彦左の正眼!

世の中、すっきり一刀両断!で始めたこのブログ・・・・、でも・・・ 世の中、やってられねぇときには、うまいものでも喰うしかねぇか〜! ってぇことは・・・このブログに永田町の記事が多いときにゃあ、政治が活きている、少ねぇときは逆に語るも下らねぇ状態だってことかい? なぁ、一心太助よ!! さみしい時代になったなぁ

割烹やました

2016年9月、倦怠期に木屋町通りの「割烹やました」のランチは格別!

(当ブログの写真・記事等一切の転用を禁じます)

2014年、祇園祭の“割烹やました”で、涼をもとめる=京都グルメ(2014.8.13)
2013年・水無月の割烹“やました”、“あこう”の洗いで初夏の爽やかな音色を聴く=京都グルメ(2013.7.1)
割烹「やました」・・・京都グルメ編(2008.3.14)


割烹やました地図
割烹・やました

久しく、「割烹やました」をアップしていない。昨年の七夕の日に訪ねて以来、一年二か月ぶりの「やました」である。

1・押小路橋から割烹やましたを 2015年七夕の日
押小路橋から”やました”を(2015.7.7撮影)
今回は、初めて割烹やましたにお昼時に伺った。というのも、今回は帰京途中に京都で下車、今年、訪ねられていない「やました」にご挨拶をという主旨で立ち寄ったもの。

 

そして、「やました」でランチだけというのも気が引けたので、現在開催中の特別公開で目ぼしいところを訪ねようと足を向けたのが聖護院であった。

2・聖護院門跡山門と特別公開立看板
聖護院門跡の特別公開
その次第の聖護院特別公開については本家西尾八ッ橋本店の紹介の際に少し触れておいたので、ここでは省略する。

 

さて、「やました」との付き合いももう十数年になるが、お昼に伺ったのはなんと今回が初めてである。

この日は12時45分頃に店に到着。昼は2時迄の営業ということでそうのんびりとはできぬと早速に暖簾をくぐると、芹生君がいつもの大将の位置にいたのには、少々、驚いた。

3・芹生君、様になってます
芹生君、様になっている
と同時に、時間も遅めのお昼ということでお客さんもピークは過ぎたのだろう二組いらっしゃるのみで、夜の部のあの熱気を帯びた賑わいがないのにもちょっと戸惑いを覚えた。

 

板場のなかも見知らぬ新人二人が入り、二名増えて6人(大将を入れて)体制になっていた。新顔は熊谷君と竹田君、竹田君にいたってはまだひと月とのこと。胸元の名札がなんとも初々しい。

4・頑張れ、若者(左から熊谷・竹田両君)
やましたのニューフェース頑張る 左から熊谷君・竹田君
また、先輩の
部谷君が当日は焼き方に回っていた。みんなそれぞれが一流の板前への階段を一歩一歩、着実に昇っていっているのだと感じた光景である。

5・焼き方に配された部谷君
焼き方、頑張る部谷君
その部谷君をやさしく指導しているのが料理長の安達さん。安達さんとはこれまでなかなかゆっくり話をする機会がなかったが、その意味では「やました」の板前さんと心置きなく会話を交わしながら食事を楽しむには夜よりもお昼のほうが良いことをこの度知った。

6・安達春徳さん
苦み走ったいい漢、安達さん
ここ2、3年、「やました」の板場は戦場のようで少し離れた板前に話しかけるのもままならぬほどの盛況ぶり。最近では「やました」の評判は日本だけでなくネット検索で訪ねてくる外人観光客も増えるなど、すでにインターナショナルな存在である。

 

昨年もわれわれの隣はオーストラリアから初めて日本にやってきたご夫婦であったし、二年前も中国から一人でやってきた若い女性が大将の前に陣取るなど京都の料理屋もなるほど国際化の波に洗われているのだと感じたところであった。

 

そんななかで奮闘する安達さん。一見、こわもてで話しづらかったのだが、実際はずいぶんやさしい人物であることがこの日、分かった。名前は春徳と書いて、かずのりと読むのだそうで、「春日大社の“かず”ですというと、みなさん、あぁ」と納得してくれるのだと、強面から笑みをこぼし説明する姿はまさに板場の好漢と呼ぶのがふさわしい。

 

当日は山下の大将は不在とのことで挨拶ができずに残念であったが骨折した足の具合はもう大丈夫でゴルフも普通にされておられるとのことでまずは安心。下の写真は昨年の7月7日、七夕の節句に伺った時のものだが、スマフォを話題に楽しそうないつもの大将の写真をご挨拶代わりに掲載しておく。

19・スマフォで何を語る大将
スマフ片手に分からねぇなぁ・・・(2015.7.7撮影)
さて、「やました」のお昼はコースが主体であるようだが、当方、今年初めての「やました」である。いつも通りに旬のものを中心に好きなものをいただくこととした。いよいよ料理のスタート。手際よくいつも通りに先付が目の前に差し出された。

8・先付け
先付け
わたしはお昼であるにもかかわらずパブロフの犬よろしく流れ作業のように、「いつもの“桃の滴”を」と条件反射的に口走ってしまう。

9・桃のしずく
昼から桃の滴・・・
そして、家内と芹生君に念押しをするかのように、「二合だけでいい。今日は料理主体」と訊かれもせぬのに言い訳めいたことをいう。

 

そこで当日の料理は以下のごとくである。夜の部よりもバランスのとれたものとなったが、要は家内主導の注文となったということで多様な皿をたのしめることになった。

 

その当日のインパクトある一品は何といっても、鱧の薄造りである。

10・鱧の薄造り
初めていただく鱧の薄造り
一番脂の乗った秋鱧である。旨くないはずはないと、二重否定でほめるほどに絶品である。いつもいただく鱧の炙りも好みのひと品だが、こうして薄造りにした鱧を豪快に三切れほどひとつまみにして口に放り込むのも新たなる鱧食の悟りである。添えた酢橘は鱧にかけると身が白くなるので三杯酢ののぞきに滴らす方がよいというのでそうした。料理の見栄えは食の基本である、なるほどと納得した次第。


そして、グジ(甘鯛)もいつもは刺身でいただくところだが、鱧の薄造りをいただいたので、から揚げにしてもらった。

11・甘鯛のから揚げ
目先が変わる甘鯛のから揚げ
これもプリプリでおいしい。さらに、から揚げのおまけというのも変だが、グジの兜焼きがあとで出てきた。
と、思ったらのどぐろの塩焼きを頼んでいたのを思い出した。そういえば、「やはり、脂がのっておいしい」なんて会話しながら、身をほぐしては口に運んだっけ。芹生君、失礼!身の方の写真を失念。

12・甘鯛の兜焼き
のどぐろの塩焼き
これまたほっこりとして、さすが食材を吟味した“やました”の一品と報告しておこう。。

 

次に野菜の焚き合わせを頼むが、大ぶりの栗をトッピングして季節感を演出、湯葉や麩を添えて京都をアレンジした小品である。

13・野菜の焚き合わせ(穴子・小芋・栗・麩・湯葉)
京の季節感を味わう炊き合わせ
帆立と海老のしんじょうが目の前に。

14・蒸し物・ホタテとエビのしんじょう
しんじょう
これまたしっかりとした口触り。帆立など貝類大好きな家内の注文である。

そして、湯葉巻き。

15・湯葉巻き
見た目ですでにおいしい湯葉巻き
もちろんおいしかったが、この詰め物はそのとき訊いたはずだが、忘れてしまった。
16・湯葉巻きの詰め物
何はともあれ、何事もおいしければよい。

 

ほかに、皿の合間にちょちょっとサービスで出てくる“アテ”が何とも言えずうれしい。やましたならではの夜、もとい、ランチである。この椎茸、生椎茸をやましたで一週間ほど乾燥させてから戻すのだそうで、実はこれだけで十分に酒のアテにもなる手間をかけた一品で、ご飯のお伴にもなる優れものであった。

17・やましたで生から乾燥させて戻した肉厚な椎茸
アテに最高
また、このから揚げも鱧の皮であったか骨であったか? はたまたグジの始末の料理であったか失念したが、いつもながらのうれしい「やました」のサプライズであった。

18・つまみ
初めて経験した「やました」のランチ。そして、久しぶりに堪能したゆったりした「やました」の時間。

 

実のところ、「やました」での滞在時間はいつも他のお客よりずっと長っ尻である。これまで幾たびも看板後まで居続け、大将と語り合う時間がとれたものである。だが、ここ数年であろうか「やました」の名声が高まるにつれ、そうした独り占めの贅沢な時間に恵まれることがほとんどなくなってしまった。

楽しかったね
花島さんがいた2013年1月の板場
「やました」の評判が高まりいちフアンとしては大いに鼻を高くする反面、大将とサシで語り合う機会がめっきり減った一抹の寂しさがある。贔屓の客としては複雑な心境にあったことも正直なところである。

 

そんな矢先に初めてランチに訪れ、じっくり料理に舌鼓を打ち、心置きない板場との交流を深め、以前から流れていたのだというシャレた洋楽のBGMに耳を傾ける「やました」での粋なひと時。新鮮な発見、やましたを知ったころの初心に戻ったような貴重な一日であった。

 

