだったのである。
この「適正かつ適法」という最後のタガを失ったときに、この国は亡国の急坂を転げ落ち始めたのだから。われわれ国民はその深い反省のもとに、戦後の65年を生きてきたはずであるから。
それにしても現場にこうした苦渋の選択をさせた民主党政府の国土防衛に対する危機意識の欠如はひどい。一日、民主党政府が政権の座に居続ければ、国益はその分毀損することがはっきりしてきた。もはや、今国会で民主党を追い詰め、早急に政権の座から引きずり落とすしかない。
次の政権は、政権の座優先という姑息で卑劣な政権ではなく、国益最優先の旗印の下に集結した者たちが担うべきであるし、この局面ではその「大義」は、必ずや国民の熱烈な支持を獲得するものと信じる。