この気持ちを表わすのに例えはちょっと適切ではないが、倦怠期にある夫婦が相手の本来持っている良さ、昔、好きだった長所を再発見、思い起こし、絆をより強くする。そういった感覚、心もちをよみがえらせてくれた2016年の「割烹やました」の格別のランチであった。



2014年、祇園祭の“割烹やました”で、涼をもとめる=京都グルメ

2016年9月、倦怠期に木屋町通りの「割烹やました」のランチは格別!(2016.9.30)
2014年祇園祭・山鉾巡行前祭(さきまつり)に興じる(2014.7.21)
2013年・水無月の割烹“やました”、“あこう”の洗いで初夏の爽やかな音色を聴く=京都グルメ
(2013.7.1)

中京区木屋町通二条下ル上樵木町491−3 ☎075−256−4506


7月17日、山鉾巡行が終了した夜、京都の知人ご夫妻と“割烹やました”で会食をした。

0・いつもながらいい笑顔です
いつもこの笑顔がたまらぬ山下茂氏

祇園祭の本義である神幸祭の神輿渡御が木屋町通りすなわち“やました”の前を通ることを知ったので、この日に“やました”を予約した。

1・舞殿に並ぶ三基の神輿
宵宮に八坂神社舞殿にならぶ三基の神輿

要は、“やました”の料理に舌鼓を打ちながら神輿渡御も観覧するといった一挙両得、ぜいたくな目論見を立てたというわけだ。


加えて一年半ぶりの再会となる旧知のご夫妻と積もる話も同時に楽しもうとイベント、テンコ盛りな“やました”の夜を計画したわけである。


6時の予約にあわせ押小路橋を歩いていると“やました”の前で祭りの出店を準備する大将の姿を認めた。

2・割烹やましたへ

え〜っ! やました”が出店屋台?と訝(いぶか)るわたし、つい、「大将! 商売熱心だねぇ」と声をかけた。

3・神輿渡御振舞い酒の準備をする大将

気づいた大将が何か言うがよく聞こえない。近づくと缶ビールやらペットボトル飲料を氷で冷やす仕度中である。


神輿を挙げる連の人たちへの差入だという。当方、冗談にせよ商売熱心だねなどと声をかけたことに、少々、赤面の態。


それと、“やました”へ通うのに一斗樽を積んだ高瀬舟が見えないのはちょっと情緒に欠けていた。

4・高瀬川に浮かぶ旧高瀬舟  5・高瀬舟のない高瀬川
左:旧高瀬舟(2008年撮影)  右:2013年、撤去されて何もない高瀬川

当日はまだ明るい高瀬川にひとまわり大きくなった高瀬舟が新調なって浮かんでいた。そこで一枚、写真を撮った。

6・0新調なった高瀬舟

高瀬舟が浮かぶ景色、京都情緒たっぷりのまことにいい雰囲気である。


さて、店内、いつものカウンター奥の席へ陣取った。

6・1先付
先付

早速、乾いた喉を潤すべく恵比寿ビールを注文、それから“桃の滴”の冷酒をいただく。

6・2冷えた桃の滴

料理の方は今回のサプライズは“鱧の洗い”と“冷やし肉”。


これまで“やました”の鱧と云えば“炙り”であった。もちろん、当夜も炙ってもらった。

7・真剣に鱧を炙る芹生君
鱧を炙る芹生君

ところが、芹生君が“鱧の洗い”はいかがですかとさらに問う。

8・活きの良い鱧を捌く芹生君
跳ねる鱧を捌く芹生君、頑張る!!

「エッ? 鱧の洗い」と問い返すと同時に「それもちょうだい」と即答する。まだまだ私も若い、すばらしいクイックリスポンス、条件反射能力であると妙なところで悦に入る。

9・鱧の洗い
これが鱧の洗いです

ともあれ、この洗いには正直、唸り声を上げた。この発想、仕上げにはアッパレというしかなかったのである。

あまりにも新鮮な食感! 炙り鱧にも、もちろん湯引きの鱧など遠く足元にもおよばぬ斬新なまさに炎暑に涼を呼び込む食感である。

10・鱧の洗い、これは新たな発見
お見事、この食感!!

常に食材の新たな調理法を追い求める“やました”の姿勢に恐れ入り、またまた惚れ直したところである。


次に“冷やし肉”なる、これまたこんなお肉の食べ方、初めてという代物。

実のところ男性陣は網焼きを頼んでいたのだが、お隣のご婦人方の前にならぶお肉に目がいった。

11・牛の網焼き
男性陣が頼んだ網焼き

それに気づいた女性陣がおひとついかがと憐憫をかけてくれたので、この新たなる珍味にありつけたもの。

12・0冷やし肉
これが冷やし肉です

二杯酢でさっぱりと“涼”をいただく、美味である。


12・1万願寺唐辛子の掏り流し  12・2冷たい野菜の炊合せ
左:万願寺唐辛子の掏り流し 右:詰めた野菜の炊き合せ

炎暑の夜に斯様な涼を次々と演出する大将の凄腕にあらためて驚嘆するとともに、衷心からの敬意を表するところである。


そして、いよいよもうひとつのビッグイベント、神輿渡御の始まりである。


まだまだ明るい午後7時少し前。神輿を先導する行列が“やました”の前の木屋町通りに入ってきた。

13・色々、雅な行列が続きます

お客さんも一時、食事を中断、外にて観覧。駒形稚児や騎馬で進む神官の行列がつづく。

14・稚児さんも騎馬でゆく
可愛らしい駒形稚児が通る

神輿の前にこれほど本格的な行列を見たのは初めてであった。

15・騎馬行列がゆく

7時17分。三若神輿会の担ぐ中御座神輿が“ほいっと、ほいっと〜!”の掛け声とともに近づいてきた。

道路を埋め尽くす人、人、人にはビックリ。

16・道を埋め尽くす人
大勢の人と共に中御座が見えて来る

中御座は六角形の屋根に鳳凰を冠し、ご祭神は八坂神社の主祭神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)である。

17・中御座
中御座神輿

何しろすごい人数が次々と店の前を通り過ぎてゆく。

18・大勢の担ぎ手が過ぎてゆく

中御座を見送ると、一同、一旦、店内へ戻る。


午後9時前、錦神輿会が担ぐ西御座がやってきたので外へどうぞとの声。大将以下、お客とともに道路へ出る。さすがにもう外は真っ暗。


だが、神輿が近づくにつれ人の大群が押し寄せるようなどよめきが聴こえる。

19・西御座がやって来る
西御座が近づく

“ほいっと!ほいっと!” 西御座神輿が現われる。

屋根が八角形の鳳凰を冠するこれまたりっぱな神輿である。ご祭神は素戔嗚尊の御子たちである八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)。

20・錦神輿会・西御座
西御座神輿

錦神輿会のメンバーは“やました”が仕入れでお世話になる錦市場の人たちが大勢いるのだという。

“やました”の前で神輿もしばし休憩。担ぎ手の人たちも乾いた喉を潤す。大将が準備した飲料の前は昂揚した連の人たちの熱気があふれる。芹生君や女子衆もお世話に大活躍。

21・錦神輿会の人たちに振る舞う

そんななかを粛然と騎乗の神官が行く姿もこれまたすばらしい。

22・担ぎ手のなかを行く騎馬

そして、神輿はふたたび大勢の担ぎ手に担がれ、暗闇に“ほいっと! ほいっと!”の響(とよ)みを残し四条の御旅所へと去っていった。

23・西御座

嵐のようにやってきた神輿を見送り、暖簾の方を見返ると大将が満足の笑みである。

大将、満面の笑み
大将、最高の祭だね〜

神輿渡御の迫力と行列の厳かさを目にし、1100年の歴史を有する祇園祭の本義・神幸祭は京都の町衆に支えられてきたまさに神儀であると実感させられた。


路傍から観覧するだけで祭の当事者のような高揚感を味わったわれわれはふたたび店内へ戻り、じっくりと“やました”の料理を堪能。

25・料理が並んでいます
まだまだ祇園祭の夜は長いのです・・・

神輿渡御を“やました”の前で観覧するという最高の祇園祭を過ごすことが出来た。満足この上ない一日であった。


そして、“やました”の“もてなし”の真義が大将の日頃の心映えにこそあったのだと心底、納得した。


2014年の“割烹やました”!!


祇園祭の神輿渡御を観ながら料理に舌鼓をうつという新たな“やました”の魅力を発見した一日でもあった。


そして最後に新料理長を紹介しておかねばならない。安達料理長である。

26・大将と新料理長の安達さん
新料理長・安達さん

以前、長年“やました”におられたということで、これから勝手知ったる板場で大将の右腕として思う存分その腕を振るっていただけると大いに期待している。


何せ、当夜は神輿見物に出たり入ったり、久しぶりの旧知の友との語らいとやたら忙しく慌ただしい時間を“やました”で過ごした。


次回にじっくり安達さんとお話できることをきたいして2014年の“やました・訪問記”の筆を置くことにする。



2013年・水無月の割烹“やました”、“あこう”の洗いで初夏の爽やかな音色を聴く=京都グルメ

実は“やました”、今年は二度目の訪問である。


1
月、いや、睦月に天橋立の帰りに寄っている。その時、なぜか印象としてあまり“やました”では種類を頼んでなかったと思い、ブログに敢えてアップしなかった。宮津のお昼に大きな牡蠣のピザや鴨の燻製や何とかのパスタやなどと、たらふく食べ過ぎ、どうもそんなに夜は食が進んでいないと勘違いしていたようだ。

1月に食べた”おこぜの薄造り”  1月の本もろこ
1月にまた、”おこぜの薄造り”と”本もろこ”頼んでた〜
1月の大きい白子
この白子、大きくておいしかったの思い出した

あらためて写真を調べると、な〜んだ、いつものように頼んでは、しっかり食べているではないか。

さすが“やました”。ただでは客を帰さないのである。

そういうことで、2013年の“彦左の正眼”での初お目見えである。

此の度の“ウリ”は、なんといっても、この大きくてりっぱな“あこう”である。

立派な”あこう”が入った
この”あこう”、半端なく立派です!

大将がいつものように捌(さば)くのだが、その写真がうまく撮れない。いつもの一番奥の定位置で、満席でして(まぁ、いつものことか・・・、でも隣には家内が・・・、でも、この日はひとり)、と云うことで、お隣に迷惑なので、ちょっと遠慮しました。

大将が捌きます

なので、この写真、お嬢さんのような仲居さんが「撮ってきましょうか」と、ご親切にもわたしの苦しい心中を察して下さり、正面からバッチリ映してくれたものです。もちろん、知的財産権は彼女のものであります。あっ! 掲載する了解とるの忘れた・・・。今度、事後承諾を取らなければ。

さて、その“あこう”、“洗い”がおいしいというので、それにした。

”あこう”の洗いです
見事な”あこう”の洗いでした

脂が流されたうえ、冷水で締まった身の歯ごたえ、のど越しはさすがだ。洗いを食べると、そこに“初夏”の爽やかな音色を聴くようであった。


そして、洗い、定番の冷酒・桃の滴によく合う。そう云えば、グラスが変わったね。少しずつ前のが割れてゆき、大将に新しいのを買ってもらったのだと、件の仲居さんが言っていた。

新しいグラスが登場・酒は、桃の滴
”桃の滴”が入っています

さて、先付からいかねばならぬ。え〜っと、魚のムース、山クラゲの胡麻酢和え、青梅煮、胡瓜のピクルスに鯵鮨でした(忘れちゃったので、後で紙に書いてもらいました・・・)。

先付

“あこう”の次に、目の前の水槽で泳いでいる美山の鮎を、“背ごし”でもらうことにした。今日は大きいのが入っているから“背ごし”大丈夫ですと芹生君が言う。

美山の鮎の”せごし”です
美山の献上鮎の”背ごし”です

この前、揚げ方・焼き方に入っていた右近君は実家の方に戻ったのだそうで、これから芹生(せりう)君がこの大役を担ってゆく。

芹生、いくぞ!
いくぞ、芹生!と、大将・頑張れ芹生!!

大将に捌かれた“背ごし”はやはり、見事。

”せごし”、いいねぇ
シャリシャリ感、伝わりません?

早速にいただいた。シャリシャリとこれも初夏の旋律である。

残った頭と尻尾はから揚げでいただく。これも、何気に、おいひ〜い!

鮎の頭と尻尾のから揚げ

次いで、花島さんが「野菜ものでもどうですか」といつものように食のバランスを調整してくれる。

花島さん頑張ってます!川飛君も!
花島さん、いつもありがとう!!

そこで、“芋茎(ずいき)の生姜煮”をいただく。ひとりでは、これ少々、量が多かった。

芋茎(ずいき)の生姜煮

そして最近、嵌(はま)り出した貝に気持ちが向かう。とり貝をいただく。

とり貝です

りっぱなとり貝である。

お酒は月桂冠の“鳳麟”。グラスがいつものに戻った。なぜか落ち着く。

とり貝といつものグラス
このグラス、やはり落ち着くなぁ・・・。”鳳麟”さすがに〆の芳香

“鳳麟”をやりながらふと気づくと、いつものようにお客様は誰もいなくなっていた。カウンター中央に移動し、大将と四方山話。


こうして、20132度目の“やました”の夜も更けていったのでした。

高瀬舟のない高瀬川

それと店の前の高瀬舟がこの前からなくなっていたので、訊ねたところ、古くなったので撤去しているとのこと。新造に1700万円かかるのだとか・・・。その工面、とても大変そう・・・。誰か、京都を愛する篤志家いないのかなぁ。

千変万化、山下茂氏の手練の技、“2012年秋の割烹やました” に感服!!=京都グルメ

2012年春の“割烹やました”=京都グルメ(2012.5.13)
割烹やました・2010年の味=京都グルメ(2010.12.12)
秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ
(2009.11.23)
割烹「やました」天下の珍味を堪能!!(上)(2009.2.18)
葵祭りの日、割烹「やました」へ(前編)(2008.5.21)
割烹「やました」・・・京都グルメ編(2008.3.14)

中京区木屋町二条下ル

075-256-4506


2012年・割烹やました”秋の陣に勇躍、わが夫婦は参戦した。


当夜はいつもの席、カウンター奥の席が用意されていた。板場の真ん中に大将の山下茂氏、その左脇には料理長としての風格と存在感が一段と増してきた花島さんが凛々しく立つ。

そして、わたしの正面には焼き方デビューを果たした右近君が立つ。新しい“やました”の形である。

お絞りで手を拭う間にさっと通される八寸。


八寸

その一連の流れを目にすると、あぁ、“やました”のワクワクな夜が始まるのだと感じる瞬間である。


この日の日本酒は“やました”定番である伏見の “桃の滴” (松本酒造)を注文した。


桃の滴です、料理に合います

八寸に箸をつけ終わるころ、右近君がおもむろに“今日、鯨の頬肉が入っています”と切り出すではないか。久しぶりの鯨、それも頬肉、もちろんお願いすることにした。


早速、大物の”鯨の頬肉”がやってきた

こうして“やました・2012年秋の陣”の戦端は、緒戦から本格的な戦闘をともない切って落とされることになった。


そしてカウンター中央には、秋の味覚の王者たる松茸がこれでもかっていうほどに盛り上げられている。いつあの山に攻め上がるべきか、当方も心中ひそかに策を練る。


すると敵将の山下茂氏はまるでこちらの心中を察したかのように大きな松茸を手に取り、敵の陣中深くへあたかも誘い込むように陽動作戦を進める。

大将、大きな松茸ですねぇ
松茸を盛り上げた中から大物を・・・。花島さん、凛々しい

もちろん、こちらはそんな見え見えの策には乗らずに、水槽に泳ぐ琵琶湖産の鮎に着目。


鮎が勢いよく泳ぐ水槽

これを料理してくれと、注文をつける。そして、われわれの目の前に供されたのが、次なる子持ち鮎の塩焼きであった。

子持ち鮎の塩焼き
素晴らしい子持ち鮎です

膳の上で身を躍らせて泳ぐかのような鮎、しかもこの卵のはみ出す様(さま)のふくよかな美しさ、造形を目にして、敵将の手練の技に不覚にも息を呑んでしまった当方陣営である。


見事な仕上げです

色合いの良い器に入った蓼酢でいただいたが、美味である。加えてこの蓼酢がまた何とも上品でおいしい。


上品な蓼酢です

敵将にエールを送ると、“これ、ちょっと食べて見てください”と緑色の葉っぱを差し出してきた。


この蓼の葉を食べさせていただいた、このエグミがいいのかな・・・

とうとう、敵もまともでは敵わぬとでも思ったか、毒草でも盛ろうとするのかと、しばし逡巡するも、敵に後ろは見せられぬ。エイやっと口に放り込み、噛みしだく。


苦み走った味・・・、でも、もちろん毒何ぞではない。


これがあの“蓼喰う虫も好き好き”の蓼の葉だという。ふと板場を見ると、大将は蓼の葉を丁寧に下ごしらえしているではないか。

敵ながら天晴れと、ちょっともう、投降してよいかなと気弱になった瞬間である。でも、戦闘はまだ始まったばかり。まだまだと、気を取り戻し、態勢を立て直して、次なる攻撃目標を探すと、“いい秋刀魚が入ってますが”と、まさに秋の陣にふさわしい攻勢を仕掛けてきたではないか。

こちらに否やは応はない。堂々と受けて立つことにした。

すると大将はキラキラと照明に光る一尾のりっぱな秋刀魚を示し、包丁を入れてゆく。


秋刀魚に包丁を入れる大将

俎板の上で、その包丁は時に繊細に、時には大胆に、リズミカルに動いてゆく。


バラバラに解体された秋刀魚

右手の包丁と職人の左手は、まるで蝶が花の蜜をめぐって絡み合うように優美な曲線を描き翔んでいる様に見えた。


見事な手さばきが続きます

どうも内臓を包丁の峰や平を駆使し随分と丁寧に時間をかけて処理している。少し不思議な光景である。つい、その所作に惹き込まれてしまう。

一体、彼は何をしようと目論んでいるのか、当方の単純脳には理解しがたい時間が過ぎていった。

そして、三枚におろされた秋刀魚の片身がこんがりと黄金色した薄塩焼きとして供された。


薄塩焼き

レモン汁をたっぷりかけて食べた。さすが旬である。脂が乗っていて旨い。


しかし、あの、俎板上での面倒に見えた包丁捌きは何なのか。敵将の魂胆が分からぬと思案中、目の前に拍子切りされた秋刀魚の切り身が登場した。


これは何だ?

はてな?と怪訝な表情でいると、大将がちょっと“食べて見てください”と云うではないか。箸をつけた。その拍子切りの切り身を口に入れた。


エッ!!


このかかっているパープルソース・・・、何? バルサミコかい・・・、いやオリーブオイルも・・・、そしてこの色の正体は・・・

このソースは秋刀魚の肝でできてます
このソースの正体は?

もう、降参するしかない。こちらも食の武人である。負けを潔く認めようではないか。


“これ、何?” 全面降伏である。

秋刀魚の内臓を丁寧につぶしたものをバルサミコとオリーブオイルで溶き作ったソースだという。

何という斬新な発想。料理人の真髄を少し垣間見た得難く貴重な瞬間であった。

そして身を削ぎ落とした後の骨をこんがりと芯から揚げた唐揚げはもちろん、おいしくいただきました。


カラリと揚がっています

この秋刀魚一尾の丸ごと調理により、当方は完全に白旗を掲げることとなった。すると、もうあとは雪崩を打ってという状態となるのは必定の成り行き。


あの松茸山から敵は逆落としに駈け下りてくることになった。


まず、松茸の鮨である。これはまた、趣向も乙で、焼き松茸や土瓶蒸し、松茸ご飯ではない扱いにはホトホト脱帽。

松茸の鮨です!
豪勢な松茸鮨

そして次に焼き松茸を奨められたものの、まだ僅かに抵抗の気力が残っていたのか、何か違うやつはないかなと云うと、間髪いれずに“天ぷらにしましょうか”と来た。

これ、松茸の天ぷらです
松茸と野菜の天ぷら

もう、どうにでもしてってなことで・・・、いやぁ、これも実に絶品でありました。


ほぼ、秋の陣の攻防も、当陣営の敗退は決定をみたところで、家内が先ほどから目の前で花島さんが何か細々と手を動かし続けているのが気になったのか、“それ、花島さん、さっきから何してるの?”と問うた。


キクラゲのように見えるが、ちょっと違う・・・


そして、最後にいただくことになったのが、天下の珍味、“岩茸(いわたけ)”の酢の物である。

天下の珍味、岩茸(いわたけ)です
天下の珍味、”岩茸(いわたけ)”です

岩茸は標高800m以上の岩壁の垂直面にへばりつくように生える地衣類、つまり、苔の一種なのだという。掌くらいの大きさの物だと、20、30年かかる幻の逸品なんだそうで、国産品はほとんど入手不可能とのこと。


先ほど、花島さんが細々作業していたのは、苔の表面に付いた不純物を丁寧に根気よく取り除いていたということでした。


秋刀魚の一尾喰い、松茸鮨に天ぷら、最後には本邦の珍味なる“岩茸”を供されるに至り、“2012年秋の割烹やました”の陣も、山下茂大将のもと、花島参謀長、右近将校の一方的攻勢により、当方は慶んで白旗を掲げる次第と相成り、大団円を迎えることとなった。

いつもいつも、おいしく独創性にあふれた料理で旅人の心を愉しませてくれる“割烹やました”さんに心からの感謝の念をお伝えし、終稿とすることとしたい。

押し小路の夜も更けて
押し小路の夜も更けて、トコトコとホテルへ帰ってゆきました


それから帰宅後、家内が石巻より届いた秋刀魚で拍子切りに挑戦しました。花島さんのご教示による内臓の喉元に近い所の鱗も丁寧に除け、ソースを作ったのですが、微妙に何か違うんですよね・・・。バルサミコやオリーブオイルの量の問題なのか・・・、今度伺った時に復習しますので、よろしく。


それでは、また、来年、お会いししましょう。

初々しさの匂い立つ、京都・“割烹まつおか”に初見参=京都グルメ

聖地・“てら川”に根づいてきた“割烹まつおか”=京都グルメ(2014.5.27)
味と妙技と人の出逢いを演出する・割烹“まつおか” =京都の“割烹まつおか
(2013.9.20)
2012年春の“割烹やました”=京都グルメ(2012.5.13)

京都市東山区松原通大和大路西入ル南側弓矢町25

075-531-0233

定休日:水曜日

割烹まつおか

“割烹まつおか”は20124月開店の初々しいお店である。木屋町通りにある大好きな“割烹やました”で揚げ方、焼き方を担当していた松岡英雄氏が独立し、始めたお店である。

割烹まつおか
割烹まつおか

場所は京阪本線祇園四条駅、要は歌舞伎の南座から徒歩で7分という便利な場所にある。ここはもともと老舗旅館炭屋の料理長を長年務めた寺川氏が営んでいた「御料理てら川」の場所で、お店自体も「てら川」の造作を基本的に活かした造りとなっている。

”割烹まつおか”入口
風情のあるアプローチです
”割烹まつおか”暖簾
新たな門出の”割烹まつおか”の暖簾です

京都に特有の縦長の敷地を逆にうまく利用した、入口を入ってまずカウンター席7名、その奥に順に二つの座敷が列ぶ瀟洒で落ち着いた雰囲気の漂うお店である。

座敷口より突当りが玄関を。左手暖簾内がカウンター
奥の座敷口から入口を見る。左側中央格子の内側がカウンター席

当夜はわれわれが最初の来店客であったが、カウンターにわれわれ以外に3名、座敷の方に6名の予約が入っていた。奥行きのある間取りのため、奥の座敷客の声は殆どと言ってよいほどに聴こえず、静かな雰囲気で寛いだ時間が過ごせた。

手前右が4畳半、奥が6畳の座敷
店奥に手前右手四畳半、奥六畳の座敷席(お客が退散直後のため座椅子が乱れています)

その“割烹まつおか”は板場に松岡さんが立ち、右奥の厨房に吉井君と若い女性が二人(板場にも出入りする)、外に今風の黒いカフェエプロンをかけた若い仲居さんが一人という四名体制で、切り盛りしている。

頑張っています、若き店主の松岡氏
頑張っています、店主松岡英雄氏・右紺の暖簾の奥が厨房です

開業してまだ半年ということで、厨房の若い衆もまだまだ手際に料理人としての切れ味は見られぬ。だが一日でも早く技量を磨きあげたいとの強い思いが、松岡氏の指示に対し必死に耳を傾ける姿や見つめる瞳の輝きに十分滲み出て、若い人たちのそのひた向きな姿勢がこの若いお店の清涼感や清潔感のようなものを生み出しているのだと感じた。

格子の中が7名のカウンター席となってます
この格子の中に7名のカウンター席があります。祇園宮川町のお姐さん方もお見えのようですね
カウンター
このカウンターが当夜のわれわれの席でした。当日はカウンターは5名でゆったりでした

そこでいよいよ当夜のお料理であるが、まずは先付けが目の前に表れて・・・・


先づけ

それに箸をつけながら、今夜はどんな趣向で来るのかなと脳内に“美味渇望アドレナリン”が充満し始めたころ、「今日はアマテガレイがありますが・・・」との松岡君のひと言。

「それの薄造りでもしましょうか」と言われて、「えっ、それ、何?」と訊ねたところ、東京でいう真子(まこ)鰈のことだそうで、大分県の有名な城下(しろした)鰈と同じものだという。

白身魚大好き人間のわたしに松岡君は直球勝負で甘手鰈の薄造りを薦めてきた。

そうであれば否やも応もない。即決である。


甘手鰈の薄造り

薄造りと言いながら微妙に厚みをだした造りは、歯ごたえがしっかりし、噛めば白身の身内からほんのりと甘みが染みだしてくる。なるほど、甘手の鰈である、甘手とはよくもその名をつけたりと感心したところである。

次に水槽に目をやると、あぁ・・・、威勢のよい鱧がいるではないか・・・、ということで、大好きな鱧の炙りを頼んだ。


水槽の中には活きの良い鱧と車海老が・・・

目の前で松岡君が矩形の長包丁で見事な鱧の骨切りを見せてくれたが、ジャリ、ジャリでもなくシャリ、シャリでもない骨が細かく刻まれる小気味よい旋律がまことに粋である。


難しい鱧の骨切り。さすが、見事な包丁さばきです

その様子を見ていた家内が炙り以外に今夜は少し違った調理のものも頂いてみたいと要望したところ、半分は炙り、そして半分は鱧の柳川鍋というまぁ、手間のかかるいただき方をしてしまった。


この鱧をこれから炙ります

網で炙っています

この炙り鱧、いつものことながらおいしいです

今年最初の炙りはもちろんおいしかったが、柳川風は炙りのさっぱり味とはまた異なり、癖のある牛蒡や三つ葉や山椒の味が逆に鱧の味の淡白さを引き立て、新たな鱧の魅力に気づかされた。是非、これはお試しになる価値は十分あると確信した次第である。


これが鱧の柳川鍋です

湯気が立って肉厚の鱧がホクホクでおいしかったなぁ・・・

少し、いや、かなりお腹が落ち着いたところで、松岡君が「ちょっと、これ食べて見てください」と差し出したのが、次なる逸品である。


当日の当りくじの”鯖の刺身”です

ピンク色がかった大ぶりのお刺身が一切れ・・・

何と、鯖の刺身だというではないか。脂が乗っている。しかも身が引き締まっている。う〜ん、身持ち?がしっかりしているとでもいうのか・・・、それって意味が違うでしょ・・・左様になかなか表現に苦労するところだが、これって本日の当り籤(くじ)ってな感じの流石(さすが)の一品でした。

次いで食いしん坊夫婦が目をつけたのが、水槽の大ぶりの車海老でした。

あっさりと塩焼きででもどうですかと言うので、それをお願いした。串に刺すとまた大きいですね。

大きな車海老です
この大きな車海老を塩焼きにします

見事に焼き上がりました。松岡君もにっこりです。

出来上がりに満足の松岡さん
見事に仕上がり、松岡君もにっこり

肉厚の身はプリプリして、香ばしい塩焼きの上にレモン汁の香りが迸り、そりゃ、おいしかったです。

プリプリでおいしかった
レモン汁がほのかな塩味にあって美味でした

その後、写真を見ていたら、岩蛎も頼んでいました。

りっぱな岩ガキでした
大好物の岩ガキ、やっぱり頼んでいました・・・

そして目の前に現れた小皿に小魚の佃煮が出て参りました。


珍味であったことは確かなのだが・・・

名前を確かに教えてもらったのだが、老夫婦ともにもう始まったのか・・・名前が思い出せなくて・・・、珍味のお魚であったことは確かなのですが・・・。ごめんなさいね、松岡主人・・・


そうして鱧の肝が芋茎(ずいき)とともに出されたのには驚いた。


鱧の肝です

これまで鱧の肝など食べたことがなかったので、二人して大喜びで、欣喜雀躍、あっという間に胃袋に収まりました。


次なるが・・・、え〜っ・・・鱧の佃煮。当日は鱧料理のオンパレードでした。 


鱧の佃煮です

これまた見事な味で、伏見は月桂冠の鳳麟(ほうりん)がすすむことすすむこと。日本酒には最高の添えです。


鳳麟はなかなかの銘酒です

右奥の江戸切子風の赤いお猪口にしました

こうなると胃袋の箍(タガ)は物の見事にはずれ、最終コーナーへ向けて最後のダッシュ!!


そこであっさりと、小芋・蛸・白ずいき・南京など炊合せが出て参りました。


この炊合せ、もちろん二人で分けたのですよ

そしてゴールはもちろんお定まりの鯖鮨です。


最初から気になっていた鯖鮨です

もちろん、こんなに小さく切ってもらい食べましたよ

最初の客として席についてから延々、3時間半。疾うにほかのお客さん方は退散し、気がつけば店内の客はわが夫婦ふたりだけ。


松岡君とのカウンター越しの会話が楽しくて、ついつい、と言おうか、いつものように長居をしてしまいました。


当年取って確か40歳の松岡君の新たな挑戦がこの“割烹まつおか”で始まった。店主もスタッフもみんな若い。初々しさが匂い立つ、清々しいお店である。


今後の絶えざる精進と健やかな発展をされんことを心より願うとともに、京都での新たな愉しみの場所を与えてくれた松岡君に衷心より感謝する次第である。

2012年春の“割烹やました”=京都グルメ

2014年、祇園祭の“割烹やました”で、涼をもとめる=京都グルメ(2014.8.13)
2013年・水無月の“やました”、“あこう”の洗いで初夏の爽やかな音色を聴く=京都グルメ
(2013.7.1)
千変万化、山下茂氏の手練の技、“2012年秋の割烹やました” に感服!!
(2012.10.23)
割烹やました・2010年の味=京都グルメ
(2010.12.12)
秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ(2009.11.23)
割烹「やました」・・・京都グルメ編(2008.3.14)

京都・“割烹まつおか”に初見参=京都グルメ(2012.10.7)

中京区木屋町二条下ル

075-256-4506


昨年6月に訪れて以来、9か月ぶりの“やました”である。昨年、ブログへのアップを怠ったので、今年は遅ればせではあるが、“やました”探訪記を残しておく。

山下茂氏と花島氏
”やました”の大将と花島さん

なにしろ昨今は多くの知人が“やました”ファンとなった御蔭で、東京でもやたら「やました、行って来たよ」、「やましたの岩ガキおいしかったよ」とか、まぁ、こっちの気も知らないで“やました”自慢の花盛り、花盛り・・・。


そこで、この春、義母の米寿祝いに四国を訪れた帰路、京都で途中下車。もちろん定番“やました”へ向かうためである。そして今回は、学生時代以来の京都一人旅であり、事前の計画なしに洛中をブラブラする「無計画の計画」を心ゆくまで愉しむこともひとつ大きな目的としていた。

嵐電
学生時代以来の嵐電に乗りました

ただし、夜だけは「無計画」とは異なり、一日目が“御料理はやし”、二日目を“割烹やました”と、しっかりと事前に予約しておいたのはまぁ大人のご愛嬌である。

北野白梅町駅
昔、京都へ来ると、この北野白梅町駅をよく利用した

こうした行動パターンは、「無計画の計画」をモットーに洛中を彷徨していた学生の頃の自分が最も忌み嫌った「肥満した精神」の発露そのものである。

帷子の辻駅
この帷子の辻(かたびらのつじ)駅で乗り換えたり、ここから歩いたりしたもんだ・・・

正直、近年の「食」へのこだわり方は老いとともに執拗さを増し、己で制御するのが難しくなっている。理性を失ったかのようなその執着心のあさましさをまだ恥ずかしながら自覚していることが、まぁぎりぎりの救いってところかなと感じているところである。

帷子の辻駅前
帷子の辻駅前はまったくその様相が一変・・・、わたしには寂寥感のみが・・・

そうは言っても、あの青春時代のまぶしいような「無計画の計画」はお天道さまが顔を見せている時間帯だけという所業については、まぁ、若い人から見たら堕落しきった代物(しろもの)と一刀両断に唾棄されても仕方あるまい。

冷酒
大人の証明・・・、いやお酒の魔力・・・

あぁ、そんな噺はどうでもよいのだった。ここでは“やました”の近況を報告すればよかったのだ。

八寸
まずは八寸

ということで、今回は一人旅ということで、“やました”の大将がカウンター中央に席が取られていた。要すれば光栄にも大将の正面に坐ることとなった。これまではカウンターの一番奥に陣取り、隅から板場を見るのを常としていたが、今回は同行の話し相手もいないことから、計らずも大将とゆっくりと話をすることができた。


料理はいつもの“おこぜ”の刺身ではなく、“てっさ”をいただくことにした。大将がいうには、「いつもお造りは“おこぜ”だから、たまに違うのはどうか」と奨められたからである。前々回だったか娘が頼んだフグを少し横から掠め取り口に入れたところ、微妙に厚みがあって甘味が口の中にふわっと広がり、それまでフグ刺しをあまり好まなかったわたしにとり、ちょっとした新鮮な驚きがあったのを覚えていたためである。

てっさ
ちょっと肉厚で、噛みごたえのある”てっさ”は、わたし好み!!

今回はひとりで思いっきりその“てっさ”を堪能した。思った通りの醍醐味を感じさせる質感と淡白さの中にほの甘い味のするこれぞ“やました”の“てっさ”であった。

太った本モロコ
太った本モロコ

それから本モロコを久しぶりに戴くことにした。写真で分かるように、見事なモロコである。淡白でほっこりとした食感が堪らなくおいしい・・・。

本モロコ
おいしそうに焼きあがっています
ほっこりした本モロコ
思いっきりたくさん戴きました、本モロコ!

そして大将との談笑の合間に、色々と酒のツマミにとちょこちょこと繰り出される小気味よい技にほとほと感心しながら、酒はいよいよ進み、時間が経つのも忘れてしまったのは当然の成り行き。

おつまみ
この蕗の塔を刻み込んだ味噌でお酒の進むこと、進むこと・・・
おつまみ
からし和えもお酒が・・・欲しい・・・
酢味噌和え


山菜の天ぷら
山菜の天ぷらまで頼んでいたんだ、よく一人で食べたなぁ・・・

いつしか第一陣のお客で残っているのはわたしのみで、隣には大原からやって来られた気さくなご夫婦が坐っていた。


大将とはどうも野菜の仕入れの関係で長年のお付き合いがある様で、気の置けない談話が始まっていた。そしてわたしもいつの間にか当たり前のようにその仲間に入り、心温まる時間を過ごさせていただいた。


その会話の中で、大将の食材に対する造詣の深さや新たな食材への飽くなき探求心といったものを知り、笑顔の底に隠された“食の匠”としての凄みを知らされた貴重なひと時でもあった。


そうこうするうちに時間は看板の時刻を疾うに過ぎ11時近くとなり、大原のご夫婦を残して店を出ることにした。いつもの如く大将が外まで見送りに出てくれたが、「今夜は奥様がいないから“K6”(カクテルバー)には寄らずにまっすぐ、ホテルへゆくがよい」と誰かさんの伝言でもあったかのような適切なアドバイスをいただき、それではと初春の夜風に火照った頬をなぶらせながら、ゆっくりと、とろりんちょと、ホテルへ向かった次第である。


斯様にして2012年最初の“やました”の夜も更けていったのである。


それと大切な報告をここでしておかなければならない。“やました”の焼き方と揚げ場を担っていた松岡君が独立し、「割烹まつおか」(京都市東山区松原通大和大路西入る南側弓矢町25・電話075-531-0233)をこの426日(木)に開店したことである。カウンター7席の小さなお店とのことであるが、近いうちにぜひ伺いたいものと思っている。

右近君頑張る
若手の右近君、頑張っています

松岡君のいない“やました”はちょっとさびしい気もするが、これまで通り花島さんがしっかり大将を支え、若手の右近君が松岡君の抜けた穴をカバーし、いつも通りの旅人に優しい気の置けない“やました”はもちろん健在であり、今後とも脚を運び続けるのは言うまでもない。

秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ

割烹「やました」天下の珍味を堪能!(上)(09.1.16)
割烹「やました」天下の珍味を堪能!(下)――京都グルメ
割烹「やました」・・・京都グルメ編(08.3.14)
葵祭りの日、割烹やましたへ(08.5.21)
割烹やました・2010年の味=京都グルメ(2010.12.12)
2012年春の“割烹やました”=京都グルメ(2012.5.13)

千変万化、山下茂氏の手練の技、“2012年秋の割烹やました” に感服!!(2012.10.23)

食欲の秋!! 京都の「やました」で満喫しました。確実に体重計の針は右に振り切れました。そして翌日のお昼のそば会席「澤正」で食が進まなかった原因は、何と「やました」にありました。写真を見ていたら、こんなに食べているんだから、そりゃ、お昼は会席はないでしょう。そば一枚程度でよかったのだと深く反省しています。


突き当りが「やました」
この押小路の突当り明るい処が「やました」です

やました
やましたの表です 

 

それはそうと、今回の御奨めは二品です。

 

一品目が、何と、十月にも拘わらず鱧(はも)であります。花島氏によれば、秋鱧は脂がのっておいしいんだと言うのです。京都→夏→鱧という単純脳の持ち主には、うん?という感じでしたが、松岡さんの「今日あたりで最後です」のひと言で、「もちろん、お願いします」でした。



脂ののった秋鱧です
脂ののった肉厚の秋鱧

秋鱧の炙り
さっと炙ります
 

 

 そしてお味はというと、これは、またなんという美味!!


肉厚の炙り鱧
炙った秋鱧、美味でした!!
 

 

本当に脂がのった肉厚の鱧を思いがけずにいただいた気持ちは、もう、正月と盆が一緒に来た気分。ちょっと古すぎる表現ですが、古都京都の秋の夜です。許してください。

 

 もう一品が、京都には鯖街道なんて名前があるように、鯖鮨(これホテルにお持ち帰りしちゃったんだよね。食べ過ぎダ!!)・・・ではなく、鯖の刺身でした。これまたビックリ!! 関サバではない、若狭?の鯖でした。いやぁ、張り切って食べちゃいました。おいしかった。


鯖の刺身
鯖のお刺身
 

 

 今年最後の「やました」の夜は、いつもどおり賑やかに看板まで長居をしてしまいました。こうやって写真を見ると、またまた食い意地の張った一夜でありました。


付き出し

岩牡蠣
岩牡蠣でした・・・
松岡氏頑張るの図
松岡さんの包丁さばき
松岡氏の包丁さばき
丁寧にオコゼをさばきます

オコゼの骨抜き
花島さんがオコゼの骨抜きを念入りにやります
オコゼの薄造り
そして、オコゼの薄造りが目の前に
オコゼの骨の唐揚
残った骨もコンガリ唐揚げ、これ絶品!!
花島さんの笑顔
やったぜ、花島さんの破顔一笑!!
焼き物
これも食べてたんだ!!
新人川飛君です!
笑顔の松岡さん、新入りの川飛君をよろしくね!! 

 

そして残念だったのは、大将の山下茂氏がわれわれの訪れた日から骨折した足のボルトを抜くため入院したとのことで、一年間のお礼が言えなかったことでありました。また来年、元気になった大将の包丁でおいしい料理をいただくのを楽しみに「やましたレポート」を終わります。


割烹「やました」天下の珍味を堪能!(下)――京都グルメ5

割烹「やました」天下の珍味を堪能!(下)――京都グルメ

 

=本モロコ・ばちこ

 

★★★★★

 

割烹「やました」天下の珍味を堪能!(上)


秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ(09.10.15)


割烹「やました」・・・京都グルメ編(08.3.14)

葵祭りの日、割烹やましたへ(08.5.21)

 

 このたびの冬の割烹「やました」行きは実は意図せざる「珍味三昧の旅」となってしまったのである。いやぁ、リハビリ中の大将〜〜!に感謝!感謝!なのですぅ〜。

 

その思わせぶりな珍味とは、「本モロコ」と「ばちこ」のことなのです。そして実のところ、ふたつとも初めて口にしたものなのです。珍味というからして「腹の足しに」なぞと考える向きには不向き・・・? うん? 向きはいったいどっちだ?

 

 そんなくだらぬ駄洒落なぞ止めて早速、この珍味のグルメレビューに入るといたしゃ〜しょ〜。これから少々、いや長々と薀蓄(うんちく)を垂れやすが、もちろん東京へ帰ってから調べ上げたもので、当夜はただただ「珍味!」「珍味!」と騒いで、ホック、ホックと有り難く戴いたんだったっけかな・・・、京は伏見の「日の出盛」をクイクイ呑みながら・・・。

 

それではまずは、本モロコ(コイ科モロコ亜科タモロコ属)の塩焼きから、参りやしょう。

 

「本モロコ」は知る人ぞ知る京の冬の風物だそうで、1〜3月が子持ちの旬だそうです。だ・か・ら、「本モロコ」の旬にたまたま「やました」に行ったってことになるのかなぁ〜、このボクは・・・。

 

本モロコの焼き方は右近君です。まず、囲炉裏の三徳のような網渡し(焼き子)の上に本モロコを横に並べて片面づつゆっくり炭火でやきます。


モノロの網焼き



本モロコを横に寝かして
片面づつ
炭火で焼いてゆきます

 

 

 

 

 

両面が適度に焼けたころに、今度は網の目に本モロコの頭を刺し込み、要は逆立ちさせてしまいます。熱が全体にわたるようにその焼き具合をはかるその独特の焼き方にこちらは興味津々でした。

モロコ焼き姿

 

逆立ちにされ熱を全体に回す

この焼き方に感激!!

 

 

 

 

右近君


右近君が真剣な表情で
本モロコを焼いています。


両面を焼いた上で全体に炭火の
熱を回す、その微妙な焼き加減で、あのほっこり感が出てくるのでしょうね・・・

 



 そして小皿に載せられ、ふんわりとうすい狐色に焼き上がった本モロコを口にいれる。身も卵もほんわかと舌にやわらく、味も淡白で品がよい。だから王朝絵巻のお公家さんの口にもうまいことお入りやしたのではなんて・・・典雅な気分に・・・(いま、思うと)。

sishamo


  この典雅な日焼け姿、若いころ

憧れてませんでした?

 

天下の珍味本モロコを召し上がれ!!

 

 

 



 う〜ん・・・「生粋の淡水魚の王様」の異名は私の口を裏切らなかった(これも帰京後の感想というのが正しい。生粋の淡水魚だなんてその時知らなかったもので・・・、ク〜ッ!!)。

ワカサギや鮎、鰻などは淡水魚と言いながら実は海と川や湖を往復するのだけれど、この本モロコは琵琶湖の固有種で、硬い言葉でいうと「完全湖沼型淡水魚」と言って要は琵琶湖から出たことのない箱入り娘(息子)?なんだそうな・・・。そして1996年頃には漁獲量が最盛期の一割未満ほどまでに激減(ブラックバスなどの影響)、高級魚となってしまっただと。

 

だから、京都の料亭などだけでしか口にすることがなくなったんだとさ(そんなにすごかったんだ〜、「豚に真珠」ってこのアタイのこと? ダ・ヨ・ネ)。いやぁ、こんな珍味に巡り逢えたとは、余は幸せ者であった。

 

さてお次に控えしが、その名も「ばちこ」別名「干しくちこ」というもの。

なまこの何と卵巣を干したものを「ばちこ」または「干しくちこ」というのだそうだ。名前の由来は、卵巣を干す工程でその垂れ下がった姿が、三味線の撥(バチ)にそっくりというので、その名がついたんだと。写真で確認した製品も撥そっくりでしたよ、銀杏の葉型とでもいうのかなぁ・・・.


ばちこ(マルエ水産HP)

 

 

ばちこ(マルエ水産)

【「ネットショップぶちもん」のHPより】

 

三味線の撥に見えますよね・・・

 

 

 

 

 

なまこの卵巣を塩でまぶし、棹にぶら下げ乾燥させて丁寧に手造りされるんだそうですよ(もちろん、見たことありませ〜ん)。そして一枚の「ばちこ」を造るのには30匹から50匹分の卵巣が使われる(エ〜ッ!!)という、本当に手間のかかった珍味中の珍味と言えますね。

 

 さっと強火であぶって閉じた扇形の器に入れて出された濃い鼈甲色もあざやかな「ばちこ」!まずはゆっくりと口のなかで咀嚼。これって磯の香り? 舌の上にほのかに広がると〜いと〜いところの磯の香りだよね・・・。日本酒の「当て」にはその香りと食感が最高ですよ。

珍味

 

扇型器に入った ばちこ

 

 

 

 

 

 最初は、これってカラスミの千切り? 渋柿裂いた奴なんて思ったりして、無粋なことこの上なしのアタシでした。

ばちこ


この天下の珍味を渋柿裂いたなんて・・

 

 。゜(´Д`)゜。

 

トホホのアタシでやんした・・・。

 

すんまへん、Σ(´д`;)

 

ばちこ2

 

ほんに、おいしゅ〜ぅございました

 

(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

 

 

 

 
こんなアタイが天下の珍味を一夜にふたつも戴けるなんて、ほんにアタイは果報者で・し・た。今度は熱燗に「ばちこ」を入れて、磯の香を呑み干してみよう・・・。



割烹「やました」天下の珍味を堪能!!(上)5

割烹「やました」天下の珍味を堪能!!(上)

 

(´∀`*)京都のグルメ

 

京都府京都市中京区木屋町通二条下ル上樵木町491-3

075-256-4506

 

 

 割烹「やました」・・・京都グルメ編(08.3.14)

 

葵祭りの日、割烹やましたへ(08.5.21)

 

割烹「やました」天下の珍味を堪能(下)


秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ(09.10.15)
 

 冬の割烹「やました」へ行ってきました。昨年の師走、大将の山下茂氏が足を骨折し入院中との噂が東京方面で流れ、事実確認に京都在住の友人に確認したところ噂は事実、板場に入っていないとの情報。一月中旬に予約を入れていたわれわれも、自分の胃袋と舌の欲望から「早く、治れ!」と、ご祈祷の毎日・・・。

 

 上洛初日の夜、早速「やました」を訪れ、板場に大将の笑顔を発見!!

 

ヤレヤレ! (●´ω`●)

 

 つい三日前からリハビリを兼ね、数時間ずつ店に出始めたとのこと。わたしたちもホッと胸を撫で下ろし、心にもない憎まれ口を大将に叩いた。「(骨折の)理由が理由だから、同情なんてしないよ」って・・・。

 

包丁さばきおこぜおこぜのお造り

大将の包丁さばき            おこぜの薄造り
 

でも、大将が板場のど真ん中で見事な包丁さばき(おこぜ)を披露するのも、「やました」の醍醐味。無事に復帰できてよかった、よかった。早いとこ、完全復帰をして下さいね(一月中旬は途中退場)。余計なことだが、看護婦さんにあまり迷惑をかけないよう、リハビリ一途の生活にまい進して下さい。

 

 さて、当日の御奨めは別稿の「珍味三昧」と「おこぜの薄造り」と肉厚で軟らかい「赤なまこ」でありました。大将が大き目のおこぜを俎板の上であざやかにさばく姿は、さすがに天下一品。

 

「いやぁ〜絵になる」

 

 おこぜは胃袋から骨まですべてを調理するが、胃袋を食したときのコリコリ感が今でも舌の感覚に残っている。いつもながらおこぜの薄造りはまさに絶品である。

 

肉厚のなまこsishamo珍味

 赤なまこ     天下の珍味    天下の珍味
 

今回は、まず「やました」の板前さんをご紹介しよう(実は話に夢中で料理の写真をほとんど撮っていないことに、今にして気づいたところ・・・。だから「おこぜ」の皿盛りの写真は前回の写真を使わせてもらいました・・・) 
 天下の珍味については、別稿にて詳しくレビューさせてもらいます・・。(何と思わせぶりな・・・)
 
 

花島氏松岡君
花島氏       松岡君

 

芹生君右近君
芹生君       右近君

 

 以上の鯔背(いなせ)な4名が大将の元、きびきびと板場のなかで調理に励む姿は美しい。そういうことで、その夜は看板まで長居(と言ってもスタートが8時だった)。花島さんや松岡君らと陽気におしゃべりし、記念写真?までとったりと、大いにやましたを蹂躙し回り、堪能させていただいた。

 

マッチ初めて「やました」のマッチを見た・・

 

そして、「やました」行きのこれからどうも定番コースとなりそうな、近くのショットバー「K6」へと向かったのでした。

 

 K6カウンターK6看板とカウンター

 京都第一日目の楽しい夜でしたとさ、ジャンジャン!!




 


割烹やました(後編)――「Bar K6」5

割烹やました(後編)――「BAR K6

 

「K6」京都市中京区木屋町二条東入るヴァルズビル2F

電話:075−255−5009

 

割烹やました-----京都グルメ編

葵祭り、割烹やましたへ 前篇

 

 「やました後編」と銘打ったのは、「やました」で旬の料理に舌鼓を打った後に行ける粋なお店を紹介したかったからである。前編で記した大将から紹介された大将らもたまに顔を出すと云うお店である。

K6外側階段

大人の雰囲気

カウンター

 

 

 

 

 

 

 

 

K6への外階段   オレンジ色の店内   大人のムード


 

 「やました」から木屋町通りを北へ2分ほど歩き二条通りに突き当たったところのヴァルズビル二階にBar「K6」はある。ホテルフジタの西隣になる。外階段を昇り薄暗い店内に入ると、カウンターとオレンジ色の照明に浮き上がった棚に色とりどりのボトルが列んでいるのが目に入る。淡くオレンジ色のベールをかけたような大人の雰囲気に満ちた小洒落た店である。入った瞬間の印象は「グ~!」であり、「大将もやるじゃ〜ん!」であった。

 

 マスターの坪倉さんに名前を告げると、カウンターに二つ席が用意されていた。ちゃんと予約の電話が入っていた。ちょっとしたことで気分はさらに「グー!」になる。カウンターには二組ほどの先客がいたが、常連さんであろう。静かに語り合う姿はお店の雰囲気を大切にしているようで、その気持ちが伝わってきて嬉しい。

 

 家内はBarなんて久しぶりとカクテルが欲しいと云い、若い女性の好む「バイオレットフィズ」なぞを注文した。わたしはバランタインをロックでと洒落て見た。そのあと、わたしも「バイオレットフィズ」なるものを頼み、家内は「ピニアカラーダ」とかいうカクテルをオーダーした。ホワイトラムとパインジュースとココナツミルクを組み合わせたものだそうだ。「K6」ではこれに細かく刻んだ林檎を入れていたが、ちょっと呑ましてもらったところ、結構、「イケタ」。

カクテル2

グラス

カクテル1

 

 

 

 

 

 


 

ピニアカラーダ           グラス       カクテル

 

「K6」の名前の由来について訊ねた。オーナーが求める理想のBARのコンセプトが6つあり、それを意味する言葉がKの頭文字を持つ6つの英単語で表せるのだという。それを目標にしたお店造りということで、「K6」としたとのこと。

そして「6つのK」とは、KINGKEYKNOWLEDGEKOHINUR(「コ・イ・ヌール=光の山」=ビクトリア女王所有のダイヤモンド),KALEIDOSCOPE(万華鏡)と、6つ目に名誉、ノアと云われたが、いま思い起こしてみてもKが頭につく該当する英語を探すことが出来ない。ともあれ6つのKを目指した店づくりを理想としているということである。

 

 京の夜も更け店内はまたわれわれだけとなり、さすがに退散することにした。マスターに外までお見送りいただいた。高瀬川の暗がりに和船がぼ〜っと浮かぶ。そして暖簾を仕舞った「やました」の前で灯を落とした町屋通りに入り、心地よい夜風を頬に受けながらぶらぶらと歩いた。

 

高瀬川の和舟

暖簾を入れたやました

灯の落ちた町屋通り

 

 

 

 

 

 


 

高瀬川に浮ぶ和舟  暖簾を入れた「やました」 灯の落ちた町屋通り

 

ホテルの入口近く暗闇のなかバイクを置いて近寄ってきた背の高い不審な男性が声を掛けた。「いま、お帰りですか」と、聞き覚えのある声色である。

何と、「やました」の松岡君であった。時刻は日付も変わった12時過ぎである。わたしたちに気づき、わざわざ挨拶に来てくれたのである。われわれお客が帰った後も後片付けなどでこんなに遅くなるのだと、改めてお客をもてなす仕事と云うのは隠れたところでこうした努力があるのだと、当り前のことを知らされたものである。

 

 京都最後の夜に思いがけず「やました」の松岡君にお会いでき、「また、来るね!気をつけてお帰り」と挨拶ができたことは、なんとも心温まる気分であった。最後までハプニングに満ち、ワクワクし、そしてすこしロマンチックですてきな「やました」の夜でありました。

 

 そして次にK6を訪ねるときに、最後のKは何だったかを確かめようと思う。

 

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葵祭りの日、割烹「やました」へ(前編)5

千変万化、山下茂氏の手練の技、“2012年秋の割烹やました” に感服!!(2012.10.23)
2012年春の“割烹やました”=京都グルメ(2012.5.13)
割烹やました・2010年の味=京都グルメ(2010.12.12)
秋の京割烹「やました」、行って参りました=京都グルメ(2009.11.23)
割烹「やました」・・・京都グルメ編(2008.3.14)

中京区木屋町通二条下ル上樵木町491−3

電話:075-256-4506


葵祭りの行列を楽しんだ家内らと合流後、本日のメインイベントである割烹「やました」へと向かった。


押小路には粋なお店が多い・押小路東突き当りに”やました”がある

「侘び・寂びの世界云々(うんぬん)」などという七面倒くさく小難しい講釈などとんとどっかに吹っ飛ばし、木屋町通りの「やました」の小豆色の暖簾をくぐった。

割烹やました
割烹やましたの佇まい

これまで「やました」は帰京する日の新幹線最終便までの時間に立ち寄るという慌ただしい大変失礼な客であった。そんな無粋な客も分け隔てなく相手にしてくれる大将の山下茂氏には本当に感謝している。

   
高瀬川にかかる押小路橋        高瀬川に浮かぶ高瀬舟
匠の風貌、山下茂氏
葵祭りに見せる”匠の風貌”、山下茂氏

そこで今回は至近のホテルを予約、心ゆくまで「やました」を堪能するつもりで訪問した。予約は午後7時。カウンターはわたしたちの席を残すのみで、常連のお客でいっぱいであった。まぁ、前置きはそれぐらいにして、それではこれから、初夏の古都の味を写真とあわせじっくりとご堪能いただくことにしよう

   
先づけです             先づけの”鯛の昆布〆”

先付けのあと、お造りに白身の鯛におこぜを頼んだ。

お造り、鯛
鯛のお造り・・・、これ、頼んだの誰? 食べてない・・・なぁ

おこぜは薄造りで皮や胃袋もあざやかに包丁で刻まれ、九条葱や酢橘(すだち)とあわせて美味、珍味であった。骨は後ほど唐揚にされ出てきたが、前回も登場した松岡君の話だと、「おこぜは無駄にする所がない」のだそうだ。

おこぜのお造り
いつもながら、惚れ惚れする”おこぜの薄造り”

おこぜの唐揚です

そして当然、京都の初夏!は「鱧(はも)」である。「やました」では湯引きして梅肉で戴く定番の「ハモ」ではない。かるく炭火で炙った肉厚の鱧が特徴である。薄味のポン酢にすこしつけていただくと、口内に初夏の「きょ〜と!」が薫風のようにさわやかにひろがる。

炙り鱧です
肉厚の鱧の炙りを薄味のポン酢で・・・、大好きです!!

そしていよいよ 「岩がき」の登場である。

岩がき
お待たせ、”岩ガキ”の登場で〜す

「次、岩がきが入っていますが・・・」との松岡君の言葉に、「それをお願い」と口を開く前に、わたしの胃袋の噴門はすでに大きく開いてしまっているのである。いやぁ、これまた待ちに待った味覚である。ここの「岩がき」は実に美味い!し、本当にミルキィーさが違うのである。

大将を支える料理長の花島氏と焼き方の松岡氏
大将を支える料理長花島氏(左)と焼き方の松岡氏

「“岩がき”は“やました”に始まり、“やました”に終わる」と広辞苑に出ている、いやそんなはずはないが、“岩がき”の項に、「“やました”でのみ食べることができる美味しい牡蠣の一種類」という説明があってもよいとまで思ってしまうのである。先の炙った“鱧”も然りである、本当に広辞苑ものなのである。

常在戦場
板場は常在戦場

そして今回は“鯨の頬肉”を薦められたのが、わたしの「やました」遍路の歴史にあらたな一頁を加えたのである。

くじらのほほ肉
これが、これが・・・、鯨のほほ肉です

中央卸市場から直行の鮮やかな赤身! これは絶品!のひと言である。新鮮で肉厚の鯨の刺身、ほほ肉など食べたことのなかったわたしは、どんなお刺身を出されてもこの味と食感には適わないだろうなと思ったものである。

この杯で吉乃川をグッといきました
新潟の銘酒、”吉乃川”を冷酒でいただきました

あと脂ののった「キングサーモンのバター焼き」や「鮎の塩焼き」(わたしはお腹いっぱいでパス)や「金目鯛の煮つけ」や「ホタテのしんじょう椀」に最後に、『「やました」で鯖寿司喰わぬは人でなし』?と云われる「鯖寿司」を御土産に、もうお腹はパンパン。初めて看板(午後10時)まで尻を落ち着けた「やました」の夜は更けていった。

  
      ”キングサーモンのバター焼き”   ”鮎の塩焼き”なんぞ、注文していましたねぇ

”金目の煮つけ”です

そして、大将に駄々を捏ねて近くにある雰囲気のよいカウンターバーを教えてもらい、予約までしてもらった。次に「やました」の大将や花島さんたちも常連と云うそのお店を紹介しよう。それでは、『初夏の「やました」後編』をお楽しみに。

雰囲気のある店内
大人の雰囲気です・・・カクテルバーの名店”k6”

何はともあれ、三月弥生に訪れた際に、次は「鱧に岩がき・・・」とブログの文末に記したが、皐月の往訪はその期待を十二分に超える美味で素晴らしい出会いの「やました」であった。

  
”k6”の帰り、もちろん”やました”は閉店  暗くなった押小路をテクテク帰りました

花島さんもありがとうね、次回はこんどは会話重視で訪ねよう・・・、いや、それに旬の料理もやっぱり楽しみに再会を期そう・・・。

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割烹「やました」・・・京都グルメ編5

割烹 やました・・・京都グルメ編

★★★★★

京都市中京区木屋町通二条下ル上樵木町491−3

電話:075-256-4506

葵祭の日、割烹やましたへ(2008年5月)

割烹「やました」天下の珍味を堪能!(上)(2009年1月)

割烹「やました」天下の珍味を堪能!(下)(2009年1月)
割烹やました・2010年の味=京都グルメ(2010.12.12)

2012年春の“割烹やました”=京都グルメ(2012.3.13)
千変万化、山下茂氏の手練の技、“2012年秋の割烹やました” に感服!!(2012.10.23)
 

 京都駅から車で約15分、京都ホテルオークラから徒歩1、2分、木屋町通に割烹「やました」はある。今回は結婚を決めた息子にこのお店でちょっとしたお祝いをしてやりたいと思い、新幹線を途中下車した。

やました暖簾

やました入口

カウンター

 

 

 

 

 


 やました暖簾        割烹やました点灯    さぁ、呑むぞ、食うぞ!

 
京都を訪ねたときに、帰京前のひと時を「やました」で過ごすのがこの数年のならいになっている。8時26分京都発の「のぞみ」に乗るまでを季節季節の旬の食材を使った「やました」の料理に舌鼓を打って、思い残すことなく古都京都をあとにするのである。いつもギリギリまで尻を落ち着けてしまうので、挨拶もそこそこにタクシーに乗り込むのは、粋な料理を堪能したには、いささか無粋というものであるが、ついあれもこれもと箸をつけては、伏見の「日の出盛」をくいっと呑みほしてしまう。料理の味を殺さぬお神酒、さらりとした「日の出盛」ややや甘めの「桃の滴」は本当においしい・・・。

先付け

先付け

お造り

 

 

 

 

 


  先付け              先付け             お造り

 当日はおまかせでお願いしたが、好き好きで好みの食材でお願いする常連客でカウンターはいつしかいっぱいになっている。ご主人、わたしは大将と呼ぶ山下茂氏が手練の包丁さばきで作品を創り出してゆく。カウンター内では若い衆がきびきびと動き、そのさまがまた粋で心もちがいたってよい。まさに板前職人、プロの顔である。

山下茂氏(大将)

職人の顔

松岡君

 

 

 

 

 



    大将の山下茂氏    きびきびとした板前衆 メニューを書いた松岡君

 当夜のメニューを松岡君に丁寧に書いてもらった。難しい漢字を辞書も使わずに書き終えて手渡されたときには、料理の腕はもちろんだが、正直、今の若い人には珍しいと驚いた。

 
おまかせ料理の品書き

  • 先付け・・・磯つぶ貝、鮭とシビ鮪の燻製、氷魚かまあげ、千社胡麻からし和え、生かき(鳥羽浦村かき)
  • 造り・・・瀬戸内鯛、小シビ、車海老、活メ鰺、烏賊
  • 造り・・・とらふぐ白子と肝和え
  • 小蒸し物・・・てっぺい蒸し
  • 煮物・・・海老芋、明石蛸旨煮、竹の子、ふき、木の芽
  • 焼き物・・・魴�衽(ほうぼう)味噌漬け
  • 蒸し物・・・蕪蒸し
  • 揚げ物・・・山菜てんぷら(たらの芽・こごみ・ふきのとう・行者にんにく)
  • 酢の物・・・松葉蟹あしらい
  • 御飯・・・姫御飯、蜆赤出汁、香の物
  • デザート・・・瀬戸香、苺

鳥羽浦村カキ

てっぺい蒸し

煮物明石蛸七日煮等

 

 

 

 

  


羽浦村かき        てっぺい蒸し   煮物(明石蛸旨煮・海老芋等)

焼き物魴�衽(ほうぼう)味噌漬け

蕪蒸し

とらふぐ白子と肝和え

 

 

 

 




  焼き物(魴�衽味噌漬け)   かぶら蒸し        とらふぐ白子と肝和え  

大きな松葉カニ

酢の物松葉ガニ

お土産に鯖寿司

 

 

 

 

  


 松葉かに!花島さん    蜆赤出汁・揚げ物   絶品、鯖寿司(お土産に)

 三時間半の京都滞在でしたが、「やました」で京都の旬を堪能し、大将以下との久しぶりの談笑に胃袋も心も温まり、東京への帰路へと急いだ。鯖寿司の土産をしっかりと抱いて。京都駅に着くと、「のぞみ」に飛び乗る寸暇を惜しみ、阿闍梨(あじゃり)餅を買った。そして、「やました」の楽しい時間を惜しむかのように、「のぞみ98号」はゆっくりとゆっくりと京都駅のホームを離れていった。

  この次は鱧(はも)、岩ガキ・・・、車両の心地よい揺れが眠りを誘ってきた・・・

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